青森県八戸でのワーケーション中、週末2日目の目的地は下北半島にある恐山。霊場としても有名なところで、2000年5月に訪問したことがあります。そのときの旅行記はこちら。
新郷村のキリストの里伝承館と同様、こちらも24年ぶりの再訪になりました。
まずは青い森鉄道で野辺地駅へ移動。大湊線に乗り換え、恐山行きのバスが発着している下北駅へ向かいます。
なお、東北新幹線の新青森延伸によって東北本線が青い森鉄道に移管されたため、大湊線はJRの飛び地のような路線になってしまいました。このため、野辺地までの間で途中下車しない限り、青い森鉄道でも青春18きっぷが使用できる特例区間になっています。
大湊線は陸奥湾に沿って走るため、途中の景色はきれい。

野辺地から快速「しもきた」で45分、下北駅に到着しました。大湊線の終点は隣の大湊駅ですが、恐山行きのバスは下北駅から。

24年前に来たときは、ここから旧国鉄大畑線を引き継いだ下北交通大畑線が伸びていました。当時は大畑線で田名部駅へ移動して1泊したんですが、大畑線は2001年に廃止。今思えば、あのとき大畑線の終点になる大畑駅まで乗っておけばよかった。ちょっと後悔。
こちらが下北駅の外観。大畑線の廃止後、本州最北端の駅になっています。

では、バスで恐山へ。運賃は片道810円。

バスは途中、かつて田名部駅があった地域を通り、当時宿泊した「むつパークホテル」を遠望。いつかまた泊まってみたいものです。
そして、前回の訪問時と同様、冷水(ひやみず)で5分ほど停車。

この冷水、前回はバスの中で「一口飲めば十年、二口飲めば二十年長生きし、三口飲めば 死ぬまで長生きする」というアナウンスが流れ、思わず吹き出してしまった場所。しかし、今回はそういうアナウンスはありませんでした。残念。

冷水を3口飲み、これで死ぬまで長生きすることにして、再びバスに乗車して恐山へ。
やがて広大な恐山の駐車場に到着しました。

バスを下りて正門へ。前回は西原理恵子「鳥頭紀行」でネタにされていた「合掌・霊場アイス」の露店がありましたが、今回は見当たらず。すでに廃業したんでしょうか。

24年ぶりなので、懐かしいものです。

では、入山料の700円を払って総門をくぐり、境内へ。

境内はかなり広大。一直線に続く参道の先に山門が見えます。

参道歩いて山門へ。写真からわかる通り雲がほとんどない快晴の天候なので、歩いていると気分がいい。日本有数の霊場だというのに「気分がいい」と言っていいのかという気もしますが。

こちらが山門。

見上げると「霊場・恐山」の文字。

山門をくぐると、先に見えるのは本尊が安置されている地蔵殿。

参道の横には、ここも恐山名物といえる公衆浴場がありました。ただ、今回も入浴はせず、中をちょっと覗いただけ。

では、地蔵殿で参拝。恐山といえば「故人を偲ぶ場所」という認識が一般的のはず。ただ、調べたところ健康増進や厄除けの御利益もあるそうなので、ここでは「行ってみたい場所が世界中にまだたくさんあるので、旅行が続けられる間は健康でいられますように」「起業して5年目の会社があと10年くらいは続きますように」と願ってきました。

参拝を終え、続いてこちらのエリアへ。この柵から先が地獄らしい風景になっているんですが、ここは熊が出没するんでしょうかね。

荒涼とした風景に感動。こういう雰囲気の場所って、日本にもそうはないと思います。

風車がいい感じ。さすが日本有数の霊場です。

小高くなったところから見下ろした地蔵殿。

不動明王像がありました。私は酉年生まれなので、守護神の不動明王には丁寧に参拝。

賽の河原など、地獄らしい風景が一望できます。本当に独特の空気というか、スピリチュアルに興味がない人でも何かを感じてしまいそうな場所なので、昔の人がここを霊場に選んだのも納得です。

荒涼とした風景の中を歩いてみました。この付近は八大地獄の最下層になる無間地獄だそうです。

こちらは大師堂。

たくさん立てられている風車がいい感じ。風が強いのでクルクル回っています。

ここからは大平和観音が地獄を見下ろしていました。遠くに見えるのは宇曽利湖。

賽の河原では、あちこちで石が積み上げられていました。

こう言っては不謹慎ですが、ちょっと面白い風景。深海平原に海底火山が並んでいるところを連想してしまいました。

水子が石を積み上げるものの、鬼が崩してしまうため成仏できず、永遠に石を積み続けるという話が元になっているはず。それを考えると「面白い」と言ってはいけないんですが。

賽の河原をゆっくりと通り抜けて宇曽利湖の湖畔までやってきました。

この宇曽利湖ですが、湖水はかなりきれいです。

湖畔ではこういう写真が撮れます。この写真を「沖縄で撮ってきた」と言っても、信じてしまう人がいるかもしれません。

こういう風景を見ると淡水ダイビングを行ってみたくなりますが、湖水は硫化水素が噴出しているため強酸性ですし、何より霊場なので無理。

湖に沿って風車が並んでいます。

風でクルクル回っている風車を見ていると、本当に異世界に来たような気持ちに。

湖畔には東日本大震災の慰霊碑も建てられていました。

慰霊碑の裏側にはたくさんの手形。

再び不謹慎ながら、「怪談新耳袋」を連想してしまいました。こういう人、多いのでは?
湖畔を離れ、歩いていると水子供養の御札所があり、ここにもたくさんの風車。

こちらは地蔵堂という六角形の建物。

重罪地獄と書かれていますが、無間地獄とどちらが罪が重いんでしょうか。

こちらは金堀地獄。初めて聞く名前の地獄ですが、どういう罪人がここへ堕ちるんでしょうね。

金堀地獄の近くがちょっとした高台になっていて、宇曽利湖が一望できます。遠望できる円錐状の山は大尽山(おおづくしやま)。

これで地獄エリアを大まかに一回りしたことになります。ここで撮った動画をいくつか載せておきますが、静寂の中、風によって回っている風車が印象的。
もうしばらく散策し、寺院の境内に戻ってきました。こちらは団体客用の集合写真スポット。

恐山といえばイタコ。興味はあるんですが、今回もやめておきました。いつか、死んだ両親の話を聞いてみたい気もしますが。

これで2回目の恐山参拝が終了。何年後になるかわかりませんが、また来たいものです。

総門の外へ。

土産物店とレストランが並んでいます。

土産として「恐山銘菓・恐山せんべい」を買ってみました。ゴマ風味で、なかなか美味しい。

バス停の標識もいい感じ。

24年ぶりの再訪を終え、バスで下北駅へ。私も今までに日本各地を旅行してきましたが、恐山の雰囲気は本当に独特で、さすが日本有数の霊場です。多くの人に、この空気を味わってほしいものです。
下北駅からすぐに青森へ移動してもいいのですが、青春18きっぷを使っていることもあり、大湊線の終点になる大湊駅へ行ってみることに。

下北駅から一駅で、大湊駅に到着しました。

大湊線の終着駅ですが、下北駅よりも南にあるため「最北端の駅」は名乗れず、代わりに「てっぺんの終着駅」という控えめな愛称が付けられています。

北海道の網走へ行ったとき、網走駅の駅名標が「全国でも珍しい縦書きの木製看板」と聞いたんですが、ここも同様の縦書き。こういう駅は他にもあるんでしょうか。
すぐに折り返すため、周辺を少し歩いただけで駅のホームへ。

反対側のホームへは線路の端を歩いて渡るため、いい感じの終着駅感を味わうことができます。
大湊駅から野辺地駅へ向かう途中、日没になりました。

沈んでいく太陽を見ながら野辺地駅へ。

野辺地駅で青い森鉄道に乗り換え、青森駅へ移動。前述の通り、途中下車しなければ野辺地~青森間では青春18きっぷが使えます。
青森駅は夜景がきれい。

さすが青森というか、駅にはすべてがりんごジュースという自販機がありました。

ネタとしても、なかなか面白いものです。

この日は新青森駅の近くにある東横インに宿泊。翌日は青森駅から青森空港へ移動し、青森~伊丹~長崎と移動しました。往路は青春18きっぷで3日かかったのに、飛行機だとあっけない。これで青森でのワーケーションが終了。
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