ウズベキスタン旅行記(ヒヴァ~サマルカンド)

この日でヒヴァを離れ、タシケントを経由してサマルカンドへ移動することになる。2泊したヒヴァの町は、かなり雰囲気がよく快適に滞在できた。ローカルなサーカスも観賞できたし、かなり印象に残っている町になる。

ヒヴァとサマルカンドの中間にあるブハラも観光地として有名だが、今回は時間に余裕がなく行くことはできなかった。いつかウズベキスタンを再訪することがあれば、そのときは訪れてみたい。


朝7時すぎにホテルをチェックアウトし、オーナーの男性に別れの挨拶をしてから旧市街の北門へ。ここが乗り合いタクシー乗り場になっていて、タクシーが数台客待ちしている。

乗り合いタクシーは客が4人そろってから出発するというシステムなので、すぐには出発しない。早朝なので人通りが少なく、このままだとちょっと時間がかかりそうな感じがする。飛行機の時間のこともあるので、ここでは運転手と交渉して乗り合いタクシーではなく通常のタクシー(つまり貸し切り)としてウルゲンチ空港へ直接行ってもらうことにした。タクシー料金は10,000スムで、ウルゲンチからヒヴァまで乗ったときが2,000スムだったので5倍になるが、4人分の料金+空港までということを考えると妥当だと思う。

早朝なので道路も込んでおらず、タクシーは快調に飛ばして約45分でウルゲンチ空港に到着した。下の写真がウルゲンチ空港のターミナルで、こういう施設の写真撮影は禁止なので遠くからさりげなく撮ってみた。

ウズベキスタン航空のカウンターでチェックインを行い、手荷物検査所を通って待合室へ。ここにあった小さなカフェでパンとコーヒーの朝食にした。値段は3,000スム。

やがて搭乗が始まり、歩いて飛行機へ移動した。写真を撮りたくて仕方がないのだが、軍服を着た人が監視しているので諦めざるを得ない。タシケントからヌクスまで乗ったときはプロペラ機だったが、今回はジェット機で、座席も自由席ではなく指定席だった。窓際の席だったので、外の景色を見つからないように撮ってみた。まだ乗客たちが大勢歩いてきている。

9時40分に出発。飛行中は機内のモニターに現在位置を示す飛行ルートが表示され、軽食のサービスもあって快適なものだった。旅行前に「ウズベキスタン航空の国内線は最悪」などという噂を聞いていたが、今回2回乗った限りでは何の問題もなかった。今はそういう噂を気にすることもないと思われる。

11時にタシケント空港に到着。

3日前にヌクス行きの便に乗った国内線空港に再び戻ってきた。今回は、ここからサマルカンドへ移動することになる。


まずは、サマルカンド行きのバスが出発するバスターミナルへ移動する必要がある。バスターミナルは地下鉄のサビール・ラヒモフ駅の近くにあるが、いったん町の中心まで行って地下鉄に乗るより、地図を見ると空港から直接タクシーで向かうほうが距離的にもずっと近い。そこで、空港前で客待ちしていたタクシーに乗りバスターミナルへ向かった。15分ほどで到着。

バスターミナルといっても大きな建物があるわけではなく、広い駐車場のようなスペースに10台以上のバスが停まっているだけで、どのバスに乗ればいいかは周囲の人に聞くか、またはバスのフロントの行き先表示を見る必要がある。とりあえず最初に聞いた人に教えてもらったサマルカンド行きのバスに乗り込んだが、しかしなかなか出発しない。おそらくは満員になったら出発するというシステムだと思うが、一向にバスに人が乗ってこないのである。

サマルカンド行きの路線がこんなに人気がないとも思えないので、もしかしたら他にもバスがあるのかもしれない。そこで、いったんバスを降りて近くを歩いてみたところ、ちょうど動き出そうとしたバスのフロントに “SAMARQAND” という文字があった。車掌が私を見て「乗るか?」という合図をしたので、私も合図を返してすぐに乗り込んだ。車内は満員に見えたが、後ろのほうにひとつだけ座席が空いていて、ここに座ることができた。サマルカンドまでのバス料金は10,000スム。

結局、バスターミナルで50分ほど無駄に過ごして、12時20分に出発。

車内にはエアコンはないが、走行中は天井の窓から風が入ってくるので、わりと快適だった。周囲の乗客たちはやはり外国人に興味があるらしく、最初はいろいろと話しかけられた。こちらも会話の相手をしていたが、やがてみんなうとうとと眠りだしたので、周囲は静かになった。

途中、ガソリンスタンドでの給油があり、このときはバスを降りて周囲を少し歩くことができた。トイレに行った後、露店でアイスクリームを買い、しばらく休憩。

タシケントから4時間半、午後4時50分にサマルカンドに到着した。そこそこに長い移動だったが、バスがわりと快適だったので、それほど疲れなかった。

バスを降りたところはバスターミナルではなく、大通り沿いのドライブインのような感じの場所だった。バスから降りたのも10人ほどだったので、おそらくバスはサマルカンドが終点ではなく、ここは途中下車のような形になるものと思われる。車掌がわざわざバスを降りてタクシーの運転手に声を掛けてくれたので、礼を言ってタクシーに乗り込んだ。5分ほどでサマルカンド中心部のレギスタン広場前に到着。

まずは泊まるところを決める必要がある。旅行前にインターネットで調べたところ、サマルカンドでは「バハディール」というゲストハウスが有名で、世界各国のバックパッカーの溜まり場になっているということだった。少し興味はあったが、しかし周囲がバックパッカーの猛者ばかりというのもなんだか居心地が悪そうな気がしたので(あくまで偏見だが)、バハディールの近くにある「フルカット」という B&B タイプのゲストハウスに入ってみた。

フロントで泊まれるかどうか聞いたところ、部屋は空いているということだった。中庭に出ると、建物自体がなかなか凝ったつくりになっている。下の写真で奥にふたつ並んでいるのは、靴を脱いで上に上がりお茶などを飲みながら休憩する場所。ときどき宿泊客がここで談笑していたし、私も翌日にサマルカンドを一日散策したときは、いったん戻ってここで休んだりした。樹木のおかげで昼でも涼しく、居心地はかなりいい。

こちらが今回泊まった部屋で、1泊20ドル。内装もかなりきれいで、快適に滞在できた。

少し休憩した後、午後6時に外出。


まずはレギスタン広場へ歩いてみた。旧市街の中心にある広場で、向かい合う3つのメドレセ(イスラムの神学校)で囲まれている。このアングルで見るレギスタン広場が、おそらくウズベキスタンでもっとも有名な景色と言っていいだろう。すでに薄暗くなってきているが、この時間でも観光客は歩いている。

翌日は1日中サマルカンドを歩くことにしている。あまり近くで見ると翌日の楽しみがなくなるので、レギスタン広場はこのくらいにしておいた。

下の写真はレギスタンの隣の広場で見た2体のライオン像で、スフィンクスのような感じが面白い。

散策の途中、夕食にした。入ったのはレギスタン広場の近くにある「ラビ・ゴール」というレストラン。

注文したのは、プロフ、スープ、サラダ。今回の旅行ではプロフとスープとラグマンとサラダを繰り返し注文しているが、どれもうまくてボリュームがあるので、毎日食べていても飽きない。

料理は十分うまいが、このレストランは店内の一画に鶏小屋(たぶん食材用)が作られているので少しハエが多く、さらに匂いが漂ってくるのが難点か。

食後、さらに散策してみた。広い範囲で散水が行われているので芝生はきれいだが、ムイナクでアラル海の惨状を見た後だけに、大量に水が使われているのを見ると複雑な気持ちになる。

この広場に面してスーパーマーケットがあったので、飲み物などを買い込んだ。ついでに何か土産になるような菓子類でもないかと思って探してみたところ、”Choco Boy” というチョコレート菓子があった。

それにしても、見つけたときにはさすがに絶句した。形については説明するまでもないが、これだけ堂々とパクるというのは感動的ですらある。いくつか買って帰国後に知人に配ったところ、みんな呆れたような表情を浮かべていた。しかしながら、食べてみたところチョコレートは本家のほうがずっとうまく、味はまったく真似できていなかった。

帰国後にインターネットで調べたところ、箱に書かれている “ORION” というのは韓国のメーカーで、日本の菓子のコピー商品を次々と作っているらしい。それを本家の日本製品より安く売っているので、外国ではわりと広まっているということだった。なんだか問題のあるメーカーらしいが、しかし味はまったく再現できていないので、それだけ日本のメーカーはレベルが高いということなのだろう。

夜8時、暗くなってきたので散策を終えてゲストハウスに戻った。シャワーを浴び、10時半に就寝。