【観音院加賀寺を21年ぶりに再訪】

2023年2月の金沢でのワーケーションの際、ハニベ巌窟院に続いて訪問したのが観音院加賀寺。ここはかつて「ユートピア加賀の郷」という名前で知られていて、北陸屈指のB級スポットとして有名でした。2002年の石川旅行の際に訪れたことがあり、今回が21年ぶりの再訪になります。

2002年の旅行記は、当サイト本館の以下のページを参照して下さい。

21年前は大きな観音像がある加賀寺エリアを中心として、ホテルや温泉がある複合施設になっていました。他にユートピアランドという遊園地もありましたが、ここは2002年の時点ですでに閉鎖されています。

その後はいろいろと紆余曲折があり、一時はあの織田無道が住職になったこともあったそうですが、全体的に廃墟化が進行しているらしいという話は聞いていました。

今回は本当に久しぶりの再訪で、現状を見ることができるのが楽しみです。


小松駅から北陸本線の普通列車で加賀温泉駅へ移動すると、こちらも北陸新幹線の敦賀延伸によって巨大な駅に変貌していました。(ただし、この時点ではまだ開通しておらず工事中)

2002年当時は駅のホームから観音像が見え、それを目印に歩いていくと比較的容易にたどり着いたように記憶しています。しかし、今回は南側の出口から外に出ると、巨大な駅舎のために観音像は見えません。

さらに駅周辺には大きな商業施設が作られていて、かなり遠回りしないと駅の北側へは行けなくなっていました。(後で駅の北側にも出口があったことがわかりましたが、このときは南側から出てしまっていました)

Google Map を頼りに、かなり歩いて駅の北側へ。ここからは観音像が見えます。(一般の民家が写っているので、モザイクを入れておきます)

Google Map に表示された最短ルートによると、住宅地を離れてこちらの道を通るようです。急に雪道になり「本当か?」と思いながらも歩いてみることにします。

一応、人が歩いた跡は残っているものの、なんだか不安。

しかしながら、しばらく歩いたところで木によって塞がれていました。倒木というより、ここから先は立入り禁止という意味で設置されているような気がします。

ここから先へ進むのは諦め、住宅地へ戻って観音像へ近づける場所がないか歩いてみました。

観音像が見える生活って、どんなものなんでしょうね。

観音像を回り込むように歩いていると、ようやく「参道」という表示を見つけました。ここから入れるようです。「もしかして閉鎖されたのかも」と思い始めていたので、ほっと一安心。

階段を上がると、こちらで拝観料を払って中に入るようになっていました。

周囲を眺めると、あの山門(仁王門)の先がホテルと温泉エリアだったようです。21年前はあの山門を通ってきたはずですが、今は立ち入れないようになっていました。

では、拝観料の500円を払い、パンフレットをもらって中に入ります。21年前は800円だったので、値下がりしていました。

まずは正面から慈母観音像と対面。高さは73メートルで、大きさに圧倒されます。パンフレットには「赤子は奈良の大仏とほぼ同じ大きさ(16m)」と書かれていますが、本当でしょうかね。

まずは本堂に参拝。本尊の大日如来が安置されていましたが、さすがに写真は撮っていません。

本堂の前からの眺め。

あの建物は屋根が剥げかけているように見えるんですが、大丈夫なんでしょうかね。あるいは、ああいうデザインなんでしょうか。(21年前はどうだったか、憶えていません)

観音像へ行く前にトイレの表示がったので立ち寄ったのですが、その途中で車がこんなことになってました。どういう状況なんでしょうか。

こちらは不動尊堂。私は酉年生まれなので、守護神である不動明王に参拝しておきました。

では観音像へ。下から見上げると、改めてすごい迫力です。

2022年に淡路島の世界平和大観音像の解体がニュースになりましたが、おそらくメンテナンス費用も大変なんでしょうね。こちらの観音像は、見た限りではきれいに整備されているようです。

観音像の周囲を一回りしてみます。

21年前に激しく感動した加賀三十三間堂に入る前に、まずは観音像の体内へ。

内部は「百観音札所巡り」で、一回りするだけで「西国三十三か所」「坂東三十三か所」「秩父三十四か所」巡りができてしまうというお得な場所になっていました。ただし写真撮影禁止だったので、ここの写真はありません。

前回来たときは展望所まで上ることができましたが、今は公開されているのは1階だけ。この先へ進めないのが残念ですが、仕方ありません。

観音像を出て、続いて加賀三十三間堂へ。この加賀三十三間堂ですが、本当にすごいところです。

建物の中は二つのエリアに分かれていて、まずは「釈迦八相・シルクロード」へ。パンフレットには「衆生を救うことに生涯をかけた釈迦の救済の道そのものを、八つの重要な場面とシルクロードの大ジオラマで表しています」と書かれていて、一目見ただけでスケールに驚かされます。

21年ぶりに見ても、本当に感動します。ただ、前回はシンセサイザーによる荘重な音楽が流れていましたが、今回は静寂に包まれていました。これはこれでいい雰囲気です。

それにしても、これだけのジオラマを維持管理するのは大変でしょうけど、汚れがまったく見られないのはすごい。

羊もラクダもしっかりと立っています。倒れているものはありません。

建物も凝っています。製作には相当な費用がかかったはず。

釈迦の生涯を再現したジオラマも見事。

いやー、これは本当にすごい。ずっと見ていても飽きません。北陸に来たら、この光景は必見です。

続いて、建物の残り半分を占める千手観音像エリアへ。高さ1メートル60センチの千手観音立像が実に1188体!

さらに正面が鏡張りなので、2倍に見えることになります。あまりの眩しさに圧倒され、もう声も出ません。

同じ形のものが幾何学的に並ぶ風景って、実にきれいです。

それもしても、これだけの施設があまり人に知られずひっそりと存在しているのが本当にもったいないと思えます。人気の観光資源にできそうな気がするんですが、いろいろ難しいんでしょうかね。

加賀三十三間堂を出て、続いて梵鐘佛堂へ。直径5m、高さ10m、重量350トンという巨大梵鐘が置かれています。色はもちろん金色。

周囲のレリーフを眺めながら梵鐘の周囲を一回り。

この鐘、実際につくことはできるんでしょうかね。

金色のものをたくさん見て、すっかり満腹です。

さらに、ここには金色堂と瑠璃光殿という建物があります。

しかしながら、入ろうとしてびっくり。「電気調整および清掃に付き入場できません」となっていました。

来るタイミングが悪かったのかとがっかりしましたが、しかし建物の中を覗き込んでみるとドアが長椅子で塞がれているようです。もしかしたら、長期間にわたって閉鎖されているのかもしれません。

21年前に来たときは金色堂と瑠璃光殿の両方を見ているんですが、ほとんど憶えていません。また中に入ることができる日が来ることを願っています。

観音像と弘法大師のツーショットを眺めながら、周囲をしばらく散策。

前回来たときは5月だったので、雪が積もっている景色を見たのは今回が初めて。金色に光る観音像と、白い雪のコントラストがきれいです。

さらに周辺を散策し、名残惜しいですが加賀寺を後にしました。加賀温泉駅周辺は新幹線の延伸に伴って再開発が行われるそうなので、ここも「新・ユートピア加賀の郷」として人気の観光スポットに変貌することを願っています。


来たときとは別のルートで駅方面へ歩いていくと、ホテルの建物がありました。21年前はここから中に入り、賑わっていた温泉を通り過ぎてから山門をくぐって加賀寺を訪問したはず。今はホテルも温泉も閉鎖されていました。

閉鎖されているといっても、ホテルの建物自体は廃墟化しているようには見えません。いつか、営業再開することがあるんでしょうか。

加賀温泉駅に着くと、北側にも改札口がありました。ここを通れば遠回りせずに加賀寺へ行けたことに気付きましたが、そうするとホテルの送迎車がずらりと並んだ南口の風景を見逃すことになったので、むしろ遠回りしてよかったと思っています。

改札を通り、在来線のホームへ行くと新幹線の駅舎が眺められます。

あの高さであれば、ホームからは加賀寺の観音像がよく見えるはず。新幹線の開通は加賀寺にとって再び人気観光スポット化するきっかけになるかも、などと淡い期待を持ちながら金沢へ戻りました。いつになるかわかりませんが、また再訪したいものです。

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