【流氷ダイビング風景の紹介(知床 / ウトロ)】

当サイトで「知床スノーシューツアー」を紹介していますが、このとき北海道の知床に滞在した一番の目的はウトロでの流氷ダイビングでした。ウトロの位置はここ。

知床スノーシューツアーと違ってダイビングはライセンスを持っていないとできないため、一般的な旅行情報として扱うのはどうかと思い、今まで当サイトには載せていませんでした。しかし、流氷を下から見るというのは通常はできない体験であり、興味を持つ人も多いのではないかと思ったため掲載することにしました。


ウトロへは知床斜里駅からバスで移動することになります。宿泊したのは「知床第一ホテル」で、ダイビング当日朝のホテルからの眺めがこちら。

ダイビングショップの送迎でウトロ港へ移動しました。私が流氷ダイビングを行ったのは2019年3月2日で、流氷の接岸状況によっては実施できないこともあります。この日は無事に流氷が来てくれていました。

それにしても、これから海に潜るとは思えない風景。

今回利用したダイビングショップは、札幌にある「ロビンソン」です。

ただし、流氷ダイビングについては通常は個人での申し込みは受け付けておらず、普段利用しているダイビングショップを通して申し込む必要があります。私の場合、前年の2018年2月に北海道の積丹半島でダイビングを行った際にロビンソンの方と会っており、その縁で個人でも受け付けてもらうことができました。やはり、いろいろと出歩いてみるものですねえ。

なお、こちらも極寒のダイビングだった真冬の積丹半島の風景については、当サイト本館の旅行記を参照してください。よくこんな変態みたいなダイビングをやったものだと自分でも思います。

ダイビング1本目

ダイビング前に説明を受け、器材の準備。レギュレーターについては寒冷地仕様のものが必須で、九州在住者としてはもちろんそういうものは持っていません。他にもグローブやフードについても厚手のものが必要になるため、ここではドライスーツとインナースーツ以外はほぼレンタルしました。

氷の表面に開けてある三角形の穴からエントリーします。

「ヒートテック」+「Tシャツ」+「セーター」+「ジャージ」+「インナースーツ」+「ドライスーツ」という重装備で、かなり着込むためウェイトは驚異の17キロでした。フードは顔全体を覆ってしまうタイプもあり、これを着用すると見た目が完全に ジェイソン になります。今回レンタルしたのは一部が露出したタイプで、頬の皮膚が寒さに耐えられるか少し心配。

これから、ここに潜るんですね。ちょっと緊張。

ダイビングを終えると必ずここに浮上しないといけないため、ダイバーは全員ロープをつなぎ、地上にロープを持つ人が立っています。

足を浸けてみました。着込んでいるためか、意外と冷たさは感じません。

この写真を見て気付いた人もいるかもしれませんが、うっかりアンクルウェイトの装着を忘れていて、この影響がエントリーの際に現れました。

では、いよいよエントリー。このときわかったのは、何しろ17キロというウェイトを装着しているため上半身が重くなってしまい、体を垂直にして潜行しないとすぐに足が浮き上がってしまうということ。特に1本目はアンクルを忘れているために尚更で、足が沈まないのを見て「アンクルを忘れた!」ということに気付いたものの、もう遅いので何とか体をまっすぐにして潜行できました。

三角形の穴を下から眺めると、自分が氷の下にいることを実感します。

氷を通して、太陽の光が少しだけ差し込んでいます。あまりに感動的な景色に、しばらく上を眺め続けていました。流氷って、下からだとこんな風に見えるんですねえ。

通常のダイビングと違って、海面が氷に覆われているため波がなく、水中は完全な静寂の世界です。

流氷の海にいる生物と言えば、誰もが知っているのがクリオネ。

クリオネは動き回るので写真を撮るのが難しく、なかなかピントが合いません。何とか見られるレベルの写真がこちら。

何しろ極寒の海なので潜水時間は12分。顔の露出している部分の皮膚も、潜っているうちに冷たさに慣れてきました。1本目はチェックダイブも兼ねていたので水中でそれほど泳ぎ回ることはありませんでしたが、それでも激しく感動したダイビングでした。

  • 天候:曇り
  • 気温:-3.5℃
  • 水温:-1.8℃
  • 潜水時間:12分
  • 最大深度:5.0m
  • 平均深度:4.4m
  • 透明度:10m

このログを見ると、極寒ぶりに自分でも改めて驚きます。気温も水温もマイナスの海に潜るなんて、普通はあり得ません。

ダイビング2本目

ストーブのあるテントに入ってしばらく休憩し、2本目のエントリー。今回は忘れずにアンクルウェイトを装着しました。

足が浮き上がるのを抑えることができ、スムーズにエントリー。

2本目は水中の生物観察がメイン。

こちらはオホーツクホンヤドカリ。大きさは手のひらサイズで、見るからに頑丈そうな殻を背負っています。

この巻貝の名前は失念しました。わかる人がいたら教えて下さい。

極寒の海にもイソギンチャクがいるんですね。オレンジ色がきれい。

もちろんクリオネもいます。

激しく動き回るのでなかなか写真が取れないんですが、1枚だけ奇跡的にピントが合いました。後でショップの人に見せたら、最初の流氷ダイビングでこういう写真が撮れる人は珍しいとのこと。

名残惜しいですが、2本目も13分で浮上。

ログは以下の通り。

  • 天候:曇り
  • 気温:-3.5℃
  • 水温:-1.8℃
  • 潜水時間:13分
  • 最大深度:5.3m
  • 平均深度:4.6m
  • 透明度:10m

氷の上に戻り、穴の縁で記念撮影。

午前中の2本のダイビングを終え、いったん休憩します。

昼食は鹿肉のカレーとスープ。

このカレーは非常においしく、体が温まりました。

ダイビング3本目

午後になると、次第に晴れ間が見えてきました。

3本目のエントリー。この日最後のダイビングは流氷観察がメインで、ワイドレンズを使って写真を撮ってみました。

水面下の流氷はかなりの大きさ。さすが「氷山の一角」という言葉の通りです。

それにしても、すごい眺めです。こんな体験をすると「ダイビングを始めておいてよかった」と思えます。普通はこんな景色は見られません。

流氷がなかなかの迫力。

氷を通して差し込む日光も、青くてきれいです。

近くで見た流氷は、こんな感じ。

光のバランスを変えて写真を撮ると、こういう青い写真になります。これはガイドの方にカメラを渡して撮ってもらったもので、写っているのは私です。

本当に名残惜しいですが、これでダイビングを終えて浮上。

ロープを持って穴の縁に立っている人が見えてきます。

これで、この日の流氷ダイビングが終了しました。3本目のログは以下の通り。

  • 天候:晴れ
  • 気温:-3.5℃
  • 水温:-1.7℃
  • 潜水時間:17分
  • 最大深度:5.3m
  • 平均深度:4.0m
  • 透明度:10m

ダイビング後、少しだけ周囲を歩いてみました。

氷の縁で、カメラを水面下に差し込んで撮った写真。

他のダイバーたちが氷の上で戯れていましたが、その氷自体が流れ始めました。慌ててこちらへ戻ろうとするダイバーの皆さん。

ストーブのある小屋に戻り、レンタルしていた器材の返却とログ付けを行ってからホテルに戻りました。

それにしても、本当にすごいダイビングでした。こんな体験ができるのは日本では知床くらいで、ぜひ多くのダイバーに見てほしい景色です。私も近いうちにまた来てみたいと考えています。

ウトロの風景

夕方、せっかくウトロに滞在しているのでホテル周辺を散策してみました。

ウトロ港を見下ろす高台の上に「夕陽台」という展望所があります。

曇っているので夕陽は見えませんでした。しかし寒そうなウトロ港は一望できます。昼間はあの氷の下に潜っていたんですねえ。

どこを歩いても寒そうな景色の連続。九州在住者からすると、雪の塊を見るだけで感動します。

墓地も雪に覆われていました。この地域に越後屋さんという家があるんですね。時代劇の悪役の定番。

このときの旅行では「知床第一ホテル」に宿泊したんですが、このホテルの夕食が驚くほど豪華でした。ビュッフェ形式であらゆる料理が並んでいます。レストランスペースがとにかく広大。

デザートも豊富で、こんな本格的なチョコレートフォンデュを見たのは初めてという気がします。もちろん、シュークリームやらバウムクーヘンやら、いろんなものをチョコレートに浸して食べてきました。

このホテルを選んだのは、楽天トラベルで予約すれば夕食と朝食の2食付きで意外と高くなかったことが理由だったんですが、それにしても食事の豪華さは予想をはるかに超えていました。ウトロに滞在するときは、このホテルはおすすめです。(下のロゴをクリック)

2019年はコロナ前だったので、台湾や東南アジアの人たちが大勢宿泊していました。熱帯の国の人たちにとって、冬の北海道は人気の旅行先なんでしょう。

ウトロへの移動経路

知床を旅行する場合、もっとも便利な空港は女満別空港です。私も2012年2月に流氷クルーズ船に乗ったときは、帰りは女満別~中部国際~福岡と移動しました。

(流氷クルーズについては当サイト本館の記事を参照)

ただ、羽田や中部のように女満別空港への直行便がある空港ならいいのですが、そうでなければどこかで乗り継ぐ必要があります。一般的には新千歳で乗り継ぐケースが多いと思いますが、実は釧路空港も密かにおすすめです。この流氷ダイビング旅行のときの移動経路について紹介しておきます。

釧路~ウトロ

行きは福岡~関西~釧路と移動しました。女満別へは直行便がなくても釧路への便があるという空港の場合、道東観光には便利です。関西~釧路は LCC のピーチが就航しているため、安く移動できるのも魅力です。(なお、就航していない時期があるかもしれないため、詳しくはピーチの公式サイトで確認してください)

釧路駅から釧網本線で知床斜里へ移動します。

車窓からは釧路湿原や原生林が眺められます。この景色も魅力。

こちらは雪に覆われた湖。

知床斜里まで普通列車で2時間以上かかりますが、景色を眺めていると飽きません。知床観光に釧路空港を利用するのは案外盲点になっているかもしれないので、ここで紹介しておきます。

ウトロ~網走~札幌

帰りは前日のうちに網走まで移動して1泊し、まだ薄暗い早朝に出発して札幌まで移動しました。

なぜ帰りは釧路空港ではなく新千歳空港利用なのかというと、特急オホーツク2号からの車窓風景を眺めたかったため。

遠軽駅で進行方向が変わります。なので座席回転。

ここからの車窓は寒そうな風景の連続です。さすが真冬の北海道。

途中駅のホームも雪に埋もれています。

特急列車で5時間以上かかって、札幌駅に到着しました。

長い移動ですが、途中の車窓風景は十分に魅力です。JR北海道の経営に貢献するためにも、この区間に一度は乗ってみてほしいと思います。

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