国内旅行編(沖縄 / 石垣島・白保海岸、サビチ洞)

朝8時半の飛行機で那覇を出発し、石垣島へ。約1時間で石垣島に到着した。沖縄本島から先はまだ行ったことがなく、私にとって初上陸の地になる。天気はあまりよくなかったが、気候は那覇よりさらに暖かかった。西表島へ渡るのは翌日なので、この日は石垣島を回ることにしていた。


空港からバスで石垣島の中心部にあるバスターミナルへ移動。まだ午前中なので、予約してあるホテルには向かわずバスで観光スポットへ向かうことにした。バスの時刻を調べると、島の北部へ向かう路線は運行本数が少なく、相当計画的に行動しないと戻ってくることも難しい。最初は島の北端の岬と灯台へ行ってみようと考えていたが、滞在できる時間が短すぎるため、ここは諦めて途中にある「サビチ洞」という鍾乳洞へ行くことにした。

コインロッカーに荷物を預け、窓口で「みちくさフリーパス」という5日間有効のチケットを購入した。島の全路線を5日間乗り放題になるので、観光客にとってはお得なチケットといえる(滞在は3日間だが、5日間のチケットしかなかった)。価格は2,000円。

島の北端へ向かう路線は、途中の「白保」というところまではわりと頻繁に便がある。「白保海岸」という名前を聞いたことがあったので、とりあえずそこまで行ってみることにした。

バスターミナルから海岸沿いに走り、約30分で白保に到着した。バス停から少し歩き、集落の中を通り抜けると海岸に出る。さすがに冬の時期は閑散としていた。

ここは砂浜というより珊瑚礁の海岸で、夏にダイビングやシュノーケリングなどをやると楽しそう。

今は小雨が降りそうな天気なのが残念。次は夏の季節にここへ来たい。

足元にある石は、この通り珊瑚ばかり。裸足で歩くとちょっと痛そう。

海をしばらく眺めた後、バス停へ戻ることにした。

その途中、神社があったので立ち寄ってみた。「真謝嶽」という文字が光っている。

小さな神社だが、かなりきれいに清掃されていて、なんだか聖域という雰囲気が漂っていた。こういうひっそりとしたスポットを訪ねるのもいいものだと思う。


白保から再びバスに乗り、島の北部へ向かう。のどかな景色を見ながら走り、途中から自由乗降区間になったのでサビチ鍾乳洞の前で降ろしてもらった。道路沿いに大きな看板がある。

上の看板に書かれている通り、ここは貫通型の鍾乳洞で最奥から海に出ることができる。こういう鍾乳洞は日本でもかなり珍しいらしい。

鍾乳洞の入口までは、道路から少し距離がある。未舗装の道路を歩いていくと、馬が何頭か放されていた。一応、ロープでつながれているものの、ロープが長いのでかなりの範囲を歩き回れるようになっていた。

草を食べながらもこちらを気にしているらしい馬の横を注意して通り抜け、鍾乳洞の入口に着いた。

入口横の建物でチケット(700円)を購入し、洞内に入る。入口はこんな感じ。

しばらくは平坦な道が続く。洞内の写真は感度を上げているため明るく写っているが、実際はもっと暗い。

洞内には壷がたくさん置かれていた。説明書きは以下の通り。

耳壺(油壺)

用途としては主に豚の油を入れた壺で、その他に食塩なども入れ、日常生活には欠かせないものだった。多くは八重山焼きで、中には南蛮焼きではないかと思われるものもある。

それにしても、なんだか骨壷のような気がして不気味。

各種鍾乳石を見ながら先へ進むと、やがて出口が見えてくる。こちら側の洞口はかなり狭く、かがんで歩かないといけないほど。

外に出ると、目の前に海が広がっていて周囲に遊歩道が作られていた。しばらく歩き回ってみたが、海は本当にきれいだった。

砂浜は海水浴に最適という感じだが、さすがに今の時期は誰もいない。次回は夏に来て、ここで泳いでみたい。

しばらく歩いた後、洞内に戻った。外の広大な景色を見た後だと、洞窟内がさらに小さく見える。再び鍾乳石や壷を見ながら進み、洞窟入口に帰り着いた。

チケット売り場の建物は小さな土産物店になっていて、ここで飼われている犬を見ながら少し休憩した。このサビチ鍾乳洞は、鍾乳石などはそれほど大きくはなかったが、洞窟の終点から外に出て海を見られるところは面白かった。いつかまた来たいものだ。

来た時と同様、馬に注意しながら道路に戻り、しばらく待つとバスがやってきた。運転手に合図してバスを止め、石垣市街へ戻ることにした。

バスの車内では NHK ラジオの国会中継が流れていた。これは空港から乗ったバスや白保までのバスも同様で、石垣島で乗ったバスはすべて運行中にラジオが流れていた。チャンネルは NHK や民放など様々だったので、運転手の好みで選んでいるのかもしれない。野党の質問と鳩山首相の答弁を聞きながら島を南下し、約1時間で終点のバスターミナルに到着した。

続いて、近くにある離島ターミナルで西表島への船の時刻を調べた。ここから西表島、波照間島、竹富島などへの船が出ている。今回は西表島だけだが、いつか波照間島や与那国島へも行きたいものだ。

なお、離島ターミナル内は年配の人たちが大勢歩いていた。おそらく夏になれば若い人が増えるのだろうが、今はそれほど暑くも寒くもない時期なのでシニアの人たちの団体旅行が多いように思える。


では、そろそろホテルにチェックインすることにして、バスで「サンエー前」へ移動した。バス停の前に予約しておいたホテルがある。

今回宿泊したのは「リゾートイン・ラッソ石垣」というホテル。下の写真がホテルの外観で、ホテルというよりアパートという感じ。

部屋はこういう感じで、冷蔵庫や電子レンジもあり、完全にコンドミニアム型になっている。これで宿泊料金は1泊4,400円なのだから、かなりお得だと思う。道路の向かい側に大きなスーパーマーケットもあり、長期滞在者には便利なホテル。

ただし石垣空港のすぐ近くなので、飛行機の離着陸時にはものすごい爆音が響き渡る。後は、離島ターミナルから歩いていける距離ではないのが難点か(バス停は目の前にあり、バスターミナルまで10分ほど)。

少し休んだ後、再びバスに乗りバスターミナルへ移動。周辺を散策することにした。まず行ってみたのは「新栄公園」という場所で、この公園の隅に壁の一部が置かれている。

特に説明書きもないので、知らない人が見たらこれがなんだかわからないと思う。実は、この壁には戦争中の機銃掃射の痕が残されている。かつての気象台の壁の一部だそうで、戦争の記録を残すためにここに移設されたということなのだが、それにしては何の説明書きもないのが不思議な気がする。

機銃掃射痕のアップ。

実際に見てみると生々しい。このような痕を間近で見て、さらに触ることもできるという場所は、日本でもそうはないのではないだろうか。

ホテルへ戻る前にレストランで夕食にした。注文したのは豆腐チャンプルーと石垣そばのセット。石垣そばはあっさりしていてかなりうまい。

ホテルに戻り、部屋でテレビを見ると天気予報をやっていた。そして、その映像にちょっとした衝撃を受けた。この通り、もろに台湾が目立っていて、日本の本土は映っていない。今回の沖縄旅行では何度も思っているが、本当に日本は広いものだ。

さらに、天気と一緒に予報されるのが泡盛喉ごし指数。明日の愛飲度は高いそうだ。

インターネットで西表島のことを調べた後、シャワーを浴びて就寝。翌日は、この旅行の主目的になる西表島へ渡ることになる。

(2010.2.12)