ヨルダン旅行記(アカバ)

ヨルダン滞在5日目。この日でワディ・ムーサを離れ、ヨルダン最南端のアカバへ向かう。

アカバはヨルダンで唯一海に面した町で、ここでシュノーケリングを行うことが今回の旅行の主目的のひとつ。紅海は世界でも有名なダイビングスポットで、かなりきれいな海中景色を楽しむことができた。


早朝5時半に起床。2泊したホテルをチェックアウトし、スリランカ人スタッフに別れの挨拶をしてからホテル前まで来ていたバスに乗り込んだ。アンマンから乗ったバスと同様のマイクロバスで、この時点では乗客は数人しかいない。予約していた乗客を集めて回るというシステムになっているらしく、街中を回るうちに満員になり、アカバへ向かって走り出した。

デザートハイウェイに乗り、南へ向かう。ワディ・ムーサからそれほど遠くはなく、やがて紅海が見えてきた。朝8時40分にアカバのバスセンターに到着。この区間のバス料金は5ディナールだった。

まずは泊まるところを決めないといけないが、アカバの街中には小さなホテルがたくさん並んでいるので特に困ることはない。高そうなホテルはパスし、他のホテルの中でわりときれいそうだった “AMER” というホテルに入ってみた。

まだ朝なのでチェックインできるかどうか不安だったが、ちょうど清掃が終わった部屋があるということで、そこへ通してもらうことができた。遠くに紅海も見えるし、シャワーやエアコンなどの設備も問題ない。宿泊料金は20ディナール。

少し休憩し、出かけることにした。


アカバの街に面して公共ビーチがあり、地元ヨルダンの人たちが水浴びをしているそうだが、透明度は今ひとつだという。アカバから南のサウジアラビアとの国境に向かう途中にも設備の整ったビーチがいくつかあり、透明度は抜群ということなので、そちらへ向かうことにした。これらのビーチは入場料が必要なので、ほとんど外国人専用になっているらしい。

ホテルの近くにあった「アリババ」というレストランでコンチネンタルスタイルの朝食を取り(値段は4.5ディナール)、レストランの前からタクシーに乗ってビーチへ向かう。ビーチはいくつかあるが、その中でサウジアラビアとの国境に最も近い「ロイヤルダイビングクラブ」を選んだ。ここは町から離れているだけあって海中の景色は素晴らしくきれいらしい。

町を離れ、海沿いに南へ向かうとところどころにビーチが現れるが、そこは通過してさらに南へ向かう。ヨルダン最南端、サウジアラビアとの国境が近づいたところで道路をそれ、ビーチの入口へ。さすがに国境地帯だけあって途中に検問があったりしたが、特に何かを調べられることもなく無事にロイヤルダイビングクラブに到着した。

では10ディナールでチケットを買い、中に入る。

更衣室で着替え、ビーチのほうへ歩いて行くと周囲はアメリカ人らしい海水浴客でにぎわっている。後でわかったのだが、近くにアメリカ軍の基地があり、そこに空母が入港していた。つまり、この人たちは空母の乗組員だったらしい。

下の写真がビーチの風景。写真ではあまり伝わらないかもしれないが、海はかなりきれい。

遠くにはアメリカ軍の空母も遠望できる。

ではシュノーケリングセットをレンタルし、海に入ることにする。レンタル料金は8ディナール。

ここは海岸からすぐに珊瑚が始まっているので、砂浜から歩いて海に入って行くことは禁止されている。桟橋の先の階段から海に入ることになる。

下の写真のようにときどき歩いて海へ入ろうとする人がいるが、こういうことをやると監視員に笛で注意される。

では桟橋の先から海に入る。水は意外と冷たく最初はかなり寒く感じるが、しばらくすると慣れてくる。

海中はかなり透明度が高く、海底の珊瑚や泳いでいる魚がはっきり見える。さすがにグアムの海ほどではないが、それでもかなりきれいな光景といえるのではないだろうか。

ここではスキューバダイビングのライセンス講習も行っているようで、5メートルほど下で講習が行われている様子を眺めることもできた。水面を漂いながら下を眺めるのは、まるで空を飛んでいるような感覚で実に楽しいもの。

シュノーケリング中、桟橋の階段のあたりを泳いでいたときにちょうど水から上がろうとしている女性がいた。そこで こんな写真 を撮ってみた。日本だったら盗撮ということになるのだろうか。

この後、シュノーケリングとビーチでの休憩を繰り返し、優雅な時間を過ごした。下の写真が私がビーチでの休憩に使っていた場所で、絵に描いたようなリゾート風景といえる。

ビーチチェアーに座って海を眺めていると、すっかり日常から離れたような気になってくる。あえて市街地からもっとも離れたビーチへ来て良かったと思う。入場料はやや高いが、これからアカバを訪れ人にはロイヤルダイビングクラブはお勧めといえる。

午後3時半、シュノーケリングを終え、レンタルしていたセットを返却。水はやや冷たかったが、海中の景色はきれいだし、このビーチへ来て良かった。今回の旅行の主目的のひとつ「アカバ湾でのシュノーケリング」を実現でき、満足。

帰りはアカバの町までシャトルバス(料金は2ディナール)があるということなので、それを利用することにした。シャトルバスは1時間おきの出発で、次の便は5時になっているので、それまでカフェで紅茶を飲みながら休憩。シャトルバスに乗り、20分ほどでアリババ・レストランの前に到着した。


いったんホテルに戻って荷物を置き、再び外出して散策してみた。海沿いには地元の人たち向けの公共ビーチが続いているが、さすがに夕方なので泳いでいる人は少ない。もっとも、さすがにイスラム圏のヨルダンでは女性が肌を露出する習慣はないようで、泳いでいる人を見ると男性だけ。女性を探してみると、みんな服を着たまま浅いところで水浴びをやっているだけだった。

このあたりには海水浴客向けの露店も多く、歩いていると面白い。この時間になると気候も涼しいので、なかなか気分がいい。

しばらく散策した後、露店でジュースを買って桟橋の上で飲んでいると、やがて日没になった。

ビーチを離れ、周囲がすっかり暗くなったころ、ようやく夕食にした。街中には安食堂が並んでいるので食事の場所に困ることはない。わりとボリュームがあり、味はまずまず。これで料金は4ディナール。

食事を終え、さらに街中を散策していると小さな遊園地があった。しばらく園内を歩いてみたが、この日は休日ということもあって多くの親子連れでにぎわっていた。

夜8時半、散策を終えてホテルに戻った。快適な町だったので滞在が1泊だけなのが残念だが、仕方がない。翌日は首都のアンマンに戻ることになる。