南部アフリカ旅行記(シンガポール編 / タイガーバームガーデン)

早朝5時半にシンガポールのチャンギ空港に到着した。福岡便の出発が深夜なので、丸1日シンガポールに滞在できる。

すぐにシンガポールに入国はせず、いったんトランジットエリア内にあるトランジットホテルにチェックインし、シャワーを浴びてから昼ごろまで寝ることにした。これで疲れも取れ、昼2時過ぎにシンガポールに入国した。


まずは地下鉄で市街へ向かう。今回の目的地は、おそらくシンガポールで唯一のマニア向けスポットといえるタイガーバームガーデン。ここはタイガーバーム軟膏で大きな財産を築いた胡兄弟が利益還元のために香港とシンガポールに作ったテーマパーク。

香港のほうはすでに閉鎖されてしまったため、現在はシンガポールにしかない。2002年のトルコ旅行の帰りに訪れたことがあり、今回が5年ぶりの再訪になる。

最寄り駅のブオナビスタ駅で降り、ここからはタクシーでタイガーバームガーデンへ向かう。10分ほどで見覚えのある景色が見えてきた。

いやあ、懐かしい。”Haw Par Villa” という文字も当時のままになっている。ただし、前回来たときに上のほうに見えた龍の頭が今回はなくなっていた。後述するように地獄めぐりの入口の形が変わってしまったためで、ここだけはちょっと残念という感じがする。

では早速中に入ることにする。相変わらず入場無料という太っ腹なところが嬉しい。門をくぐると2体のマスコット人形がお出迎え。

まずは地獄めぐりへ向かうことにする。前回来たときとは異なり、ここだけは有料(1シンガポールドル)になっていた。チケットを買って先へ進むことにする。

チケット売り場の横には、ここの創設者の胡兄弟がかつて乗っていたという「タイガーカー」が展示されている。実際にこの車に乗っていたらしいが、しかしこれで町を走るのはとんでもなく度胸がいると思う。さすがに大物は違うね。

それでは地獄めぐりへ。途中にはこういうものがあった。

下の写真が地獄めぐりの入口。左が前回(2002年)で、右が今回(2007年)の光景になる。立派だった龍の頭がなぜか単なるトンネルになってしまったわけで、どうしてこんな改造をやったのかわからない。どう見ても以前のほうが良かったと思えるのだが。

では中に入る。内部はそれほど広くはなく、小さな人形を使った地獄風景のジオラマがいくつも作られている。閻魔大王の裁きから始まり、焦熱地獄、極寒地獄、針地獄など、一般的にイメージされるような地獄風景が続く。

よくできているとは思うが、特に電動アトラクションでもないし、園内でここだけ有料にするほどのものではないと思う。まあ、私が台湾(麻豆代天府と南天宮)や日本(徳島の正観寺)で素晴らしい出来栄えの地獄風景を見てしまったからかもしれないが。

地獄を出て、後は自由に散策することにした。園内は脱力感あふれる風景のオンパレードで、歩いていると飽きない。観光客のほとんどは中国系の人たちのようで、シンガポールで多く見かける日本人旅行者もここではまったく見ない。これほど面白い場所だというのに日本人が行かないのはもったいないと思う。

明らかに水着を後から塗り足したらしい女性2人。聞くところによると最初はトップレスだったらしいのだが、やがてビキニになり、結局はこういう水着姿になったという。

では園内では一様に女性の裸に厳しいかというと、一方でこういうオブジェもあったりする。基準はよくわからないが、あるいは人間は駄目でも人魚ならいいということなのだろうか。

水上の合戦風景(多分)。亀人間がいたり貝人間がいたり、よく見ると実に面白い。

こちらは小さな人形を使って各種の教訓話が再現されているコーナー。上層と下層の2層構造になっていて、それぞれのジオラマはかなり手が込んでいる。ジオラマの前の説明書きは中国語、英語、日本語の3ヶ国語表記になっているので、日本人にもそれぞれの内容がよくわかる。

傷ついた亀を助けたワン・ミンという人の話。2年後、乗っていた船が沈没したときにそのときの亀が現れて助けてくれました。教訓はもちろん「動物を大切に」。

それにしても、沈む船を見ながら亀の上で踊っているワン・ミンもどうかと思う。

借金がかさみ、借金取りにすべてを持っていかれてしまった一家の話。教訓は「支払いはきちっとして、気前よく暮らしなさい」(説明書きにそう書いてある)。

この場面では、ものすごい体勢でキックを放つ借金取りに驚かされる(空気椅子キック!)。

もしかしたらタイガーバームガーデンで一番有名かもしれないのがこの蟹人間。ここを紹介しているサイトには必ず載っている光景だと思うが、本当に異様な姿だと思う。私は蟹人間を見ると逆柱いみりの 道楽者の海 を思い出すが、これにはいったいどういう意味があるのだろうか。

この「道楽者の海」が収録されている「馬馬虎虎(MaMaFuFu)」だが、すでに絶版なのは仕方ないとしても中古本にプレミアがついているのが驚き。この作者の本は他に ケキャール社顛末記象魚 も持っているが、ヤフオクやメルカリで売ればいくらになるんだろう。

蟹人間はこういう風景を見上げている。

動物夫婦の喧嘩。おそらく何かの寓話だと思うのだが、よくわからない。

では最後に力士と自由の女神を。

園内にある小さな食堂で軽食を取ったりしながら2時間ほど散策した。このページに載せている他にも面白いオブジェやジオラマが大量に並んでいる。それにしても、よほど細かい部分までこだわらないと気がすまない性格の人たちが作ったらしく、呆れるほど丁寧に作りこまれている。実際に見てみると、ほとんどの人は圧倒されてしまうと思う。

このタイガーバームガーデンは一般の日本人観光客にとってはあまり興味を引く場所ではないようで、日本人らしい旅行者はまったく見なかった。しかしながら珍しいスポットが好きな人にとっては相当に楽しめる場所だと思う。このページを見てタイガーバームガーデンへ行ってみたいと考える旅行者が現れると嬉しい。香港のように閉鎖されることなく、いつまでも存続し続けてほしいものだ。


タイガーバームガーデンの前から路線バスに乗り、ブオナビスタ駅へ。次の目的地はシンガポールにある競馬場「シンガポール・ターフクラブ」で、ここから地下鉄で最寄り駅のクランジ駅へ向かう。ここは国際GIレースも行われる競馬場で、日本でも競馬ファンには有名だと思う。

もともと競馬は好きなので、この機会に行ってみることにした。このとき持っていたシンガポールのガイドブック(2002年のトルコ旅行のときに使用した「るるぶ」で、かなり古い)には「すべてナイターで行われる」と記載されていたので、夕方になってから行ってみた。

クランジ駅で降りると、すぐ近くに競馬場のスタンドが見える。早速競馬場に入ろうと思って改札口を出て正門へ向かったところ、どうも様子がおかしい。

正門から大勢の観客が続々と出てきている。雰囲気としては、ちょうど最終レースが終わったところという感じ。正門横のインフォメーションに開催時間があったので見てみると、現在は金曜日のみナイターで土曜と日曜は昼間の開催だった。

というわけで、正門まで行ったものの競馬は観戦できなかった。ちょっと残念だったが、まあシンガポールには今後も来る機会は多くあるだろうから、ここは次回に訪れることにする。

ところで、正門前の広場に欧米人のストリートミュージシャンらしい人が座っていてギターを弾きながら英語で歌っていた。かなり歌がうまいので、駅の売店で買った缶コーヒーを飲みながらしばらく聞いていると、なんだか聞き覚えのある曲が始まった。

瀬戸の花嫁?

なんと、小柳ルミ子の「瀬戸の花嫁」英語バージョンだった。私はまったく知らなかったのだが、この曲は誰か英語でカバーしたのだろうか。周囲を歩いている人たちは、これがもともと日本の曲とは知らないのではないかと思う。

予想外の曲も聴けたので、次の「ビューティフルサンデー」を歌っているときに前に置いてあった箱にコインを数枚入れてから競馬場を後にした。競馬は観戦できなかったが、このストリートミュージシャンの曲を聴けたので来た甲斐はあったと思う。


いったん地下鉄でオーチャードロードへ行き、伊勢丹の地下にあるフードコートで夕食にした。さすがにこの辺り一帯は日本人観光客が多い。

夜10時に空港に戻り、シンガポールを出国。深夜1時に離陸して翌朝8時に福岡空港に帰着した。


<2007年 / 南部アフリカ旅行記のインデックスページ>

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