【神子元島でのダイビング】

当サイトの国内情報のページで「河津七滝でキャニオニング」「怪しい少年少女博物館」「まぼろし博覧会」を紹介していますが、実はこのとき静岡県の伊豆を訪れた一番の目的は「神子元島でのダイビング」でした。神子元(みこもと)島は伊豆半島の先端にある無人島で、位置はここ。

加山雄三の「光進丸」という曲で「神子元、石廊、遠州越えて~」と歌われているのが神子元島です(マニアックな話題ですみません)。一般的な知名度は低くても、主要航路の灯台があるので船乗りには有名な島と言えます。私も学生時代の乗船実習で何度も耳にしました(私は東京海洋大学海洋工学部出身)。

ここは外洋に面しているため大物が現れるダイビングスポットで、特にハンマーヘッドが有名です。一度は見てみたかったので、2018年8月に行ってきました。

ダイビングはライセンスを持っていないとできないため、一般的な旅行情報として紹介するのはどうかと思い、このときの風景は当サイトには載せていませんでした。しかしながら、ダイナミックな海中風景を眠らせておくのはもったいないので、自分のダイビング記録も兼ねて紹介することにしました。

ダイビング1日目

個人的に、このときは経営大学院に社会人大学院生として通っていたため(2018年4月に入学、2020年3月に修了)、福岡校でのクラスが終わってから福岡空港~羽田~伊東と移動し、翌日下田まで移動してダイビングという慌ただしいことをやっていました。

品川から伊東までは学生の特権として二十数年ぶりに学割を使ったんですが、みどりの窓口で「え? あなたが学割?」という反応を受けるかと思ったら慣れた対応だったのが驚き。社会人大学院生は意外と多いんでしょうか。

伊東駅近くのホテルで宿泊し、翌日下田へ向かいます。約9年ぶりに訪れた伊東駅。

そして9年前と同様、今回も伊豆急行線の馬鹿高さに驚愕。下田まで約45キロで1,620円もします。地方の過疎路線ではなく観光需要の高い路線だと思うんですが、なぜこんなに高いのか不思議。私が住んでいる長崎県に「松浦鉄道」という第3セクターの鉄道があるんですが、そこと比べても2倍以上という感じです。

このときは下田のホテルに空きがなく、2日間のダイビングで下田まで2往復したんですが、伊豆急行線の運賃を考えると宿泊費が多少高くても下田に滞在するのがいいかもしれません。

上の伊東駅の写真を見ると、雲が広がってきているのがわかると思います。その後、天候が急変して激しい雨になり、途中の河津駅で列車が止まってしまいました。2時間半ほどで運行再開しましたが、下田駅到着が昼頃になり、この日は2本潜る予定が午後からの1本だけになりました。

初めて来た伊豆急下田駅。

下田駅から送迎車に乗り、ショップへ。こちらが今回利用したダイビングショップ「神子元ハンマーズ」。

公式サイトはこちら。

ボートの上で、おそらくスキルを確認するために「普段はどこの海で潜っているんですか?」と聞かれるんですが、ほとんどの人が伊豆や房総の海を答える中「佐世保」と言ったら驚かれていました。さすがに九州からここへ来る人は少ないようです。

では、この日のダイビングの写真を載せておきます。ポイント名は「江の口」で、さすが外洋だけあって透明度が高く、自分が青一色の中に浮いている感じ。

魚群も乱舞していました。

ただし、外洋なのでそれなりに流れもあります。神子元は「体育会系ダイビング」と言われているだけあって海の中で泳ぎまくり。流れに逆らって泳いだりするので、もう大変。ゆったりと生物を見ながら楽しむダイビングとは、まさに正反対です。

このため、中級者レベル以上でないと神子元でのダイビングは難しいでしょう。ドリフトダイビングなので潜行ロープはなく、スムーズな潜行や中性浮力のスキルは必須。ショップによってはレベル制限が設けられているはずです。

そして、神子元へ来た目的であるハンマーヘッドに遭遇!

あまり近くでは見られなかったものの、群れを眺めることができました。

ハンマーヘッドの乱舞。

泳ぎまくりなのでエアの消費が早く、潜水時間は33分。最大水深は23.8m、平均水深は16.3m、水温は24.4℃でした。

安全停止を行っているときは、まるでブルーウォーターダイビングという感じ。外洋で流れのある海域でないと、こういう体験はなかなかできません。

水面に浮上しても、波が高いので揺れまくり。遠くに見える灯台がある島が神子元島で、波に隠れそう。

ボートに上がったときは、もうクタクタでした。しかしハンマーヘッドを見られたので満足。「明日は2本の予定だけど、大丈夫なんだろうか」と思いながら、高い運賃を払って伊東へ戻りました。

ダイビング2日目

翌日は雨も降らず、予定通り2本潜ることができました。ボートで神子元島へ移動。

移動中の動画を載せておきます。私はあまり乗り物酔いはしない人間なんですが、こんな感じの揺れが続くので珍しく酔いそうになりました。

ポイントに着いてからも揺れている船上で素早く準備してタンクを背負う必要があり、モタモタしていると迷惑になります。こういう点でも、ある程度上達してから神子元へ来る必要があると感じています。

1本目は「三ツ根」というポイント。ただ、この日は残念ながらハンマーヘッドは現れず。私は前日に見ていたからよかったんですが、この日だけ参加した人たちはちょっとかわいそうでした。

ハンマーヘッドは見られなかったものの、このポイントはイワシの群れが見事でした。

ただし水温が20.4℃だったので、ちょっと寒い。

イワシの群れに囲まれているような感覚がわかると思います。この迫力も外洋ならではです。

前日のポイントと同様に流れの中で泳ぎまくりなので、潜水時間は33分だけ。最大水深は24.3m、平均水深は16.3m。

いったんショップに戻って昼食をとり、この日2本目の準備。

2本目は「カメ根」というポイント。

1本目のポイントの水温を見て場所を変えてくれたので、ここでの水温は23.8℃。

このポイントもイワシの群れが見事でした。

潜水時間は32分、最大水深は18.4m、平均水深は12.4m。2本目を終えて浮上したときは、もうクタクタ。

ショップに戻ったときは疲労困憊でしたが、しかし楽しめました。九州在住だと、ダイビング国内旅行といえばやはり沖縄や奄美を中心に考えてしまい、伊豆へはなかなか行く機会がありません。しかし関東在住の人であれば行きやすいと思うので、中級者以上のレベルを身に付けた人であれば潜ってみて下さい。このページを見て、神子元に興味を持つ人が現れると嬉しく思います。

送迎で伊豆急下田駅に戻り、馬鹿高い運賃を払って伊東へ。

楽しい体験でした。私もいつかまた神子元へ行ってみたいと考えています。


このときの伊豆旅行で訪れた他のスポットはこちら。

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