2022年と2023年の2回、長崎県西海市の旧西海楽園跡地に立ち入ることができるイベント「さいかい里山の春まつり」を訪問してきました。
2024年は天候が悪かったため見送りましたが、2025年は晴天という予報だったため2年ぶりに行ってみることにしました。なお、この年から正式名称が「七ツ釜鍾乳洞と里山の櫻と菜の花・春爛漫」に変わったようです。
さいかい里山の春まつり
佐世保市から車で西海市方面へ。佐世保市在住ですが、西海市はなかなか行く機会がなく、前回の訪問以来2年ぶりという気がします。
かつて七ツ釜観光ホテルがあった建物の前に車を停め、イベント会場へ。

2年ぶりに見ると、この建物も壁の崩落が始まっていました。建物自体は廃墟にはなっていないようですが、ちょっと残念な姿。

今回、一番驚いたのがこちら。西海楽園の入口ゲートがあった場所には倉庫みたいな建物と居酒屋(2023年時点では営業中)が並んでいたんですが、どちらもきれいになくなっていて完全な更地に。

この場所が広い空間と化しているのを見ると、西海楽園の痕跡がまたひとつ消えてしまったのを感じます。仕方がないことではあるんですが。

では、桜の下を歩いてイベント会場方面へ。

今回はイベント期間の最終日に訪問したこともあり、周辺はあまり人がおらず閑散とした雰囲気。それでも、菜の花畑はきれいです。

旧西海楽園方面をバックにした菜の花の風景。

坂道を上がり、旧西海楽園の敷地内に入ります。その途中から見下ろした七ツ釜観光ホテルの跡地。

満開の桜がきれいです。

かつて西海楽園の名物だった化石の森エリアが、このイベントで唯一立ち入れる場所になります。案内板に書かれている「日本一の石灰藻球化石群」の間を散策。

向こうに見える五百羅漢堂にも入ってみたいものですが、残念ながら閉鎖中。

化石の森エリアを抜けて、長尾城跡までちょっとしたトレッキング。まあ、トレッキングというよりはハイキングという感じの距離ですが。
ここからは旧西海楽園の全景が見渡せます。

木々の間を歩いて長尾城跡へ。

林を抜けると、丘の上に展望所が見えてきます。

15分ほどのハイキングで長尾城跡に到着。

ここからの眺め。丘の上なので、景色はきれいです。

しばらく、周辺を散策。

映えスポットとして作られたブランコも健在。

この風見鶏は見た記憶がないので、前回の訪問以降に設置されたようです。

海とは反対方向を眺めると、棚田がある農村という典型的な日本の風景が広がっていました。これもいい景色。

景色を楽しんだ後、ゆっくりと歩いて化石の森へ。石灰藻球化石群をバックにした桜の眺め。

菜の花畑に戻ってきました。

こちらで提供されている無料コーヒーを飲みながら、しばらく休憩。

しかし最近はインバウンド需要が高まっているとはいえ、まさかここでも外国人観光客を見るとは思いませんでした。傘をさして、まるで絵画のようなポーズで写真撮影している姿の遠望。

中国や韓国ではなく東南アジアからの旅行者みたいでしたが、いったいどうやってこのイベントを知ったんでしょうか。
駐車場にも満開の桜。

当サイトで紹介するのは3回目なので、写真は少なめ。のどかな雰囲気が最高なので、また来年もこのイベントに来てみたいものです。
百合ケ岳公園展望台
春まつりからの帰路、西海市大島町にある百合ケ岳公園展望台というところに立ち寄ってみました。理由は、ここにちょっと面白いオブジェがあることがわかったため。場所はこちら。
大島大橋を渡って大島町に入り、駐車場に車を停めて公園へ。まずは巻貝みたいな形の展望台に上がってみます。

この展望台、途中までは螺旋階段で上がるんですが、最後が梯子になっているところが面白い。

こういう展望台、他に例があるんでしょうか。小さな子供は、ここを上がるのは無理かも。

梯子を上がると、頂上からは公園内と遠くの海が見渡せます。公園では花見をしている家族連れも多くいました。

このアングルから見えるのは九州本土方面。

そして、遠くに見えているのが、この展望台に来た目的のオブジェ。

ここから見ても、なかなか面白そう。

では、これで展望台から下りることにします。それにしても、こんな梯子が設置されている展望台って他にあるんでしょうか。

展望台を下り、林の中を歩くと琴平神社の鳥居がありました。

鳥居をくぐって先へ。この林道もいい雰囲気です。

林の中を抜けると、視界が開けて目的のオブジェが見えてきます。

このオブジェの名前は「星のなる木」。この姿から想像できる通り、風によってクルクルと回っています。

ただ、この日は風があまり強くなく、回転の勢いが弱かったのが残念。

真下から見上げてみました。作者は彫刻家の新宮晋さんという方で、1993年製作だそうです。

太陽光の反射がいい感じ。

ところで、このオブジェを見てみたいと思ったのは理由があります。個人的に好きなアニメの「少女終末旅行」に、こんな感じのオブジェが登場するんですよね。
実際はもっと複雑な形のオブジェ(発電装置?)なんですが、ネット上でこの「星のなる木」を見たときは「ユーリがぶら下がって遊んでいたあのオブジェみたいだ!」と感動しました。
チトが「よくわからないものが…」と評しているこちらのオブジェ、原作のコミックではこんな風に描かれているんですが、ちょっと似ていませんか?

アニメでは動いている姿が見られるので、興味があればどうぞ。U-NEXT で見ることができます。
「星のなる木」が動いている姿がこちら。
もっと風が強ければ迫力があったかもしれませんが、この姿を見られただけでも満足。少女終末旅行のファンなら、一度は見てほしいオブジェです。
これで公園の訪問を終え、駐車場へ。なお、この季節は花見をしている家族連れが多く、近くを一人で歩いていると妙に警戒されているような空気を感じることもありました。まあ仕方がないことなんですが、これから男性一人で訪問する機会がある人は気を付けて。
大島町から戻る前に、大島大橋公園に立ち寄ってみました。九州本土と大島の間に架かっている大島大橋を眺めることができます。

実は私は大島大橋(1999年開通)の建設に少し関わっています。といっても工事関係ではなく、この橋の存在が通航船舶にどのような影響を与えるのか、架橋前に各種シミュレーションを行いました。現地に滞在して通航船舶の記録を取ったこともあります。
その結果が橋の設計に取り入れられたりしているので、自分にとっては愛着のある橋です。これも「地図に残る仕事」なんでしょうかね。ちょっとした自慢。
「さいかい里山の春まつり」の2022年の訪問記はこちら。写真も多く載せています。
「少女終末旅行」についてのコラムはこちら。
それまでアニメはまったく見ない人間だったのに、なぜ急に興味を持つことになったのか、そのきっかけも紹介しています。
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