スロベニア旅行記(ブレッド湖、ボーヒン湖)

3泊した Hotel Park をチェックアウトし、駅前のバスターミナルへ。これまではリュブリャーナを基点にしてスロベニア各地を回ったが、最後はスロベニア北部にあるブレッド湖に滞在することにした。

ブレッド湖はその景色の美しさからスロベニア最大の観光地になっている場所(といっても、それほど大きな町ではない)。朝10時のバスに乗り、11時20分にブレッド湖畔に到着した。


バス停から少し歩くと湖畔に出る。このブレッド湖は「アルプスの瞳」「エメラルドの瞳」などと形容されているが、それは少しも誇張ではない。まさに「絵に描いたように美しい」という言葉がそのまま当てはまる場所といっていい。バスの車窓から初めて湖が見えたときは、あまりにきれいな風景にちょっと感動した。上に載せている写真は湖畔からブレッド城方向を見た景色で、崖の上に見えるのがブレッド城。

午後に湖を一周することにして、まずはホテルを探すことにした。さすがに有名観光地だけあって湖畔には高そうなホテルが何軒か並んでいる。そこで、湖畔から少し離れた所にあった “Hotel Astoria” に行ってみたところ、空きがあったのでここに2泊することにした。ただし、初日はホテルの部屋に宿泊するが2日目は金曜日ということで満室だったためホテルの近くにあるヴィラ(別荘)に宿泊することになった。

部屋で少し休憩した後、まずはブレッド城へ行ってみた。高さ 100m ほどの崖の上にあるため、森の中をかなり急勾配の道が続く。ようやく城に到着し、料金1,000トラールを払って城内に入った。

ブレッド城からはブレッド湖の全景を見渡すことができ、ここからの眺めはスロベニア随一の景色といわれている。湖の中にある島は「ブレッド島」といい、聖マリア教会の尖塔が見える。そして、これはアドリア海に島を持たないスロベニアにとって国内唯一の島だそうである。

城内はそれほど広くはなく、城の歴史に関する展示室(甲冑や槍が展示されている)の他は木版画の工房と小さなカフェがある程度。欧米からの年配の観光客がほとんどで、アジア人は私1人だった。30分ほど景色を眺めながら休憩。

続いて、湖を歩いて一周してみた。湖岸に沿って遊歩道があり、ゆっくり歩いて3時間ほどかかる。様々に景色が変化するので、歩いていると面白い。水はかなり澄んでいて、沈木などがはっきり見える。

下の写真はブレッド城から見て島の反対側からの景色。島にある聖マリア教会、遠くにブレッド城、さらに遠景にはユリアン・アルプスの最高峰「トリグラウ山」と、完璧といっていい構図である。これは大きなサイズで載せておく。

なお、ブレッド湖ではときどきボートレースが行われるらしく、ところどころにコースを示すブイが直線状に並んでいる。ここでボートレースをやったら気持ちいいだろう。

湖を一周して出発地点に戻ったころには、すでに夕方になっていた。いったんホテルで休憩した後、湖の夜景を眺めてみようと思って夜に外出したのだが、これが予想以上に真っ暗。スロベニア最大の観光地といっても、夜は人通りも少なく静かなものだった。(1軒だけあったカジノは賑わっているようだったが)

ホテルに戻り、TV をみていたところ翌日の天気予報をやっていた。それによると翌日はスロベニア全土で大雨のマークになっている。ちょっと心配になりながら就寝。


<ボーヒン湖>

翌日は、天気予報どおり今回の旅行では初めての雨。私は旅行中に雨にあうことがほとんどない人間なので、こんなに強い雨はかなり珍しいといえる。この日はブレッド湖から30キロほどの距離にあるボーヒン湖へ行き、湖周辺を歩くつもりだったが、この雨で予定が狂ってしまった。

どうするか迷ったが、せっかくなので一応ボーヒン湖まで行ってみることにした。10時40分のバスに乗り、11時20分にボーヒン湖に到着した。

バス停の近くにあったツーリストインフォメーションセンターで地図や写真を見た後、ボーヒン湖畔を歩いてみた。下の写真はツーリストインフォメーションセンターの近く(鹿の像がある)から見たボーヒン湖と、その近くの石橋。写真ではよくわからないかもしれないが、実際はかなり強い雨が降っている。

ツーリストインフォメーションセンターで見た写真によれば、天気がよければかなりきれいな景色を楽しめそうである。30分ほど湖畔を散策したが、強い雨がずっと降り続いているので、やがて歩く気力をなくしてしまった。ツーリストインフォメーションセンターに戻り、絵葉書を数枚購入してからブレッド湖に戻ることにした。天気が悪かったのが残念。

なお、天気がいいと下のような景色を見ることができるらしい。

バスでブレッド湖に戻り、夕方まで湖畔で土産物などの買い物をしたり、喫茶店で絵葉書を書いたりして過ごした。菓子類などの土産物は「メルカトル (“Mercator”) 」というショッピングセンター(スロベニアではあちこちで見かける)で買い、土産物店では “Honey & Brandy” という酒を買ってみた。なぜこういうものを買ったかというと、甘そうな匂いに惹かれたのもあるが、一番の理由は瓶が女体の形をしていたため。

こういう変わった土産物が好きなので、見つけると直ちに数本購入した。(帰国後に飲んでみたところ、予想以上に甘かった)

夕方、ホテルに戻り、部屋の鍵を受け取ってホテルの近くにあるヴィラへ。内部は10部屋ほどに分かれていて、そのうちの1部屋を使用できる(別荘といっても家全体を使えるわけではない)。部屋はホテルと比べてかなり広く、自炊設備も整っていて、つまり長期滞在者向けの宿泊施設というわけである。この日は気温も低く、また雨の中を1日中歩き回って疲れていたので、シャワーを浴びて早めに就寝。


翌日は、いよいよスロベニア滞在最終日になった。天候は昨日とは一転して晴れ。ホテルをチェックアウトした後、リュブリャーナ行きのバスまで少し時間があったので、しばらく湖畔を歩いてみることにした。

湖畔へ出て、後ろのトリグラウ山を眺めてみて感嘆した。前日と前々日は雲に隠れて見えなかったが、この日は雪に覆われた山頂がはっきり見える。写真ではあまり迫力が伝わらないかもしれないが、これはすごい景色だ。

急いで湖をバックにして写真を撮れそうな場所に移動したところ、うまい具合に白鳥が休んでいた。さらに遠くから数羽の白鳥が水面近くを飛んできたので、下のようにかなりいい写真を撮ることができた(これまでの海外旅行で撮った写真の中でも、かなりお気に入りの1枚)。手前で休んでいた白鳥も、すぐにこれらの白鳥の後を追って行ってしまったので、本当に一瞬のシャッターチャンスだった。

しばらく湖畔で景色を楽しんだ後、名残惜しかったがこれでブレッド湖を離れることにして、10時半のバスでリュブリャーナへ向かった。バスの中からもアルプスを眺めることができたので、しばらくの間きれいな車窓風景を楽しむことができた。