戦争証跡博物館前からタクシーに乗り、次の目的地の「スイティエンパーク」へ向かった。
スイティエンパーク “Suoi Tien Park” というのはホーチミン郊外にあるテーマパークで、旅行前にインターネットでいろいろと調べているときに見つけ、面白そうだったので訪れてみることにした。
市街からは意外と遠く、約30分で到着した。早速、中に入ってみる。
パンフレットによると敷地はかなり広いらしい。園内には各種アトラクションが並んでいて、おそらくベトナムでも最大規模のテーマパークだと思われる。まずは奥へ進んでみることにした。
歩いていくとすぐに草に覆われたトンネルがあった。トンネル内では人工的に霧を発生させているので、ちょっと涼しい。
園内は決して閑散としているわけではないが、それほど大盛況でもない。まあ、東南アジアは今が一番暑い季節なのだし、地元の人たちもあまり屋外を歩く気にはなれないのだろう。ここで見かける客としては、やはり家族連れが多いようだった。
下の写真はスイティエンパーク内の主な風景。仏教をテーマにしたと思われるオブジェも多く、造形はなかなか面白いものが多い。
このような景色を眺めながら、しばらく歩き回ってみた。このあたりの光景はシンガポールのタイガーバームガーデンに通じるものがある。あの雰囲気が好きな人にとっては、周囲を眺めているだけでかなり楽しめると思う。
途中、アトラクションの中に地獄めぐりがあったので入ってみることにした。龍の口が地獄めぐりの入り口になっている。
それほど期待せずに入ったのだが、ここは予想以上の出来栄えだった。鉄格子の中に各地獄風景が作られていて、人が近づくと動き出すようになっている。鉄格子の間から写真を撮ってみた。
地獄の種類については各国で異なるようで、日本では八大地獄、台湾では十八地獄だったが、ここでは12種類の地獄風景が作られていた。
説明がベトナム語なので各地獄の詳しい内容はわからないものの、亡者の動き、音響ともかなり迫力がある。なお、上の写真はフラッシュを使っているため明るく写っているが、実際はもっと暗い。
同じアングルでフラッシュなし(シャッタースピード2秒)で撮ったものとフラッシュありで撮ったものを並べてみると以下の通り。(注:この旅行当時はフィルムカメラを使っていた)
私が今まで見た地獄風景では、台湾の麻豆代天府の十大地獄が世界一、徳島県の正観寺の八大地獄が日本一と思っている。ここの地獄風景は、さすがに麻豆代天府には劣ると思うが、正観寺には負けていない。この地獄風景を見るためだけでもスイティエンパークを訪れる価値はあると思う。地獄めぐり好きにはお勧めスポット。
地獄めぐりを出て、さらに園内を歩き回ってみた。ここには大きな池があり、その横に亀の形の建物と観覧車があった。1人で乗るのもなんなので観覧車には乗っていないが、頂上からは園内を一望できるものと思われる。
池の近くで見たゴミ箱にはミッキーマウスが描かれていた。
もちろんディズニーの奴らはうるさいから、このミッキーマウスは絶対に本家の許可は取っていないと思われる。こういうものが堂々と置いてあるあたり、さすがベトナムという感じがする。
園内の最奥部には小さな動物園があり、数十種類の鳥が飼育されていた。動物園の向こう側には整備中らしい土地が広がっていたので、このスイティエンパークはさらに拡張されるのかもしれない。
続いてジェットコースターに乗ってみた。この建物の内部に屋内ジェットコースターがある。
建物の内部はかなり暗く(というより、ほぼ真っ暗)、目が慣れないうちに歩いていったら係員にぶつかってしまったが、ともかくもコースターに乗ることができた。
他に客はおらず、私が乗ったらすぐに動き出した。どうやら異世界がテーマらしく、巨人の股の間をくぐったりするので意外とスリルがある。下の写真はフラッシュを使っているため明るく写っているが、実際はかなり暗く、巨人などの造形が光って見える。
屋内ということもあってそれほどの規模ではなかったが、まずまず楽しめた。
最後に「珍品館」に入ってみた。本物か作り物かはわからないが、珍しいものがたくさん展示されていた。
展示品の一例は以下の通り。いわゆる「奇形の動物」で、ちょっと見世物小屋の雰囲気になっている。
このような感じで2時間ほどスイティエンパーク内を歩き回ってみた。さすがに暑いのでちょっと疲れたが、ジュースやアイスクリームはあちこちで売っているし、園内の風景もなかなか面白いので予想以上に楽しめた。
このスイティエンパークについては、インターネットで検索してもあまり情報が出てこないので、訪れたことのある日本人はかなり少ないと思われる。(2006年当時の話。「奇界遺産」の表紙にこのスイティエン公園の写真が使われたこともあり、今は日本人の間でも知名度が上がっている)
地獄めぐりや園内の造形などは一見の価値は十分あるので、ベトナム旅行中に余裕があれば訪れてみてほしい。
この後、タクシーでホーチミン市街へ戻り、チャイナタウン周辺を散策してみた。本当はまっすぐホテル周辺に戻るつもりで「ベンタイン “Ben Thanh” 市場まで」と運転手に言ったのだが、どうやらチャイナタウンにある「ビンタイ “Binh Tay” 市場」と間違って伝わったらしい。途中で気づいたが、せっかくなのでビンタイ市場まで行ってみることにした。
ビンタイ市場はベンタイン市場と比べて建物が古く、かなり雑然とした雰囲気だった。ベンタイン市場には観光客向けの土産品を売る店もあるのに対し、このビンタイ市場は純粋に地元の人向けの日用品と食料品をそろえているという感じだった。小さな屋台でジュースを飲んだりしながらしばらく散策し、夕方、ホテルがあるファングーラオ通りへ戻った。