国内旅行編(岩手 / 龍泉洞)

この日の主目的地は地底湖で有名な龍泉洞。しかし、そこだけだと時間が余るので最初に宮古市内にある「浄土ヶ浜」へ行くことにした。宮古駅前からバスに乗り、終点の浄土ヶ浜で下車。

浄土ヶ浜

ここは岩手県のガイドブックにも大きく載っているような観光地だが、さすがに冬の季節は観光客は少ないらしく、ほとんど人に会うことはなかった。

バス停の前に砂浜が広がっていて「浄土ヶ浜」という案内板が建っている。ガイドブックに大きく載っている景色だが、実際には砂浜はそれほど広くはない。

その後、海岸沿いの遊歩道や高台にある展望所を散策。

景色はきれいだが、寒い上に人がほとんどいないので、ちょっと寂しい感じもする。しかしまあ、こういう閑散とした観光地は好きなので個人的には楽しめた。

龍泉洞

バスで宮古駅に戻り、三陸鉄道で小本駅へ。三陸鉄道といえばリアス式海岸に沿って走るというイメージがあるが、この区間はまだ内陸を走るらしく、田老駅付近で少し海が見えただけだった。

小本駅から町営バスに乗り、龍泉洞がある岩泉へ。小型のバスは満員に近かったが、龍泉洞前で降りたのは私1人だった。コインロッカーがあったので荷物を預け、洞口へ。(国内旅行中はメールチェック用にデルのノートパソコンを持ち歩いているので、荷物が重い)

下の写真が龍泉洞の入口。

龍泉洞といえば日本三大鍾乳洞(秋芳洞、龍泉洞、龍河洞)のひとつ。それほどの鍾乳洞だというのに、予想に反して観光客がほとんどおらず洞内貸切状態に近かった。山口県の秋芳洞のように観光客であふれているところを想像していただけにちょっと意外だったが、冬の季節は観光客は少ないのかもしれない。(高知県の龍河洞にはまだ行ったことがない)

この鍾乳洞は水深100メートルに達するという地底湖で有名になっている。また、北海道の摩周湖の透明度が低下した現在、水の透明度は世界一ともいわれている。

洞口から直線状に続いている通路を奥へ進む。途中にも「長命の泉」などの見所はあるが、まずは地底湖へ。やがて第1地底湖(水深35メートル)と第2地底湖(水深38メートル)が見えてくる。

観光洞の最奥部にあるのが第3地底湖。水深は98メートルだそうで、水の透明度が高いためかなり深くまで見ることができる。ちょっと吸い込まれそうな感じ。

下の写真は同じアングルでフラッシュなし(シャッタースピード2秒)とフラッシュありで撮ったもの。この旅行当時はフィルムカメラを使っていた。

この第3地底湖の奥に、水深120メートルという第4地底湖(未公開)がある。一度見てみたい気もするが、観光洞として公開されることはおそらくないと思われる。

第3地底湖から、急な階段が続く峠越えルートになる。下の写真は峠の頂上から見た第3地底湖。予想以上に疲れた。

峠を下ると最初のルートに合流する。このまま洞口へ戻ってもいいが、せっかくなので再び第3地底湖~峠のルートをもう一回りし、洞内を30分以上散策してみた。ほぼ洞内貸切状態なので、落ち着いて歩けるのがいい(山口県の秋芳洞は人が多すぎ)。それにしても、ここの地底湖は本当にきれいだった。ここを見るためにみちのく一人旅に出たわけだが、十分にその価値はあったといえる。

龍泉洞を出て、続いて道路の向かい側にある龍泉新洞へ。こちらは洞内博物館という感じで、古代人の人形が置いてあったりする。規模は小さいが、洞内生成物はかなりきれいといえる。

その後、土産物店で「龍泉洞コーヒー」と「南部煎餅」を買い、龍泉洞を後にした。

岩泉線

龍泉洞前から町営バスで「道の駅いわいずみ」へ。ここで少し土産物を買った後、再びバスで岩泉駅へ。ここから岩泉線と釜石線を乗り継いで盛岡へ帰ることにしていた。

岩泉線(岩泉~茂市)は1日3往復のみという過疎路線になっている。並行する道路が十分整備されていないという理由で生き延びているらしいが、いつ廃止になってもおかしくない路線といっていいだろう。鉄道好きとしては、存続しているうちに乗っておきたい。

岩泉駅は、1日に3回しか列車が来ないにもかかわらず、予想よりも大きな駅舎になっていた。5時20分発の列車に乗り、岩泉を出発。すでに周囲は真っ暗になっていたため、景色を眺めることができなかったのが残念。もう一度乗る機会があるなら、そのときは明るいうちに乗りたい。

(注)岩泉線は2014年に廃止になった。また乗りに行きたいと思っていたが、結局その機会がなかったのが残念。

岩泉から約1時間で茂市に到着。下の写真は茂市駅に停車中の列車。

茂市から釜石線の各駅停車に乗り、夜8時40分に盛岡に到着した。

(2004.12.25)


翌日は盛岡から各駅停車を乗り継いで仙台へ。仙台駅からエアポートバスで仙台空港へ行き、ANA736便で大阪伊丹へ。仙台~福岡は朝と夜遅い便しかないため、伊丹空港で乗り継ぐことにしていた。夜7時50分ごろ、福岡空港に到着。


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