マレーシア旅行記(クアラルンプール / 関帝廟、スリ・マハマリアマン寺院)

バトゥ洞窟から戻り、後は出発時間までチャイナタウン周辺を散策してみた。帰国後に周囲に配るための土産物を買うことが目的だったが、その合間に訪れた「関帝廟」と「スリ・マハマリアマン寺院」について、このページで紹介することにする。

関帝廟

チャイナタウンの真ん中に「関帝廟」という中国寺院がある。特にガイドブックでも紹介されていないような寺院ということもあり、ここで見かけたのは華僑の人たちだけだった。

入口付近の様子。装飾も派手なもので、柱に龍が巻きついている。

中に入ると、らせん状の線香がたくさん下がっていて煙が立ち込めている。なかなかいい雰囲気だと思うが、人はほとんどいない。

寺の境内を歩いていると、前日の清水岩廟でも見かけた「金玉満堂」という言葉があった。このところアジアの寺院でやたらと見ている気がするが、よく考えてみれば台湾の金剛宮、ジャカルタの金徳院、前日の清水岩廟に続いて、まだ4回目ということになる。意外と少ないが、しかしインパクトのある言葉なので印象に残っている。

この「金玉満堂」は、今後もアジアの中国寺院で見かけることになる言葉だと思う。

スリ・マハマリアマン寺院

関帝廟の近くにあるのが「スリ・マハマリアマン寺院」というヒンドゥ教の寺院。こちらはマレーシアのガイドブック等にも載っているので、観光客の姿も見かける。

この寺院は、神像がびっしりと彫られた巨大な屋根が特徴的。バトゥ洞窟の本堂でもこういう屋根を見かけたが、実はこの2つの寺院はつながりがある。毎年1月下旬から2月上旬にかけて「タイプーサム」というヒンドゥ教の祭りが行われるのだが、この祭列が出発するのがスリ・マハマリアマン寺院、到着するのがバトゥ洞窟になる。

このタイプーサムという祭りだが、相当に過激な祭りということなので、ここでは説明はしない(発祥地のインドでは、現在ではこの祭りを行うことは禁止されているという)。インターネットで検索すれば画像や動画は見つかると思うが、痛そうな姿が苦手な人はやめたほうがいいと思う。どうしても見たい人は、閲覧注意ということを理解したうえで探してみてほしい。

では、門の外で靴を脱いで中に入る。寺院の中はヒンドゥ教徒の人たちで賑わっていて、欧米人の観光客も数人いる。あちこちに作られている祭壇を見ていると面白く、邪魔にならないように見学してみた。

寺院内の壁にあったレリーフ。頭や手足がいくつもあったり、皮膚が青白色だったり、本当にヒンドゥ教の神様というのは姿が面白い。

寺院内を歩いていると、楽隊の人たちが急に演奏を始めた。何が起きたのかと思ったら、上半身裸の男性(おそらく、この寺院の祭司)が祭壇を次々と回ってロウソクに火を点けている。よく分からないが、1日のうち決まった時間に行われる儀式のようなものと思われる。

その時の動画。ゆっくりとした足取りで祭壇を回る祭司の後ろをヒンドゥ教徒の人たちがぞろぞろとついて回っている。楽隊が鳴らしている音楽も、なかなかいい感じ。

寺院内を一通り回った後、祭司らしい人は寺の奥に入っていった。音楽も止み、急に静かになった雰囲気の中、もう一回りしてから外に出ることにした。この寺院はクアラルンプールの他の名所と比べると少し地味だが、しかし訪れる価値は十分あると思う。今回は祭司の列を見ることもできたし、幸運だった。


チャイナタウンにあるフードコートで夕食にし、夜7時に散策を終えて空港へ出発することにした。LRTでKLセントラル駅へ移動し、エアポートバスで空港へ向かう。クアラルンプールに到着したときは鉄道を利用したが、帰りは時間に余裕があるし、バスのほうが安いので(10リンギ)ここではバスを利用した。約50分でクアラルンプール空港に到着。

バスは鉄道より時間がかかるが、座席もゆったりしているし、かなり快適だった。値段も安いし、時間に余裕があるときはバスのほうがおすすめといえる。

中国東方航空のカウンターでチェックインを行い、11時すぎにマレーシアを出国。免税店で時間をつぶし、深夜1時半に離陸して乗り継ぎ地の上海へ。朝6時半に上海に到着し、乗り継いで2時半すぎに福岡空港に帰着した。

クアラルンプールは今回初めて滞在したが、交通網は先進国レベルに発達しているし、治安はいいし、食べ物はうまいし、非常に旅行しやすいところだった。清水岩廟やバトゥ洞窟などの珍スポットもあるし、近いうちにまたマレーシアを旅行したいものだ。


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