台湾旅行記(淡水 / 捜奇博物館)

台湾滞在2日目、この日は台北近郊の淡水という町へ行き、そこからバスで台湾最北端に近い石門というところへ行くことにしていた。

この石門という町に「金剛宮」という寺院がある。この金剛宮が実は今回の台湾旅行の主目的地なのだが、そこへのゲイトウェイとして訪れた淡水にも面白いスポットがあったので紹介することにする。


朝9時に起床。おはいようございます。

相変わらずカウンターの奥で寝ていたおばさんに、あと2泊したいことを伝え、2,000元を払ってからホテルを出た。

中山駅から MRT に乗り、淡水へ向かう。前日に訪れた士林夜市を過ぎ、中山駅から約40分で終点の淡水駅に到着した。MRT が開通してから、台北から気軽に訪れられる行楽地として人気が高くなったそうで、平日だというのに多くの市民が歩いていた。

下の写真は、淡水駅から北西に延びる観光通りの様子。

食べ物店や土産物店が多いのだが、ゲーム店もあちこちで見かけた。どうやら台湾では UFO キャッチャーがブームらしく、店の中がすべて UFO キャッチャーというところも多かった。

その UFO キャッチャー専門店の中に、よく見ると実に惜しい間違いがあった。

ぬいぐるみが いっばい あるそうだ。(「っ」もよく見たらカンマのような)

この淡水は「淡水河」という大きな川の河口にある町で、川沿いにもたくさんの店が並んでいる。その中に「亜馬遜(アマゾン)生態博物館」という建物があった。

実はここにアマゾン生態博物館という変わった博物館があるというのは旅行前から知っていて、今回の台湾旅行でぜひ見てみたいと思っていたのだが、この通りすでに閉鎖されていた。アマゾン川の生態系に関する珍しい標本がいろいろとあったようなので、見ることができなくなってしまったのが残念。やはり、一般にこういう珍スポットの寿命はそう長くはないので、常に早めに行動しないといけないことを実感した。

捜奇博物館

というわけでアマゾン生態博物館は見ることはできなかったが、淡水の街中には別の博物館があった。一見して珍スポットとわかる「捜奇博物館」である。

3年前の台湾旅行のとき、彰化という町でも捜奇博物館を見かけたが、このときはすでに潰れていたらしく中に入ることはできなかった。もしかしたら、その博物館が場所を変えて再オープンしたのかもしれない。捜奇博物館との予想外の再会に驚いたが、いずれにしてもここで中に入ることができるのは嬉しい。(帰国後に調べてみたら、台中近くの鹿港という町にも捜奇博物館があるらしい。チェーン店なのだろうか)

では、早速中に入る。料金は59元。

まずは、拷問器具やら貞操帯やら大型ネズミやら大型イカやら、統一感のない展示品が並べられている。この時点で、館内のいかがわしさに対して期待が高まる。

以下、館内にあった展示物の一部を並べてみる。怪しさ大爆発という感じの博物館だった。

映画やドラマなどでよく見かける、犯罪者の身長が記録される写真撮影コーナー。横には、写真撮影時に手に持つ各種犯罪のプレートも用意してある。

こちらはミイラ。この種の博物館の定番といえる。

「解剖外星人」。つまり、かつて日本でもちょっとだけ話題になった「宇宙人の解剖映像」。ずいぶん久しぶりに見たような気がする。

ミイラかと思ったら「米蘭外星人」。つまり宇宙人らしい。米蘭というのがどういう意味かと思って検索してみたら、タクラマカン砂漠にある米蘭(ミーラン)遺跡がヒットした。ここで発見された宇宙人なのだろうか。

アゴのある魚。この博物館はこういう生き物もいくつか展示されていた。

こちらは4本足のニワトリの標本。

大型昆虫とクモの標本。このクモは「捕鳥蜘蛛」だそうで、なかなか怖い。私はクモは苦手なので、こんなものは実際には見たくない。

「深海虫」の標本。三葉虫みたいな感じだが、こんな生物が本当にいるのだろうか。本物なのか作り物なのか、そのあたりはよくわからない。

アフリカの風習と、角が生えた男。こういう角男は、古い見世物の写真などで見たことがある。

「大象保険套」と「老保険套」。よくわからないが、つまり上からかぶせるものらしい。

「長頸亀」。名前の通り首の長い亀で、水槽の中を泳いでいた。こういう生き物は見たのは初めて。

巨大蜂の巣と巨大えんどう豆。蜂の巣はともかく、えんどう豆は本物か?

各種の皮膚病。

各種の皮膚病その2。

台湾の大道芸人らしい少女。蛇を鼻から入れて口から出しているところだそう。

いやあ、このいかがわしさがたまらない。ここに載せている他にも、怪しげな展示品がたくさん並んでいる。それほど広い博物館ではないが、珍スポット好きにはかなり楽しめる場所だと思う。台湾の人たちもこういう場所が好きらしく、若者を中心に来館者はかなり多かった。淡水ではぜひ訪れてほしいお勧めスポットといえる。


ガイドブックには「鐵蛋」という煮卵が淡水名物と書かれている。ゆで卵を醤油で煮込んで乾燥させたものだそうで、あちこちで真空パックが売られていた。1個10元と安かったので、土産にいくつか購入してみた。

左が真空パック状態、右が半分に切ってみたもの。見た目はちょっとグロテスクだが、味は悪くない。安価なものだし、変わった土産品としてはいいかもしれない。


続いて、次の目的地の金剛宮へ向かう。台湾最北端に近い「石門郷」という場所にあるということだけはわかっていたが、詳しい所在地までは事前には調べられなかった。

淡水駅前のバス乗り場へ行くと、ありがたいことに路線図が貼ってあった。それを見ると、淡水から海沿いに基隆(キールン)まで行く路線があり、途中で石門を通ることになっている。「金剛宮前」というバス停があればわかりやすかったのだが、そう都合良くはいかなかったので、とりあえず石門まで行き、そこで現地の人に聞くか、またはタクシーを使うことにした。

淡水~基隆のバスは30分おきくらいに運行されていて、乗るときに運転手に行き先を伝え、料金を払うというシステムになっていた。紙に「石門」と書いて運転手に見せれば十分通じるので、日本人旅行者にも利用価値の高い交通手段だと思う。ちなみに、淡水~石門の料金は65元だった。

昼1時半、やってきた基隆行きのバスに乗り込み、石門へ向かった。