カンボジア&タイ旅行記(ワットムアン – 3)

このページには、ワットムアンでもっとも広いエリアが使われている(つまり、もっとも力が入れられている)地獄風景について載せることにする。もっとも、ここに載せている他にも大量のオブジェがあるので、全部見たい人は直接ワットムアンを訪れてほしい。

まずは青い種族と茶色の種族の戦闘風景。

青い種族には尻尾がある。それぞれどういう種族なのか、タイの人には分かるのかもしれないが私はさっぱり分からない。ここで気に入ったのは、青い種族の首を茶色の種族が絞め、さらにその首を青い種族が絞め、そこに茶色の種族がキックボクサー並みの見事なキックを決めるという同時攻撃風景。

茶色の種族が尻尾をつかんでプロレス攻めをしている場面も好き。

こちらは、前に立つ女性の顔がこんなになっている。最初に見たときはぎょっとした。こんな顔は普通の人間には思いつかない。

一番、唖然とした風景がこれ。君はいったい何を食べようとしているのか。このすました顔がなんとも。

大きな鍋に亡者を投げ込んでいる獄卒たち。

獄卒の無表情ぶりと、逃げ出そうとしている亡者の表情が面白い。

以下、あまりにも地獄風景がたくさんありすぎて説明するのが大変なので写真を並べておく。のこぎりで挽いたりローラーで潰したり万力で挟み込んだりと責苦はバラエティに富んでいるが、どの場面でも獄卒は無表情。淡々と仕事をこなしている感じがなかなかいい。しかしどれも痛そうですねえ。

地獄エリアの一画に、どうしても見たかったものがある。それが下の写真に写っている「トゲトゲの木」。

トゲトゲの木のアップ。タイの地獄風景では定番のモチーフらしいが、以前訪れたワットプートウドムにはなかったので、見るのは今回が初めてになる。

相変わらず無表情の獄卒に槍で突き立てられ、さらに犬にも吠えられて亡者が木に登らされている。木の高さは、先ほどの巨人像と同じくらい。

近くで見ると木の造形もよくできているし、他の場面では服を着ている亡者たちも、なぜかここでは全裸なのが面白い。下から見上げると股間が見えたりする。

この後、地獄内をしばらく散策したが、しかしまあ呆れるほどのオブジェの山。あまりの密度に圧倒される。ネタを思いつくたびに次々と作っていったのかもしれないが、しかしよくこれだけの責苦を考え出したものだ。作者の力量に感服し、もう言葉も出ない。

地獄の後は、最後に大仏エリアが残っている。そちらは次のページで。