国内旅行編(愛媛 / 石手寺再訪)

2010年4月に、出張で香川県丸亀市に滞在した。出張中、1日だけ休日があったので松山市にある石手寺を10年ぶりに再訪してみた。

石手寺は四国八十八ヶ所の五十一番目の札所であり、表向きは雰囲気のいい寺。しかしながら寺の裏に回ると「マントラ洞」や「マントラ塔」という不思議なスポットがあり、なんとも奇妙な寺になっていく。あの雰囲気を10年ぶりに味わえるのが楽しみ。


松山駅から市電で道後温泉へ行き、バスで石手寺へ。寺院内に入ると、なんだか懐かしい。

不思議な木彫りの像や絵も健在だった。裏の石手寺の雰囲気が、ここで暗示されている。

まずは表の石手寺に参拝。三重塔がきれいで、これは鎌倉時代に建てられた重要文化財らしい。

続いて本堂へ。金色の大きな五鈷杵(ごこしょ)は前回見た記憶がない。おそらく、最近になって置かれたものだと思う。

本堂の横には絵馬がたくさん掛けてあった。こういう場所に来ると面白い絵馬を探したくなる。ここで見つけた絵馬を2つ紹介。

奉納した後、書き直しに来たんでしょうかね。合格するといいですね。

絵馬に書かれていた名前で検索しても、FM局のパーソナリティには見つかりませんでした(2021年時点)。不合格だったのかなあ…

では、そろそろ裏の石手寺へ。マントラ洞の入口付近に来ると、次第に怪しげな雰囲気になっていく。

こちらがマントラ洞の入口。入口の賽銭箱に100円を入れてから、中に入る。

通路がすぐに二手に分かれるが、まずは直進して「胎蔵界」と「金剛界」の方へ向かう。10年前と同様に通路内は真っ暗で、下の写真はカメラの感度を上げているために何とか写っているが、実際にはほとんど何も見えない。

フラッシュを使って写真を撮ると、こんな風に地蔵さんが浮かび上がってくる。

この地蔵さんは中央に並べられているもので、その頭にロープが渡してある。ここでは片側通行なので、ロープを触りながら注して歩く。

通路内には、少し広くなった場所が2ヶ所ある。その中の「胎蔵界」には、中央の台座の上に五鈷が置かれていて「中央の五鈷に触れて仏の智恵を感得下さい」と書かれている。もちろん触ってきた。

「金剛界」には大きな石像がある。「胎蔵界」と同様にシャンデリアのような電飾があるのだが、どちらもまったく点灯していない。フラッシュを使って写真を撮って、ようやく何があるのかわかるという状況。

10年前も同じような感じだったが、参拝者が転倒したりぶつかったりする事故は起きていないんだろうか。できれば維持にも費用をかけてもらいたい。

マントラ洞を通り抜けて、明るい屋外に出た。岩によってふさがれているような感じが興味深い。結界をイメージしているんだろうか。

10年前にも見た「琵琶を持った観音像」はまだあったが、さすがに劣化が進んでいるように思える。

ここから「奥の院」へ向かうのだが、途中にも奇妙な石像が点在している。

ここから先が「奥の院」。10年前は「マントラ三昧」と書かれていた庭園だったはずで、こういう立派なゲートは見た記憶がない。閻魔大王とは初対面。

閻魔大王に見下ろされながら中に入る。看板の一部が割れているが、後で調べたところ「Welcome Maha Yenmar Rajah」と書かれているらしい。

園内には様々な像が並んでいる。10年前にも見たガネーシャ像に再会したが、劣化が進んで溶けてきているような感じで、なんだか不気味。

庭園を抜けると、金色のUFO型建物が見えてきた。前回の訪問時に感動したマントラ塔だが、10年前と比べて金色が色あせてきているように思える。

巨大な手と瘦せこけた釈迦像は健在。手の中にはビー玉がたくさん入っていた。

では、マントラ塔の中へ。

1階はほぼ物置になってきたので、すぐに2階に上がった。天窓とシャンデリア風の飾りがきれい。

蓮台に乗った塔にも再会。

そして、マントラ塔といえばもちろん大量の木彫りの像。薄暗い中に所狭しと並んでいるので迫力がある。中央に立つと周囲の木彫りからいっせいに見つめられるので、なんだか気味が悪い。

もう長いこと使われていなさそうなプロジェクターもまだ置いてあった。静寂の中、しばらく木彫りの像たちに見られながら休憩した後、外に出ることにした。

マントラ塔の向こう側は墓地になっていて、塔を上から見ることができる。なかなか秀逸なデザインで、本物のUFOみたい。

墓地の向こうにマントラ塔という、なんだかシュールな眺め。

墓地を出て歩いていると、石手寺が経営しているらしい幼稚園があった。壁一面の絵が迫力ある。

では、再びマントラ洞の中へ。注意して歩かないと何かにぶつかりそう。

帰りは「洞内巡礼」の方へ。ここはお参りをしながら歩くだけで四国八十八ヶ所霊場巡りができてしまうという、たいへんお得な場所。

これでマントラ洞を出て、表の石手寺に戻ってきた。由緒ある寺に対して、こんなB級スポット的な紹介をしてもいいのかという気もするが、マントラ洞から先の怪しげな雰囲気が本当に素晴らしいので仕方がない。石手寺を訪れる際は、マントラ洞やマントラ塔も決して見逃さないように。

境内を歩いていると、こういうものが置かれていた。祭りのときに使われる山車だろうか。

さらにパゴダ風の建物があった。ここにはビルマで戦死した人々が祀られているという。

釈迦の一生をモチーフにしたレリーフもあちこちに置かれていたが、これは10年前には見ていない。かなり新しそうなので、最近になって設置されたものだと思う。

踊っているデヴァダー像(多分)。

こちらのアップも撮ってみた。

これで石手寺を一通り見たので、バスで道後温泉に戻ることにした。この寺院は、表の雰囲気の良さと裏の怪しげな感じとのギャップが面白い。四国の寺院の中では最大級におすすめなので、松山に来る機会があればぜひとも立ち寄ってみてほしい。


道後温泉に戻り、しばらく散策。こちらが有名な道後温泉の建物。

観光用の坊ちゃん列車も見ることができた。

しかしながら、道後温泉でもっとも強烈な風景だったのがこちら。温泉のすぐ近くにあるファミリーマートの駐車場からの眺めで、道後ヘルスビルがすごいことになっている。

ここは普通に家族連れや子供が歩いているようなエリアなんだが、大丈夫なんだろうか。もっとも、道後温泉の風俗街自体が住宅地に溶け込んでいて、狭い道路を挟んで風俗店の向かい側がマンションになっていたりする。そこを当たり前のように下校中の小学生が歩いていたりして、ちょっとしたカルチャーショックを受けた。日本にはいろんな場所があるものだ。

(2010.4.19)


2000年9月の訪問記はこちら。宇和島市の多賀神宮と併せて訪問している。


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