国内旅行編(佐賀 / 鏡山道祖神)

久しぶりの国内旅行編になる。本来、この3連休は韓国旅行(板門店へ行って北朝鮮側を眺めてみる)を考えていたのだが、多忙のためどうしても休みが取れなかったので1日だけ休んで近場の佐賀県へ行ってみた。

目的地は唐津市にある鏡山というところで、ここに見事な道祖神がある。この道祖神については、まだインターネット上でも情報が少ないので知っている人はほとんどいないと思われる。


佐世保から車で唐津方面へ。唐津市街から山のほうに折れ、山道を登っていくとやがて広い駐車場に着いた。唐津市内の有名観光地だけあって、山頂までの道路や駐車場などはよく整備されている。

まずは鏡山神社へ行ってみた。近畿地方に近づいている台風の影響で天気はあまりよくないが、雨は降っていない。しかしながら山頂付近は霧が立ち込めている。

こういう神社へ来ると絵馬を見ることが楽しみのひとつなのだが、ここはおみくじだけで絵馬はどこにもなかった。ちょっと残念。

では、今回ここを訪れた主目的地になる道祖神へ。駐車場から数分歩くと、道路わきにひっそりと鳥居が並んでいる。特に何の表示もないので、知っていないとこの奥に道祖神があることはわからない。

鳥居をくぐり、先へ進むと目的地が見えてきた。やはり人に知られている場所ではないらしく、周囲には誰もいない。写真では見ていたものの、実際に見てみるとあまりの立派さに感動する。

道祖神を両側から見てみた。ここは男性版だけでなく根元に女性版も作られている。

いやあ、お見事!

私もあちこちで性神を見てきたが、こんなすごいものは見たことがない。実に素晴らしい!

本当に、よくこんな形を思いついたと思う。他にもこういう道祖神があるのか、ここのオリジナルなのかはわからないが、もしオリジナルとしたら作者は天才的だと思う。

女性版のアップ。それにしてもリアルなもの。

ここに賽銭を入れることになる。私も年齢的にそろそろ衰えが出てくる頃だと思うので、10円を入れて「元気が続きますように」とお願いしてきた。

10円硬貨を投げ入れると奥のほうで「チャリン!」と音がしたので、意外と硬貨が溜まっているらしい。しかしどうやって賽銭を取り出すのだろう。

ここには、この道祖神の他にもうひとつ古い道祖神がある。説明書きによると、かつて佐賀県鳥栖市の安良川沿いにあった道祖神が昭和28年の水害で流された際、修復作業のときにどこかに奉納することが決まり、昭和59年にここへ移されたということだった。なぜ鳥栖市から離れた唐津市に移されたのか、なぜ移されるまでに30年もかかったのか、その辺りはよくわからない。

周辺を散策し、少し離れたところから道祖神を見上げてみた。ここから見ても、道祖神はかなり目立っている。

それにしても、佐世保から車で福岡へ向かう途中にあるので鏡山という地名は以前から知っていたのだが、ここにこんな立派な道祖神があるとは知らなかった。インターネットでいろいろと調べているときに偶然見つけたスポットだが、このように人知れずひっそりと存在している道祖神は各地にたくさんあると思われる。今後もライフワークとして探訪を続けていきたい。


この後、山頂の公園内を散策してみた。霧が立ち込めているが、雨は降っていない。西展望所からは唐津湾と虹の松原が一望できるはずなのだが、この日は霧のため何も見えない。

天気がいいときは こういう景色 を見ることができる。

公園内には、松浦佐用姫の銅像もある。

松浦佐用姫については Wikipedia あたりを参照してほしい。私はまったく知らなかったのだが、6世紀の人にもかかわらず地元ではわりと有名らしい。

鏡山の頂上から船を見送っている姿だと思うが、アップで見ると目が飛び出しているように見える。

こういう天気だというのに、公園内を散策している家族連れは意外と多かった。唐津市民の憩いの場になっているようだが、しかしながらこの人たちは先ほどの道祖神のことは知らないと思う。

近くに住んでいる人でもない限り、佐賀県唐津市はそうそう行く機会のない町だと思うが、興味があれば立ち寄ってみてほしい。あの道祖神は本当に素晴らしいので、遠くからでも訪れる価値はあると思う。私も、次は天気のいい日に再訪したい。

(2011.9.18)