国内旅行編(徳島 / 正観寺再訪)

午前9時ごろ、牟岐線の普通列車で徳島を出発。11時半に牟岐駅に到着し、歩いて正観寺へ。約2年ぶりの再訪となった。

前回訪れたときは盆の時期だったため参拝者が多かったが、今回は人も少なく、ひっそりとしていた。あの地獄風景を再び見ることができると思うと、かなり高揚した気分になってくる。


境内を一回りした後「八大地獄」へ。今回も入口に誰もいなかったので、寺の人に連絡して電気を点けてもらった。入場料は400円(これは安い!)。

最初は当然ながら閻魔大王の裁きで、続いて奪衣婆のシーンもある。

その後、等活、黒縄、衆合、叫喚、大叫喚、焦熱、大焦熱、阿鼻の各地獄風景が続く。そのほとんどが電動アトラクションで、出来映えはとにかく素晴らしい。世界でも屈指の地獄風景といえる。

あまり多くは説明しないので、写真を見て楽しんでほしい。写真はフラッシュを使用しているため明るく写っているが、実際の地獄内はもっと薄暗い。

石臼で挽き潰される人、皮を剥がれる人、釜茹でにされる人など。なかなかグロテスクでいい感じの出来栄え。本当にすばらしい。地獄と聞いて日本人の多くがイメージすると思われる「針地獄」も、ちゃんとある。

ノコギリで切断される人と、生首を持つ鬼。このノコギリは両側に立っている鬼がギーコギーコと緩慢に轢き続けている。

阿鼻地獄にいた2体の怪獣。特に左の人獣は、体がダルメシアンなのが何とも異様な感じで、さらに近くで見ると顔が実に怖い。この地獄内でも屈指の出来栄えといえる。「別冊太陽 地獄百景」を見た限りでは、この人獣の正体はわからなかった。

それにしても、本当にすばらしい出来だと思う。日本で地獄めぐりができる場所がどのくらいあるのかはわからないが、おそらく日本一と言い切ってしまってもいいのではないか。海外では台湾の麻豆というところに地獄めぐりができる寺があるらしいが、いつか訪れて正観寺と比較してみたい。

30分ほど地獄内を歩いた後、数枚の釈迦の絵が飾ってある天国エリアを過ぎ、外に出た。この正観寺は、私のようなB級スポットマニアだけでなくもっと一般にも有名になっていい場所だと思う。連休だというのにほとんど人がいなかったのがちょっと残念な気がしたので、興味を持った人はぜひ訪れてみてほしい。


駅へ帰ろうとすると、ちょうど雨が降り出した。しばらく正門で雨宿りしていたが、なかなか止む気配はない。仕方がないので、寺の売店に行って傘が置いてないか聞いたところ、無料で傘を貸してくれた。駅に置いておけばやがて寺へ戻ってくるという仕組みになっているそうなので、ここの絵葉書を買った後、礼を言って正観寺を後にした。

その後、駅で傘を返し、普通列車で次の目的地の阿南市に向かった。

(2004.5.2)


約8年後の2012年に2度目の再訪を果たした。そのときの訪問記はこちら。