マダガスカル旅行記(アンダバドアカ)

モロンベ滞在3日目。この日はモロンベから南へ50キロほどのところにあるアンダバドアカ(Andavadoaka)という小さな村へ行くことにしていた。ここはマダガスカルのビーチリゾート地として密かに知られた場所となっている。

マダガスカルというと動植物のイメージが主なのでビーチというと意外に思うかもしれないが、リゾート地として有名なセイシェルやモーリシャスに近いことからビーチリゾートがあるのは自然ともいえる。ここでは穴場のような感じのビーチで驚くほどきれいな海を見ることができた。


朝8時に朝食を取り、前日と同じトヨタのランドクルーザーで9時に出発。ちなみに例の巨木ツアーの人たちはこの日でモロンベを離れ、今日はアンダバドアカに泊まるそうである。というわけで大変にお世話になった日本語ガイドさんとも別れることになるが、マダガスカルから帰国するときの便が同じなので、おそらくアンタナナリボの空港で再会することになると思われる。

町を出ると、いったん郊外の空港に向かって走り出したが、途中で道を外れていつものようにワインディングロードを走るようになった。今回の道路は前日のバオバブ森林地帯への道よりひどく、ところどころに車の轍がなければ道と気付かないようなところがほとんど。道に沿って進むというより荒野を突っ切っていくという感じで、高さ数十センチ程度の小さな潅木などは気にせずに突っ込んでいくので蛇行と振動に加えて今回は衝撃も繰り返される。

下の写真は移動中に撮ったもので、湿地帯の縁を走っているときのもの。このときは振動が少なかったので、なんとか写真を撮ることができた。

移動中、ところどころにバオバブが群生している地帯が見えるが、ここは帰りに見ることにしてまずはアンダバドアカへ向かう。私は車には酔わないほうなので大丈夫だったが、おそらく車に弱い人にとっては拷問といってもいいくらいのハードなドライブを終え、モロンベから約2時間、11時10分にアンダバドアカの村に到着した。50キロほどの移動に2時間かかったことになる。

ビーチリゾートといっても観光地として大きく開発されているわけではなく、村自体はごく小さな集落。村の中心部を通り抜け、外れにあるビーチへ向かう。

集落の外れに「Coco Beach Hotel」という小さなホテルがあり、小さなレストランと10棟ほどのバンガローが並んでいる。そして、その向こうに「ココビーチ」”Coco Beach” というビーチが広がっている。

バンガローにはおそらくフランス人らしいバカンス客が数組宿泊しているようだったが、他に観光客らしい人の姿はまったく見られず、いかにも穴場ビーチという雰囲気になっている。

昼食を12時に用意しておくそうなので、それまでは自由に散策することにした。ちなみにレストランの奥にある厨房を覗いてみたところ前日と前々日の夕食で見た魚が並んでいたので、この昼食もメニューは魚のグリルであることがわかった。

レストランの横から見たビーチの全景。ちょうど潮が引いている時間らしく、砂浜が露出しているのが見える。海は波もなく静かで、これなら安心して泳ぐことができそう。

ビーチのアップ。きれいな海なのに、砂浜を歩いている人が数人いるだけで泳いでいる人はまったくいない。なんだか「秘密のビーチ」という感じがする。

砂浜へ降りていくと、目の前に驚くほどきれいな海が広がっていた。潮が引いていることもあって遠浅の海が白く光っている。せっかくなので、この景色は大きなサイズで載せておくことにする。

きれいだねえ。私が今まで見てきた海の中では、キプロスとグアムが抜群にきれいだったが、ここの海はそれ以上と言っていいと思う。かなり遠くまで歩いても膝くらいまでしかないので、30分ほど歩き回ってみた。水は温かく、かなり気分がいい。


昼食のためにレストランに戻ると、日本人らしい人が座っていた。話してみるとやはり日本人で、旅行者ではなくバオバブの調査のため数ヶ月ほどマダガスカルに滞在しているということだった。進化生物学研究所 のHさんという人で、マダガスカル語を話すことができGPSを使ってバオバブの位置と大きさのデータベースを作成しているところだという。こういう調査のために現地に長期滞在するというのもなんだか憧れを感じてしまうが、しかし実際はいろいろと苦労もあるのだろう。

昼食後、Hさんと別れ、しばらく泳ぐことにした。できればシュノーケリングをやりたかったのだが、この村にはレンタルはないという。このホテルに宿泊している人はシュノーケリングの道具を持っているようだったが、おそらく自分たちで持ち込んでいるのだろう。さすがに観光地化されていないビーチだけのことはある。

というわけでシュノーケリングができないのは残念だが、まあ仕方がないので普通に泳ぐことにした。しだいに潮が満ちてきているのがわかるが、それでもかなり遠浅なので、沖のほうまで歩くことができる。

今回のマダガスカル旅行では、もしかしたらビーチで泳ぐことがあるかもしれないと思って使い捨てタイプの防水カメラを持ってきていて、これが役に立った。下の写真が泳いでいるときに撮ったもので、海の透明度がかなり高いのがわかるだろうか。

泳いでいると近くから声をかけられたので、何かと思ったらすぐ後ろに漁船がいた。こちらが少しよけると、乗っている人が手を振りながら横切っていった。

12時半から2時間ほど泳いだが、本当に海はきれいだった。ホテルに宿泊しているフランス人バカンス客は昼食後の休憩中らしく、海には誰もいない。まるで、これだけのビーチを独り占めしているようで、実に贅沢な気分に浸ることができた。

レストランのある建物の2階は展望所のようになっていて、ビーチを見渡すことができる。帰る前にビーチの全景を撮ってみた。来た時と比べて潮が満ちてきているのがわかると思う。

これほどきれいなビーチなのに、ほとんどプライベートビーチといっていいくらい人がおらず、ゆっくりと落ち着けるのは素晴らしい。北のモロンベから50キロ、南のチュレアールから170キロほどの距離があり、どちらからも大変にハードなドライブを経験しないと来ることができないため、まだしばらくは観光開発されることはないと思う。隠れ家的なビーチリゾートを求めるなら、このアンダバドアカはお勧めといえる。


午後3時、アンダバドアカを出発。モロンベへ戻るのかと思っていたが、実はそうではなく、この近郊のスポットをいくつか回ってから再びアンダバドアカに戻ってくるということが後になってわかった。(運転手と言葉が通じないので、こちらとしては意図が読めない)

最初に行ったのは、ちょっとした丘の上にある展望台。ここからはモザンビーク海峡が一望できる。夕方なので逆光になってしまったが、この海の向こうにアフリカ大陸があるわけである。

いつか、この向こうのモザンビークも旅行してみたいものだ。

展望台を後にして、草原の中の道をしばらく進む。やがて目の前に川が現れたが、運転手はかまわずに川の中へ入っていった。車で川を渡るというのも、テレビ番組などでは見たことがあるが実際に体験するのは初めてだった。

左下の写真の先のほうに見えるのが道路の続きで、右下の写真は渡っているときに窓の外を写したもの。

運転手は余裕の表情だったが、わりと川幅が広いこともあって、私のほうはかなりエキサイティングな体験だった。

やがて着いたのは “MANGA LODGE” というロッジ形式の宿泊施設。最初はどういう意図で私をここへ連れてきたのかわからなかったが、どうやらこの地域では珍しい高級ロッジということで、地元ではちょっとした名所になっているらしい。「ここがレセプション」「ここが客室」などと説明を聞きながら敷地内を一周し、ロッジを後にした。正直言ってわざわざ見に来るほどのスポットとは思えなかったが、しかし車での川渡りを体験できたので来た甲斐はあったと思う。

先ほどと同様に再び車で川を渡り、3時半にアンダバドアカへ戻った。それにしても、今は乾季だからいいが、雨季には水量がかなり増えるはずので車では渡れないのではないかと思う。あのロッジは陸の孤島になるのではないかと疑問に思ったが、言葉が通じないので聞けなかった。


アンダバドアカではモロンベへ移送する荷物(空になった飲料水の容器等)を積み込み、20分ほどですぐに出発した。ここからは、来たときと同様に激しい蛇行と振動と衝撃を受けながらワインディングロードをモロンベへ向かって北上した。

途中、バオバブが群生している草原があった。

ここでは休憩を兼ねて車から降り、近くまで歩いてみた。このあたりは海に近いこともあって雨季になると完全に湿地帯になるそうである。前日にモロンベ北方のバオバブ森林地帯で見たものと同じ種類のようで、背の低いずんぐりとしたバオバブが並んでいる。

午後6時、ハードなドライブを終えてモロンベに帰着した。いつものように町中を散策することも考えたが、すでに薄暗くなっていたことと昼間に泳いだりして疲れていたので、この日は散策はせず部屋で休憩することにした。

7時から夕食。メインはすっかりおなじみになった魚のグリルで、これで4食目(この日は2食目)になる。味はうまいのだが、正直言っていい加減にしてくれという気持にもなる。本当に、この地域には魚のグリルしかないのだろうか。

8時に部屋に戻り、シャワーを浴びてからベッドでガイドブックを読んでいると急に眠くなってきたのでこれで寝ることにした。翌日はモロンベを離れ、首都のアンタナナリボへ向かうことになる。

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