【アルメニア南部の町ゴリスのおすすめ観光スポット】

このページでナゴルノ・カラバフ共和国に言及していますが、同共和国は2024年1月1日で消滅しました。
ゴリスの町はナゴルノ・カラバフ地域から避難してきた難民が多く滞在しているという情報があります。私が旅行した2015年当時とは状況が大きく変わっているので、訪れる際は最新の情報を入手するようにしてください。

アルメニア南部、ナゴルノ・カラバフ共和国との国境に近いところにゴリス(Goris)という町があります。人口2万人ほどの小さな町ですが、周辺にいくつか観光スポットがあります。

ゴリスの場所はここ。

アルメニアの首都エレバンからナゴルノ・カラバフの首都ステパナケルトへ向かう幹線道路沿いにあります。幹線道路から山間に広がるゴリスの町が見下ろせます。

2015年にアルメニアを旅行してゴリスの静かな雰囲気に魅了されたので、これから旅行する人のために主な見どころを紹介します。

タテヴ修道院

ゴリスから35キロほどのところにある修道院。ロケーションが素晴らしく、アルメニア旅行の際は訪問してほしい修道院です。

行き方はハリゾル(Halidzor)という村まで行き、そこからロープウェイで移動します。ゴリスからバスもあるようですが、便数が少ないため日帰りは難しく、タクシーを使うのが無難です。

こちらがタテヴ修道院へのロープウェイ(Wings of Tatev)ですが、全長はなんと5.7キロ! 世界一長いロープウェイとしてギネスブックに登録されているそうです。このロープウェイに乗るのもタテヴ修道院訪問の楽しみのひとつです。料金は往復で5,000ドラム(2015年のレートで1,250円)でした。

ロープウェイ

15分ほどの空中散歩が楽しめます。ただ、私が旅行したときは霧が濃く、景色は少ししか見えませんでした。晴れていれば絶景なんでしょうね。

ロープウェイ

ロープウェイを下りると、歩いてすぐのところに修道院があります。起源は9世紀までさかのぼるそうです。

タテヴ修道院

修道院の内部。

タテヴ修道院
タテヴ修道院

山の中なので天気が変わりやすく、霧が濃くなると幽玄な雰囲気になります。古いモノクロ映画みたいで、これはこれでいい眺めです。

タテヴ修道院

修道院から少し離れたところにビューポイントがあります。

坂道を20分ほど歩く必要がありますが、ここからは修道院の建物が一望できるので行ってみてください。

タテヴ修道院

修道院の敷地内には店などはありませんが、ロープウェイ乗り場の近くにツーリストインフォメーションがあり、中に小さなカフェがあります。歩き疲れたらここで休憩できます。

タテヴ修道院

ゴリスから半日ほどかけて訪問することになりますが、雰囲気のいいところなのでお勧めです。

フンゾレスク渓谷

ゴリスから10キロほどのところにある渓谷。

公共交通機関がないため、ゴリスからタクシーを利用することになります。タクシーを1日チャーターして、前述のタテヴ修道院と併せて訪問するのもいいかもしれません。おそらく10,000ドラム程度でチャーターできると思います。

フンゾレスク渓谷

ここは「アルメニアのカッパドキア」と呼ばれている渓谷で、かつての住居跡とされている洞窟があちこちにあります。

フンゾレスク渓谷
フンゾレスク渓谷
フンゾレスク渓谷

しかし1950年代までこの穴の中に人が住んでいたというのが驚きです。

フンゾレスク渓谷

高いところが好きなら吊り橋でこんな写真が取れます。

フンゾレスク渓谷
フンゾレスク渓谷

景色のいいところなので、ハイキングコースとしてもお勧めです。

オールドゴリス

ゴリスの町外れにオールドゴリスという地域があります。かつてはこちらがゴリスの集落だったそうで、フンゾレスク渓谷と同じような洞窟が開いた岩山が並んでいます。場所はこのあたり。

ゴリスの中心部からのどかな道を歩いていくと遠くに見えてきます。

オールドゴリス
オールドゴリス

岩山の麓は墓地になっていて、そこを上がっていくと洞窟を近くで見ることができるのですが、この墓地も興味深いので散策してみる価値はあります。

オールドゴリス
オールドゴリス

このあたりの墓地では、墓石に故人の姿が描かれるようです。

オールドゴリス
オールドゴリス

墓地の一番上まで上がると、洞窟を近くで見ることができるようになります。

オールドゴリス
オールドゴリス

いったいこんなところにどうやって住んでいたのかと思いますが、墓地も含めて不思議な景観が見られる場所なのでゴリス滞在中に一度は行ってみてください。タテヴ修道院などの観光から戻ってきた夕方などがお勧め。

ゴリスの街並み

ゴリスはアルメニア南部の中心都市ですが、こじんまりとしたのどかな町です。

ゴリス
ゴリス
ゴリス
ゴリス
ゴリス

この町では牛が普通に道路を歩いています。

ゴリス
ゴリス

雰囲気のいい町なんですが、注意点をひとつ。ゴリスにはレストランなど外で食事できる場所がほとんどありません。宿泊するホテルのレストランを除けば、私が旅行したとき(2015年)に見つけられたのはここだけでした。

ゴリス
ゴリス

その後もしかしたら状況は変わったのかもしれませんが、夕食に関しては注意しておいてください。レストランが見つからなければホテルで食事するのが無難です。


アルメニアを旅行するような物好きな日本人も、首都エレバン近郊が中心でゴリスまで足を延ばす人は少ないようです。小さな町なので暗くなってからも危険そうな雰囲気はなく(もちろん最低限の注意は必要ですが)、安心して滞在できます。ナゴルノ・カラバフ共和国に入る際は、エレバンからの往復どちらかでゴリスに立ち寄ることをお勧めします。

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