先日紹介したCD「機巧天球儀」に続いて、ちょっとした思い出話をひとつ。
実家の部屋を整理していた時、以下の新聞切り抜きが出てきました。昭和57年(1982年)に制作された角川映画「化石の荒野」に関するイベントで、暗号を解読して100万円相当の金塊を探し出すというもの。
イベントは「推理編」「冒険編」の2段階で、まずはこちらの暗号を解読すると冒険編の参加資格が得られます。
この広告をたまたま新聞で見かけ、面白そうだったので挑戦してみることに。ちなみに昭和57年3月当時、私は小学6年生でした(翌4月に中学校に進学)。
暗号の内容は以下の通り。
KEY1「謎満ちるとき愛は血を流す」
上の言葉を「後汁。阿伴祈仏抱客宝桃伴計後指。沢」と訳す暗号がある。この暗号による「朽伏指宝仏。牢泊社仏打阿浅抱」をA地点とする。
KEY2「爆撃機が消えた」
上の言葉を「62・23・332・13・13・22・13・32・4」と訳す暗号がある。目指す□山は、この暗号でA地点より「こ+ろ+せ」km離れた地点にある。
KEY3「REMEMBER」
マイナスBのカタチに注目せよ。
暗号の解読結果を葉書で送り、主催者から送付されてきた内容がこちら。無事に正解できていました。
応募総数が約26万通、そのうち正解が約20万通だったそうです。「意外と正解率が低いな」というのが当時の感想だったように記憶しています。
裏面には冒険編への参加要項が記載されていますが、場所は東京だし、中学1年生がこのために九州から東京まで行くわけにはいかないので不参加。Wikipedia を見ると、人が集まりすぎて現場は混乱していたようです。
正解者への通知に同封されていた記念ペンダントがこちら。これも自宅を探したら見つかりました。
「10g GOLD SBS 999.9」と刻印されています。SBSはスイス銀行という意味だそうで、999.9は純度99.99%ということ。
本当に純度99.99%の金貨だったら2024年時点で10万円以上の価値があるんですが、これはもちろんレプリカコイン。それなりにレアアイテムではあるでしょうけど、売っても数百円程度のはず。
というわけで、これは子供の頃の思い出としてずっと持っておきます。
上記の暗号ですが、当時小学6年生だった私でも解けたくらいなので、特に難易度の高いものではありません。暗号の答えは以下に載せていますが、頭の体操として自分でも解読してみて下さい。
KEY1「謎満ちるとき愛は血を流す」
上の言葉を「後汁。阿伴祈仏抱客宝桃伴計後指。沢」と訳す暗号がある。この暗号による「朽伏指宝仏。牢泊社仏打阿浅抱」をA地点とする。
句点の「。」が濁音を示していることはすぐにわかるはず。さらに漢字の「へん」と「つくり」が仮名の五十音に対応していることも、おそらくは直感でわかると思います。
各漢字の「へん」と「つくりの画数」を表にしたのがこちら。
つまり「へんの種類がア行~ワ行」「つくりの画数がア段~オ段」を示しているわけです。
これを「朽伏指宝仏牢泊社仏打阿浅抱」に当てはめると「ほつかいとうしれとこみさき」、濁音を考慮して「北海道知床岬」になります。
KEY2「爆撃機が消えた」
上の言葉を「62・23・332・13・13・22・13・32・4」と訳す暗号がある。目指す□山は、この暗号でA地点より「こ+ろ+せ」km離れた地点にある。
KEY1と同様、2乗が濁音を示していることはすぐにわかるはず。後は「各数字の十の位と一の位が五十音に対応しているのでは?」という点も推測できると思います。
表にすると、こんな感じ。
この表を眺めていると、なんとなくわかってくるはず。つまり、各数字が以下の表に対応しています。
十の位が「0,1,2,3,4」と規則的に並んでいるのに対し、一の位が「1,2,2,2,2」みたいになっているのが不思議ですが、これは「距離を合わせるために仕方なく」「暗号発案者のひっかけ」の2つの意味があると思います。
これを「こ+ろ+せ」に当てはめると、「こ」が「4×10+3」、「ろ」が「4×10+10」、「せ」が「3×10+4」であり、つまり「43+50+34=127km」になります。
KEY3「REMEMBER」
マイナスBのカタチに注目せよ。
これはすぐにわかるはず。”REMEMER” なので、つまり「前から読んでも後から読んでも同じ形」ということ。
以上から「知床岬から127kmの距離にある前から読んでも後から読んでも同じ名前の山」が答えになります。この円周上のどこかにあるはず。
社会の授業で使っていた地図帳を持ってきて、最初は北海道内で探してみましたがなかなか見つかりません。「もしかして北方領土内?」と思って範囲を広げたところ、該当する山を発見。
この山なら、知床岬からの距離と名前の特徴が一致します。ここが目指す目的地。
というわけで、暗号の答えは「択捉島のベルタルベ山」でした。正解できましたか?
ところで肝心の映画「化石の荒野」ですが、実は見たことがありません。この機会に見てみようかとも思ったものの、現在加入している U-NEXT でも配信されていませんし、DVDを買うしかないようなので断念。
YouTube に予告編がありました。
ちなみに Wikipedia の記述を見ると「角川映画始まって以来の不入り」だったそうです。いったい、どんな映画なんでしょうね。しかし出演者の多くがすでに亡くなられていて、自分も歳を取ったことを実感。何しろ、もう40年以上前の映画なので。
私は今後も見る機会はないと思いますが、興味がある人は見てみて下さい。
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