スロベニア旅行記(ポストイナ鍾乳洞)

リュブリャーナ駅から列車でポストイナへ。このとき乗った列車(客車列車)は、車両内が定員6人の客室に区切られていて車両の片側に通路があるというヨーロッパでは主流のコンパートメント方式だった。

実はこの形式の車両に乗るのは初めてで、日本には無い形式だけになかなか興味深いものだった。同室になったのは年配のお爺さんで、この人は車内ではずっと本を読んでいた。なお運賃は1,330トラール。

リュブリャーナから約1時間で、ポストイナ駅に到着した。


この日の目的地はスロベニアで最も有名な観光洞の「ポストイナ鍾乳洞」。しかし列車で訪れる人は少ないらしく、ポストイナ駅で降りたのは数人だけ。そのうち鍾乳洞方面へ向かったのは私1人だった。

下の写真は駅近くからの眺め。このあたりは閑静な住宅街という感じがする。

駅から歩いて10分ほどでツーリストインフォメーションがある小さな広場に到着した。このあたりがポストイナの中心部になる。ここからさらに10分ほど歩いたところにポストイナ鍾乳洞がある。

さすがに有名な観光地だけあって大型バスが何台も駐車している。チケット(3,490トラール)を購入し、入口へ。


このポストイナ鍾乳洞では、入口から観光コースまでの約2キロをトロッコ列車で移動することになる。このときのスリルが、この鍾乳洞の売りのひとつとなっている。

では早速トロッコ列車に乗って洞内へ。それにしても、このトロッコ列車のスピードは予想以上だった。しかも、よりスリルを感じさせるためかわざわざ狭い部分をくぐり抜けるような場所もあり、このときは天井と壁との間隔がぎりぎりになる。このときに身を乗り出したら大怪我することは確実。(なお座席にはシートベルト等はない)

日本だったら到底認可されないようなものだが、しかしかなりスリルがあって面白かった。

洞内の気温は約8℃なので、長袖のシャツは用意していたものの、それでもちょっと寒い。

5分ほどで終点に到着した。ここでトロッコを降り、観光コース方面へ向かうとやがて広大な空間が現れる。ここに数百人の観光客が集まり、言語ごとにいくつかのグループに分かれて出発した。私は英語のグループに入ったが、しかし人数が多すぎてガイドの説明がよく聞こえない。まあ、私も英語を完全に聞き取れるわけではないからそれほど問題はなかったが。

それにしても観光客の数が多く、大げさにいえば洞内が人で埋め尽くされているような感じになっている。この影響で近年は洞内の温度が次第に上昇しているということだったが、それも無理はないという気もする。

見学時間は約1時間。通路のアップダウンが大きく、ちょっとした山を登ったり橋を渡ったり、景観は面白い。しかしながら、いかんせん人が多すぎてゆっくり見ることができないのが残念。

洞内にはスロベニアにしかいないという「類人魚」という生物が見られる場所もある。魚ではなく両生類だそうで、見た感じはウナギのようなもの。

あと、洞内を歩いているときに全部の照明が突然消えるという出来事があった。5秒ほどで再び点灯したが、何かのアクシデントだったのか、または観光客用のサービスだったのか、その辺はよくわからない。観光客の多くは喜んでいたが。

最後に小さな土産物店がある広場に到着した。ガイドが「歌いたい人は歌ってもいい」と言っていたが、天井がドーム状になっていて音響効果は良さそうだった。

ここから再びトロッコ列車に乗って地上へ戻る。それにしても、このトロッコ列車での移動は面白い。これに乗るためだけでもポストイナ鍾乳洞を訪れる価値はあるといえる。ただ、人が多すぎてゆっくりと景観を眺めていられないのが残念。洞内の雰囲気は、この翌日に訪れたシュコツィアン鍾乳洞のほうが良かった。

その後、チケット売り場前のカフェでしばらく休憩し、ポストイナ鍾乳洞を後にしてツーリストインフォメーション前の広場へ。ここから次の目的地の洞窟城へ向かった。