マレーシア旅行記(キナバル公園)

この日の目的地はキナバル公園。東南アジア最高峰のキナバル山に登る人のための管理事務所があるところで、他にも植物園などが置かれている。

今回の旅行では登山やトレッキングの予定はないが、ボルネオの植物をまとめて見られるということなので行ってみることにした。


朝9時にホテルを出て、昨日に続いてミニバスターミナルへ向かう。この日は日曜日なので、バスターミナルの近くでサンデーマーケットが開かれていた。かなりの人出で歩くのも大変なくらい。

多くの露店が出ていて、見ていると面白い。下の写真は量り売りされていたスターフルーツで、サイズの小さなものは1キロで3.5リンギ(約120円)なのだから、かなり安いといえるだろう。周知の通り切ると星型になることからスターフルーツと呼ばれている。漢字で「蜜楊桃」と書くというのは初めて知ったが、たしかに近くではメロンと蜂蜜が混ざったような匂いがしていた。

あと、このマーケットで見つけたのがこれ。大小さまざまなケースを売っていた露店で、サンプルとして中に入っているものが面白い。

いいですねえ、これ。今思えば知人の子供のために買っておけばよかった。

他にもいろいろと面白いものが並んでいたりして歩いていると面白かったのだが、キナバル公園に着くのが遅くなってしまうので、これで切り上げることにした。


9時半にミニバスでコタキナバルを出発。前日に乗ったのと同じラナウ行きのバスで、今回は途中のキナバル公園前で降りることになる。前日と同様に快適なドライブを終えて11時15分に公園前に到着した。ここで降りた乗客は私1人で、ミニバスはすぐに出発していった。

下の写真がキナバル公園入口。

少し歩くとチケット売り場がある。ここで15リンギを払って中に入る。

公園内はかなり広く、管理事務所、登山者用の宿泊施設、レストラン、植物園などが点在している。標高 4,095m のキナバル山は日本からもっとも短時間で登ることのできる 4,000m 峰として知られていて、事務所の前でくつろいでいる登山者(おそらく下山してきたばかりのところだと思う)にも日本人は多いようだった。

この山は登山コースも良く整備され、山小屋もあり、技術的にも登頂はそれほど難しくないという。中腹の山小屋に1泊し、早朝に登頂して日の出を見てから下山するという1泊2日のコースが一般的だそうで、もっと旅行日数があれば登山にも興味はあるのだが今回は仕方がない。いつか登ってみたいものだ。

この旅行の11年後、2019年8月にキナバル山に登ってきた。かなり大変だったキナバル登山の記録については、このページの一番下でリンクしている2019年マレーシア&台湾旅行記を参照。

今回ここへ来た目的は植物園なので、とりあえずその方向へ進む。植物園はキナバル公園の外れ、ジャングルの中にあった。

ここはキナバル公園とは別料金なので、5リンギを払って中に入る。

植物園に入ると、もう完全にジャングルの中になり、周囲は少し薄暗くなる。植物には詳しくないためそれぞれの名前はわからないが、熱帯の花は派手な色彩が多いと思う。下の写真はその一部。

まるで多重風鈴のように連なっている花と、動物の腸のように伸びている枝(気根?)。

葉の中央に規則正しく突起が並んだ植物と、枝の途中から突然きれいな花が伸びている植物。どうしてこういう突起がついているのか不思議だし、この花はあるいは寄生植物だろうか。やはり熱帯の植物は面白い。

植物園の最奥部には柵で囲まれた一画があり、中には鉢植えが並んでいた。植えてあったのはランが多く、おそらくは高価なものも含まれているため、こうして柵が設置されているのだろう。まあ、私はランを見てもどれが高価なのかはわからないが。

下の写真は柵の前からズームで撮ってみたもの。このランが高価なものかどうかわかる人がいたら教えてほしい。

それから、この鉢植えの中にはウツボカズラもあった。今回の旅行ではウツボカズラはぜひ見たいと思っていたので、無事に見ることができてほっとした。

自生しているものではなく栽培ものなのは残念だが、まあ仕方がない。それに柵の前からしか見ることができないため、角度的に中に溜まっているはずの消化液が見えない。キナバル山への登山を行えば、途中で巨大サイズのウツボカズラが自生しているのを見ることができるらしいが。(2019年のキナバル登山では大きなウツボカズラを見ることができた)

このあたりが植物園の最奥部なので、あとは周囲の植物をゆっくりと観察しながら入口に戻った。各種の熱帯植物やウツボカズラも見られたことだし、かなり面白かった。

植物園を出て、あとは夕方までキナバル公園内を散策して過ごした。下の写真は公園から眺めたキナバル山。残念ながら雲に隠れてしまって見えないが、この山は山頂付近が花崗岩の岩場になっているため、富士山などとは景観がまったく違う。山麓は濃いジャングルに覆われている。

実はこの前日にミニバスでラナウからコタキナバルへ移動した際、車窓から雲にまったく覆われていないキナバル山の山頂を眺めることができたのだが、このときは残念ながらうまく写真を撮ることができなかった。キナバル山が雲に覆われないのは非常に珍しいことだそうなので、前日は貴重なチャンスだったのかもしれない。

公園内にはラフレシアの大きなオブジェもあった。実は今回のマレーシア旅行の最大の目的は「ラフレシアを見る」ということだったのだが、結果を言うと見ることができなかった。まあ、よほど運がよくないと見られない花らしいので、わずか数日の滞在で見ることを望むほうが無理なのだが、やはり残念。本物の代わりに見ることができたのがこのオブジェだった。

いくら世界最大の花といっても、実物がこんなに巨大なわけではない。いつかまた、ラフレシアを見るためと、できればキナバル山に登るためにここを再訪したいものだ。


午後3時半すぎにキナバル公園を出て、コタキナバルへ向かうバスを待つことにした。来たときとは違ってバスの始発地点ではないため、いつ来るかわからないバスを道路沿いでずっと待っていないといけない。しばらくすると欧米人旅行者が5人ほどキナバル公園から出てきて、一緒に待つことになった。

ここで危惧していたのは、前日にラナウまで往復したときを含めて3回この区間のミニバスに乗ったが、いずれも満員だったこと。そのため、はたしてここでミニバスが停まってくれるかどうか、少し心配していた。

その心配は当たっていて、ミニバスはときどき通るものの、案の定いずれも満員のため停車してくれない。かなり不安な気持になってきたが、4時20分にミニバスではなくコタキナバル行きの大型バスがやってきて無事に乗り込むことができた。コタキナバルまでの運賃はミニバスと同じく15リンギだった。

やはり大型バスはミニバスより座席がゆったりとしていて快適。車窓からずっと見え続けているキナバル山は相変わらず山頂が雲に覆われているが、中腹に滝が見えたのでズームで写真を撮ってみた。

夕方5時40分、コタキナバルの北バスターミナルに到着した。下の写真が乗ってきたバスで、K.K. がコタキナバルという意味。

ミニバスターミナルは市街中心部にあったが、大型バスのターミナルは町の外れにある。市街へ向かう路線バスもあるはずだが、探すのが面倒なのでタクシーを使うことにした。

大通りのほうへ歩いていくとセブンイレブンがあり、その前にタクシーが数台駐車していた。そこでタクシーに乗る前に飲み物でも買おうと思ってセブンイレブンに入ったところ、菓子のコーナーで大変に面白いチョコボールを見つけることができた。(クリックで拡大)

実に微妙なキャラクターだ

大喜びで10個近くまとめ買いしたらレジの女性が驚いていたが、旅行先でこういうものを見つけるともう嬉しくて嬉しくて仕方がない。賞味期限が最初から箱に印刷してあるところなども実に怪しげで、帰国後に周囲に配ったところみんな笑いが止まらないくらいに大ウケしていた。こういうものを見つけることができて、本当によかったと思う。


タクシーでコタキナバル市街のセンターポイント(中心部にある大型ショッピングセンター)へ移動し、しばらく周辺を散策した後、前日に続いてコタキナバル市街南端にある屋台街へ。この日の朝にサンデーマーケットで見たときから気になっていたスターフルーツがあったので、ジュースを注文してみた。普通サイズを注文したらジョッキで出てきたのは驚いたが、なんとなくメロンのような味と香りがして、味はかなりうまい。これで値段は4リンギ(約130円)。

しばらく周辺を散策するとワワサン・プラザというショッピングセンターの中に大型スーパーマーケットが見つかった。旅行の土産は大型スーパーマーケットで買うことにしているので、ここは翌日にまた訪れることにした。

再び屋台街に戻り、夕食にした。ここで注文したのは下の写真の料理。料理名は憶えていないが、ジュースと合わせて9リンギだった。

味はまずます。飲み物にはアルコール類はないので今回はジュースにしたが、私は酒は飲まないほうなので特に問題はない。

この後、周囲を散策しながら市街を北上し、夜9時にホテルに帰着した。


2019年8月にキナバル山に登ってきた。登山途中や最高峰ロウズピークの風景については、以下の旅行記を参照してほしい。