【おそらくモルドバ唯一の観光地「岩窟修道院」への行き方】

おそらく日本人にとってヨーロッパでもっともマイナーな国と言えるのがモルドバです。自然が美しい国なんですが、沿ドニエストル共和国潜入とワイナリー巡りくらいしか観光資源はありません。

しかし、そんなモルドバにもひそかに人気になっているスポットがあります。それが首都キシナウから50キロほど北にある岩窟修道院です。

岩窟修道院があるのはオルヘイ・ヴェキ(Orheiul Vechi)というところ。Vechi が「古い」という意味なので「オールド・オルヘイ」と言っても通じるようです。

モルドバを旅行するような物好きな旅行者は気に入るはずです。2018年5月に旅行してきたので、行き方と見どころについて紹介します。

キシナウから

キシナウから岩窟修道院へは、トレブジェニ(Trebujeni)行きのミニバスに乗って途中下車することになります。キシナウのバスターミナルはマーケットの中にあるのでわかりにくいかもしれませんが、マーケットの門の中に入って歩き回れば見つかります。

岩窟修道院方面行きはターミナル内ではなく少し離れた路上から出発します。場所は大体このあたり。

ただし、場所は変わっているかもしれないので注意してください。

こちらがトレブジェニ行きのミニバス。何台も並んで停まっているミニバスから Trebujeni と書かれている車を探してください。

料金は窓口での購入ではなく運転手に直接支払います。オルヘイ・ヴェキまで26.4レイでした(2018年時点)。

なお、この路線は1日5往復程度の運行です。私は以下の便で岩窟修道院へ行きましたが、時刻は変わる可能性があるので午前中早い時間にバスターミナルに行って時刻を聞くことをお勧めします。オルヘイ・ヴェキまでの所要時間はちょうど1時間です。

  • キシナウ発    :8時半
  • オルヘイ・ヴェキ発:12時

岩窟修道院

途中でミニバスを下りる必要がありますが、運転手は外国人がみんな岩窟修道院へ行くということがわかっているので、ちゃんと知らせてくれます。この時に帰りのミニバスの時刻を聞いておくと安心です。

ミニバスを下りるのは幹線道路沿いのこういう場所。

ここから丘の上に上がっていく道と丘の麓に沿って続いている道の二手に分かれますが、まずは丘の上に上がりましょう。丘の上の尾根から見る景色も本当にきれいで、この景色を見るためだけでもここへ来る価値はあります。

やがて遠くに鐘楼のような建物が見えてきます。

鐘楼の近くには十字架が立っていて、写真撮影スポットになっています。

ちょっとわかりにくいのですが、この鐘楼の下に岩窟修道院の入口があります。

この通路の先には予想外に大きな空間が広がっています。13世紀に岩を掘りぬいて作られた修道院だそうですが、しかしゾクゾクするような幽玄な雰囲気ですねえ。まさに別世界という感じ。

そしてここには驚異的な存在感を放つお方が。

この修道院は旧ソ連時代は無人だったそうですが、1997年から一人の修道士が住むようになったそうです。中世からそのまま来たような方で、本物の魔法使いといっても通用しそう。

ここでは修行の傍ら土産物を売って生活の足しにしているそうで、私はせっかくなのでマグネットを買ってみました。

修道院の端に見落としそうな階段があって、その先にかつての修道士たちの寝床が並んでいます。こちらも見逃さないように。

岩窟修道院の奥からは外に出ることもできます。ただし、ここは崖の中腹にあるちょっとしたテラスのような場所なので、下に下りることはできません。

ここには柵などは一切なく、崖の縁に立って下を覗きこむこともできます。子供たちも平気で歩き回っていますが、今まで人が落ちたことはないんでしょうかね。ただ、こういう自己責任に任されているような考え方は好きです。

こういう雰囲気が味わえる場所は世界でも珍しいのではないかと思います。

パワースポット巡りが好きという人もぜひ訪問してほしいと思います。ただし修道士の方が修行している現役の修道院なので、見学する際は敬意をもって接してください。

教会

岩窟修道院がある鐘楼からさらに先へ進むと新しい教会が建っています。

教会の中も見学できるので、こちらも見逃さないように。


教会から鐘楼付近まで戻り、そこから墓地に沿って丘を下りると小さな集落があります。

集落にカフェがあるので休憩するのもいいでしょう。雰囲気が抜群です。

キシナウへ

岩窟修道院からキシナウへ戻るときは、下りた時と同じ場所で待っていればミニバスが来ます。帰りはブドウ畑を見ながらキシナウへ。

1時間ほどでキシナウのバスターミナルに到着します。

注意点

岩窟修道院付近には水や食料品を売っている店はありません。このため訪問の際はペットボトルの飲み物を持参してください。現地ではかなり歩きます。

また、写真を見ればわかると思いますが丘の上は日陰になる場所がほとんどありません。私が旅行した5月はまだそれほど暑くはありませんでしたが、夏はかなりの日差しになることが予想されます。十分な暑さ対策と日焼け対策を行ったうえで訪問してください。


当サイト本館に載せている詳細な旅行記はこちら。 こちらもぜひ読んでみて下さい。

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