タイ&ラオス旅行記(ビエンチャン / パトゥーサイ、タート・ルアン)

この日は終日ビエンチャンに滞在して数少ない観光スポットを回ることにしていた。

首都の観光スポットといってもパトゥーサイとタート・ルアンくらいしかないわけで、あとはタラート・サオなどを散策したが、正直言って時間を持て余し気味だった。

パトゥーサイ(凱旋門)

おそらくビエンチャンで一番の見所といっていいだろう。内戦の戦死者を祀っている建造物で、上の写真からわかるようにパリの凱旋門を模して作られている。

まずはパトゥーサイの内部へ。パリの凱旋門を模しているといっても、内部はコンクリート剥き出しでちょっと安っぽい。(もっとも、パリの凱旋門はまだ訪れたことがない)

2階は土産物店が並んでいてTシャツなどが売られている。とりあえず土産物は後で見ることにして屋上に上がると、そこからはビエンチャンの町並みが一望できる。

下の写真がパトゥーサイの上からの眺め。首都だというのに高層ビルが1軒もないのがわかると思う。

パトゥーサイのすぐ隣に首相官邸がある(下の写真)。これを見ればわかるようにパトゥーサイの上からは官邸敷地内が丸見えで、もしスナイパーがいれば簡単に狙撃できるような状況になっている。普通はこんなことはありえないわけで、なんだか緊張感のない国だと思う。

下の写真はパトゥーサイの窓。鉄格子が仏陀の形をしているあたりが仏教国のラオスらしい。

しばらく景色を眺めた後、2階の土産物店へ行ってみた。売られているのはTシャツがほとんどで、「ビア・ラオ」のTシャツなどはラオス土産の定番らしい。特に欲しいと思うようなデザインのものはなかったので、ここでは何も買わずにパトゥーサイを出ることにした。観光地の土産物店というと強引な客引きを想像するものだが、ここの土産物店はかなり静かで、こちらとしてはありがたかった。

パトゥーサイの前に噴水広場がある。私がパトゥーサイ内にいたときは動いていなかったようだが、パトゥーサイを出て噴水のほうへ歩いていくと急に動き出した。ちょうど中国人らしい団体客が到着していて、その人たち向けのサービスだったらしい。中華風の音楽が大音響で響き、噴水自体もかなりダイナミックに動いている。

かなりきれいな光景だったので、露店で買ったジュースを飲みながらしばらく休憩。

ところで、パトゥーサイ周辺はわりと多くの地元民たちが散策しているのだが、彼らのほとんどが黒やオレンジや緑色の液体が入ったビニール袋を持っているのが気になっていた。何かと思ってよく見てみると、これは店で売られているジュースだった(黒がコーラ、オレンジがオレンジジュース、緑がサイダー)。店でこれらの飲み物を注文すると、クーラーボックスの氷をビニール袋に入れ、ジュースを注いでストローを差して渡してくれる。つまり、この方式だと「冷蔵庫がいらない」という利点があるわけで、どこもケース入りの瓶ジュースが積み上げられているだけで冷蔵庫は見かけなかった(これは露店だけでなく店舗でも同様)。多少とも電気代の節約になると思われるので、これは日本でも真似すればいいと思う。

ちなみに、この旅行当時ビエンチャンではコカコーラやファンタはまったく見かけず、売られていたのはすべてペプシとミリンダ(これは日本ではマイナーかも)だった。

タート・ルアン

パトゥーサイから約2.5キロ、30分ほど歩いたところにある。歩いていったのだが、気候が暑いので30分でもかなり疲れた。

タート・ルアンとは下の写真のような金色の仏塔のこと。創建は紀元前で、仏舎利を納めた塔が起源だそうである(現在の仏塔は1909年に修復されたもの)。定期的に金色に塗り直しているらしく、予想以上に煌びやかだった。

内部は中央にある金色の仏塔の周囲を回廊が囲むような構造になっている。このときタート・ルアンにいたのは他には欧米かららしいグループが1組だけで、閑散としていた。(まあ、訪れたのが日中の一番暑い時刻だったこともあるが)

仏塔の四方に小さな門があり、ここから仏塔へ上がることができる。といっても仏塔内に入ることはできず、仏塔の周囲を歩くだけ。下の写真を見れば想像がつくと思うが、ただでさえ暑いのに仏塔周辺は照り返しが強くてさらに暑い。

仏塔を一回りしたあと、次は回廊を歩いてみた。回廊部分にはいくつかの仏像や仏頭(出土品?)が置かれている。巨大な仏頭が一体と、なぜか胸を出している仏像?があったので写真を撮ってみた。

ここでは毎年11月にタート・ルアン大祭という祭りが行われる。いつか見にきたいものだ。

タート・ルアン周辺にはいくつかの寺院があったので、露店で買ったジュースを飲みながらしばらく周囲を散策。暑いためか地元の人たちもあまりで出歩いておらず、ちょっと閑散とした感じだった。なお、ここでは日本人旅行者もたまに見かけた。

タラート・サオ(朝市)

ビエンチャン中心部に戻り、次はタラート・サオ(朝市)へ行ってみた。名前は「朝市」だが、夕方まで開いている。奥のほうにある食堂で遅めの昼食を取ったりしながら4時ごろまで散策した。

建物は2階建てでわりと広く、1階には食料品や日用品の店が雑然と並んでいる。2階に上がると、履物や鞄などの他、宝石や金銀細工の店が並んでいる一画があり、ここだけエアコンが効いていて涼しかった。

ここでは土産としてメコンウィスキーとビヤ・ラオ(缶ビール)を買った。普通はこういう重い土産物は旅行の最終日に買うのだが、今回はビエンチャン滞在中にラオスの土産物を入手しておきたかったので、ここで買うことにした。おかげでタイのノンカイやバンコクを旅行しているとき、荷物が重くて大変だった。


夕方、メコン川沿いを散策してみた。ヒートアイランド現象とは無縁の町なので、夕方になるとかなり涼しくなってくる。土手の上にオープンしている野外レストランで夕食を取っているときに日没になった。下の写真はメコン川と夕陽。

普段あまり酒は飲まないが、海外旅行中はその国のビールをときどき飲むことにしている。そこでラオス産の「ビア・ラオ」の缶ビールを注文したところ、わざとなのか本当に注文を間違えたのかはわからないが大ビンで持ってきやがった。一応全部飲んだが、普段酒を飲まない人間としては大ビン1本はちょっときつい。ただ、メインのポークスペアリブとサラダは十分美味しかった。なお、ここで食事していると物乞いらしい少女がときどきやってくる。

その後、噴水広場周辺をしばらく散策し、ホテルへ帰った。