当サイトで長崎県平戸市にある「志々伎山」の登山風景を紹介していますが、平戸には気軽に登山できる山がもうひとつあります。それが島の南部にある佐志岳で、場所はここ。
志々伎山は林の中の登山道を歩き、岩場になっている山頂に到達しますが、佐志岳は広い草原の中を歩きます。標高347mの低山ですが、山麓が草原なので遠くまで見渡せます。同じ平戸島の中にある山でも景色が大きく違うので、両方に登ってみることをおすすめします。
登山道の入口付近には駐車場はありませんが、路肩に数台分の駐車スペースがあります。一杯になっていたら停められませんので、登山する方は午前中の早い時間に訪れるほうが安全です。
車を停め、登山道入口の方へ歩くとカトリック墓地(キリシタン墓地)があります。ここも興味深い場所なので、見学してみて下さい。
日本式墓地の上に十字架という、かなり珍しい眺めです。
さらには「REQUIEM」の文字が。
隠れキリシタンの地だけあって、こういう墓地は長崎県内には何ヶ所かあるようですが、全国的には珍しいと思います。ただし、あくまでここは墓地なので、節度を持って見学してください。
カトリック墓地の向かい側の道に入り、しばらくは林の中を歩きます。
佐志岳の案内板が現れたところが登山道の入口です。
ここから山道を登っていきます。
すぐ先で道が二手に分かれていて、ここで間違った方へ進んでしまいました。つづら折りのようになっている方向が正しい登山道なのですが、知らないとつい直進してしまいます。ちなみに下の写真で遠くに写っている岩場が山頂です。
直進した先に赤い旗があったので、こちらで間違いないと思い込んでしまいました。これから登山する人は、この旗はフェイントなので注意してください。
自分では登山道を歩いているつもりだったんですが、次第に道が消えていきました。この時点で「もしかして間違ったかも」と思い始めています。
通常の登山であれば引き返すところですが、この山は写真からわかる通り麓に草原が広がっているので、遠くからでも山頂が見えています。本来はよくないのですが、道なき道を強引に進んでみました。
ところどころにクモの巣があるので、それに注意しながら歩いていくと、景色と植物はきれいです。この薄紫色の花はチョウセンノギク。
この黄色い花はアキノキリンソウ。
草原の斜面を強引に登っていると、正しい登山道に合流しました。このときは運よく登山道にたどり着きましたが、登山道以外の部分を歩くのは本来はおすすめしません。
ここからは登山道を歩いて山頂を目指します。
山全体が草原なので、遠くまで見渡せます。このときの登山は秋だったので快適でしたが、夏は遮るものがないのでかなり暑いはずです。夏に登る際は注意してください。
この山は植物が本当にきれいです。この紫の花はイトラッキョウ。
こちらの紫の花はヤマジノギク。先ほどのチョウセンノギクと同じような形ですが、紫色がやや強いのが特徴です。
山頂が近づいてきました。
海の眺めもきれい。
登り始めてから40分ほどで、山頂に到着しました。
山頂には祠が祀ってあります。
山頂からの眺め。複数の写真をパノラマ風につなげてみました。
上の写真とは反対方向の眺め。目立っている山が屏風岳で、その向こうに見えている尖った山が当サイトでも登山風景を紹介している志々伎山です。
屏風岳にも登山道はありますが、山頂まで森に覆われているため、頂上からの眺望はほとんどないようです。
それにしても、佐志岳は植物が本当にきれい。このときに出会った登山者たちも、植物が目当てだったらしく盛んに花の写真を撮っていました。
では、そろそろ下山します。
草原の中の道って、歩いていると気分のいいものです。
帰りはもちろん最後まで登山道を歩きました。
佐志岳の遠望。
同じ平戸にある志々伎山は、ロープを伝って岩場や急斜面を登ったりとワイルドな登山を楽しめる山ですが、この佐志岳は草原の中をゆったりと歩きます。それに植物は種類も多く本当にきれいなので、花を見るのが好きな人にもおすすめの山です。
長崎県平戸はなかなか行く機会のない島かもしれませんが、登山に興味のある人はぜひ志々伎山と佐志岳の両方に登って、景色を比べてみて下さい。
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