ネパール旅行記(カトマンドゥ / マウンテンフライト)

ネパール滞在最終日。この日は早朝にマウンテンフライトに乗り、午後2時の便でネパールを離れることになる。

5日前は悪天候のためマウンテンフライトがキャンセルになり、この日に振り替えてもらったためこれが最後のチャンスになる。ゲストハウスに荷物を預かってもらい、飛行機が飛ぶことを願いながら空港へ向かった。


国内線ターミナルに入り、マウンテンフライトを行っているブッダエアーのカウンターで手続きを行った。フライトが大丈夫かどうか聞いたところ、今日はおそらく実行できるということだった。ほっと一安心。

このマウンテンフライトは複数の航空会社が早朝の時間帯にそれぞれ30分おきくらいに行っているため、待合室で待っていると周囲は次第に観光客であふれてきた。そのうち半分ほどが日本人旅行者。

やがて私が乗る便の搭乗が始まった。機内は窓側に1列ずつという座席配置で、これなら乗客全員が外の景色を見やすいと思ったのだが、残念ながら窓ガラスがそれほどきれいではない。遊覧飛行なのだからこれくらいは磨いていてほしいものだが。(前の席に座っていた日本人旅行者も「窓くらいきれいにしておいてくれよなあ」などと話していた)

7時20分時に離陸してヒマラヤ方面へ向かう。機内の様子はこんな感じで、立って歩けないほど天井が低い。

離陸して10分もすると、左側にヒマラヤの山並みが見えてくる。ダンプスの村からもヒマラヤを眺めることができたが、上空から見ると違った迫力がある。

しばらくすると、女性の客室乗務員が前の座席から順番に乗客を呼び、操縦席の後ろへ案内してくれた。ここからは操縦の様子と広い窓から山並みを見ることができる。

座席に戻ると、客室乗務員が途中に見える7,000~8,000m級の山の名前をそれぞれ教えてくれる。見えてきた順に「シシャ・パングマ (Shisha Pangma)」「ドルジェ・ラクパ (Dorje Lakpa)」「プルビ・ギャチュ (Phurbi-Ghyachu)」「チョウバ・バマレ (Choba-Bhamare)」「ガウリ・シャンカール (Gauri Shanker)」等々。ガウリ・シャンカール(7,134m)は、とがった山頂がひときわ目立っている。

ヒマラヤの高峰を眺めながら飛行を続け、やがてこのマウンテンフライトのハイライトといえるエベレストが見えてくる。

はるか遠くに2つの峰が見えてきて、左側がエベレスト(ネパール名、サガルマータ)。遠くからであっても、やはり他の山々からとは格が違うという感じがする。

エベレストのアップ。頂上付近がピラミッド型になっているのがわかる。

エベレストがほぼ真横に見えるくらいのところでターンし、カトマンドゥへ戻ることになる。というわけでエベレストは遠くから眺めただけだったが、あれが世界最高峰かと思うと遠くからでも感動するもの。

(帰国後にインターネット上の旅行記をいろいろと読んでいると、季節と航空会社によってはエベレストのすぐ近くまで飛行することもあるらしい。次回ネパールへ行くときはブッダエアー以外の航空会社に乗ってみることにする)

以下、フライト中に撮った写真を載せておく。フライト中はこういう景色をずっと眺めることができる。

約1時間のフライトを終え、カトマンドゥに戻ってきた。短い時間だったが、遠くからでもエベレストを見ることができてよかった。エベレストを近くで見るほどの本格的なトレッキングをやることは、おそらく一生ないと思う。もう一度くらい、またマウンテンフライトでエベレストを見たいものだ。


いったんタクシーで市街に戻ってしばらく散策した後、出発時間が近づいたので荷物を取りにゲストハウスへ戻った。すると、ゲストハウス前の通りに楽隊が待機している。さらに、飾り付けられた車もあることから、おそらくこれは結婚式か何かが行われているのではないかと思われる。

楽隊が動き出すまで見ていたい気もしたが、残念ながら時間がないので荷物を受け取ってから空港へ向かうことにした。


タクシーで空港へ移動し、入り口で手荷物検査を受けてから国際線ターミナルに入った。航空券を見せないと入り口を通れないため、ここから先はほとんどが外国人旅行者になる。

タイ国際航空のチェックインの列に並んだとき、空港税の支払いを忘れたことに気づいた。空港税のカウンターへ行くと出国税の額は1,695ルピーになっている。そして、このときに手持ちのネパールルピーが足りないことに気づいた。出国の際は航空券に出国税が含まれているかどうかを確認し、含まれていない場合はその分の現地通貨を残しておくのが基本だが、今回はうっかりしていた。

米ドル、日本円とも高額紙幣しか持っていなかったこともあり、今さら両替したくない。ターミナルの外にATMがあるそうなので、そこで必要な分のネパールルピーを引き出すことにして、いったん外に出た。

ATMはすぐに見つかり、ここで2,000ルピーだけ引き出してから再び手荷物検査を受けてターミナル内に戻った。うっかりしていたため無駄な時間を使ってしまった。(注:2009年から航空券にネパール出国税が含まれるようになったようなので、現在はネパールルピーを残しておく必要はないらしい)

ネパールを出国し、経由地のバンコクへ。午後6時半に到着し、深夜1時に出発、朝8時に福岡空港に帰着した。


<2007年 / ネパール旅行記のインデックスページ>