マレーシア旅行記(バトゥ洞窟 / Cave Villa)

旅行前にバトゥ洞窟について調べたところ、近くに「アートギャラリー」というスポットがあることが分かり、今回の訪問ではぜひとも見たいと考えていた。

そこでバトゥ洞窟を見た後にアートギャラリーを探してみたところ、アートギャラリーという文字は見つからなかったがバトゥ洞窟の階段の横に CAVE VILLA という看板があった。現在は名前が変わったらしいが、ともかくも目的のスポットを見ることができた。


この CAVE VILLA は入場料が必要で、15リンギでチケットを買って中に入る。有料にもかかわらず、意外と人は多い。

まずは鯉が泳いでいる池を渡る。えさが売られていたが、買うのはやめておいた。

池を渡ると小さな広場の前にステージが作られていて、何人かの観光客が椅子に座って休んでいた。ときどきステージで何かのショーが行われるらしいが、今は何もやっていなかったので、まずは先へ進むことにした。

場内の地図によると、この CAVE VILLA には2つの洞窟と小さな鳥類園などがあることになっている。まずは最初の洞窟に入ってみた。


こちらが最初の洞窟の入口。両側にたくさんのレリーフが並んでいる。

レリーフを見ながら先へ歩いてみた。詳しいところは分からないが、おそらくはマレーシアの昔話や歴史上の出来事などが題材になっていると思われる。どれも非常によくできていて、見ていると面白い。

ちょっと胸が透けて見えるようなところが何とも。

さらに先へ進むと、このように人形を使ったジオラマが作られていた。レリーフと同様に詳しいところは分からないが、しかしどれもよくできている。デジタルカメラの感度を上げているため明るく写っているが、実際の洞窟内はもっと暗い。

木の下で問答する師と弟子だろうか。

洞窟の最奥部は小さな爬虫類コーナーになっていて、蛇やトカゲなどが飼われていた。ただ、ここはかなり照明が暗く、うまく写真を撮ることはできなかった。

これで洞窟内を一通り見たので、人形やレリーフを再度見直しながら入口に戻った。


いったんステージの前で休憩。ちょうどショーが始まったので、10人ほどの観光客と一緒に見物することにした。ちょっと変わった音楽だが、マレー風のダンスなのだろうか。

ダンサーは若い男女5人ほど。ショーは1時間おきくらいに行われているようで、なかなかのレベルだった。これだけでも15リンギ払って CAVE VILLA に入る価値はあると思う。ダンスを見ながら20分ほど休憩。


続いて2番目の洞窟に入る。

この洞窟は、先ほど入った洞窟とは雰囲気が違っていた。壁に沿ってヒンドゥ教の神様がたくさん並んでいる。照明も赤や青など色とりどりなので、なんとなく怪しげな感じが漂っている。

主な風景を下に載せておく。しかしヒンドゥ教の神様というのは他の宗教と違って造形が実に面白い。人魚になっていたり手や顔がいくつもあったり、周囲の風景を見ながら歩いているとかなり楽しめる。ここに載せている他にもたくさんの神様が作られているので、全部見たい人は直接訪れてほしい。

これらの写真から分かる通り、この洞窟が CAVE VILLA のハイライトだった。これほどまで濃密な空間は、ちょっと今までに見た記憶がない。それほど広い洞窟ではないが、周囲の神様たちを見ながら歩いていると時間が経つのを忘れるほど。

ときどき観光客が入ってくるが、ざっと見ただけで出て行ってしまう。これだけの景色をゆっくり見ないのはもったいないと思うのだが、まあ嗜好は人それぞれということか。

私のほうは洞窟内をかなり長時間歩き回った。色とりどりで不思議な姿をした神様たちを見ていると本当に飽きない。前日に見たゲンティン・ハイランドの清水岩廟と並んで、クアラルンプールの2大スポットと言っていいだろう。バトゥ洞窟へ来て本当によかった。


洞窟を出て、ステージの前で休んでいると周囲が次第に薄暗くなってきた。これはスコールが来るのは間違いないという気がしたので、ステージ前(東屋風の屋根がある)で待機することにした。

予想通り10分ほどで雨が降り出し、すぐにすさまじい雷雨になった。熱帯のスコールは初めと終わりがすごくはっきりしているのが特徴だが、それにしても驚くほどの天候の急変だった。

外にはとても出られないので、10人ほどの観光客と一緒に雨が止むまでステージを見ながら休憩。ちょうど次のショーが始まったのでダンサーたちを動きを楽しむことができ、退屈せずにすんだのは幸運だった。

激しい雨だったが、いずれ止むはずと思っていると降り出したときと同様に急に雨足が弱くなってきた。そして30分ほどで完全に雨が上がり、日が差してきた。熱帯地方は本当に天気が変わりやすい。

雨が止んだあと、小さな鳥類園に入ってみた。温室のような植物園に鳥が飼われていて、わりと近くで見ることができる。なかなか興味深いのだが、しかしながら先ほどの豪雨の後に日が差しているので地面の上が非常に蒸し暑い。そこそこで切り上げ、ステージ前の休憩所に戻った。

少し休んだ後、これで CAVE VILLA を出ることにした。かなり面白いスポットだったが、バトゥ洞窟ではときどき見かけた日本人旅行者も、ここではまったく見なかった。バトゥ洞窟へ来てここを見ないのはもったいないと思うので、これから旅行する人はぜひとも入ってみてほしい。


CAVE VILLA を出て、しばらく周囲を歩いていると RAMAYANA CAVE という洞窟があった。かつては内部が公開されていたようだが、このときは入口が閉ざされていて入ることはできなかった。中が物置になっているし、この感じからすると閉鎖されて久しいようだった。

柵の間から覗いてみると、奥のほうに人形も見える。ここに入ることができないのが残念。

バトゥ洞窟のほうに戻り、ヤシの実ジュース(3リンギ)を飲みながら休憩。そろそろクアラルンプールへ戻ることにした。郊外の定番観光地だが、洞窟内の寺院だけでなく CAVE VILLA という変わったスポットも見ることができるし、マレーシア旅行の際はおすすめといえる。

門のところにバトゥ洞窟の事務所のような建物があったので、クアラルンプールへのバス乗り場について聞くと門を出て道路を渡ったところで待っていればいいということだった。バス停などの表示はないが、教えられた通りに道路沿いで待っていると20分ほどでバスがやってきた。乗り込んで、来た時と同様に約30分でクアラルンプールに戻った。