国内旅行編(北海道 / 北浜駅、知床斜里駅)

札幌で1泊した後、いよいよ今回の旅行の主目的地、道東の網走へ移動する。今まで北海道は札幌と釧路と苫小牧しか滞在したことがないので、オホーツク海側は初めてになる。流氷が来てくれていることを願いながら網走へ向かった。

流氷特急 オホーツクの風

朝7時半にホテルを出て、札幌駅へ。網走までは「流氷特急 オホーツクの風」という列車で移動することにしていた。網走までは指定席特急料金を含めて約1万円かかるが、こういう快適な移動もいいものだと思う。(10年前だったら「各駅停車を乗り継いで丸1日かけて…」などと考えるところだが、最近は快適さを金で買うようになってきた)

こちらが札幌駅に停車中の「流氷特急 オホーツクの風」。観光用の列車で、車窓風景がよく見えるように座席の位置が高くなっている。

隣のホームには稚内行きの特急「スーパー宗谷」も停車していた。いつかこの列車で稚内へ行き、宗谷岬を見てみたいものだ。

朝7時55分に札幌駅を出発。網走までの所要時間は5時間半で、車窓風景はずっと一面の雪景色。九州在住者としては感動的なもので、ずっと眺めていても飽きない。

旭川などの都市部以外は、人が住んでいるような気配が全くしない景色が続く。ときどき現れる駅の周辺だけは人家があるが、これらの集落は周囲から完全に孤立したような形になっている。多分、これらのコミュニティ内では人間関係は相当に濃密になっているような気がする。(単に私の想像なので、違っていたらすみません)

車両は天井付近も窓になっているので、車内はかなり明るい。

途中、遠軽駅で紋別方面へ向かう人たちが多く降りていった。この駅で進行方向が変わり、午後1時20分に網走に到着した。長い移動だったが、景色を眺めていると本当に飽きないので、まったく疲れなかった。網走へ行く際は、この特急列車はお勧め。

北浜駅

特急列車は網走までだが、乗車券は知床斜里駅まで買ってある。これはオホーツク海に沿った釧網本線に乗ってみたかったからで、途中にある北浜駅で途中下車することにしていた。

網走から各駅停車に乗り、15分ほどで北浜駅に到着。

ここは「オホーツク海に一番近い駅」として有名なので、知っている人も多いと思う。ホームからはオホーツク海が一望できるが、そちらは後で行ってみることにして、まずは外に出て駅舎を眺めてみた。ひなびた雰囲気がなかなかいい。

駅舎の横に観光客向けの展望所が作られていて、上がると目の前に海が広がっていた。

流氷が接岸しているときは氷で埋め尽くされている景色を見ることができるそうだが、今回は残念ながら接岸はしていなかった。遠くのほうに少し氷が浮いているだけだが、それでもかなりきれいな景色といえる。

そして、ここからは知床連山も眺めることができた。写真ではあまり迫力は伝わらないかもしれないが、実際に見ると本当にきれい。ちょっと大げさにいえば「日本人なら一度は見てほしい景色」という気がする。

では、線路を渡って海沿いへ出てみることにする。

海沿いの風景。氷で埋め尽くされていたら絶景なのだろうが、そううまくはいかなかった。まあ、それでも海岸線まで雪と氷で埋まっている景色はきれいなもの。

地面を見ると、ハート型の氷があった。自然はときに面白いことをする。

しばらく海沿いを歩いた後、駅に戻るとやがて観光列車のノロッコ号がやってきた。北浜駅にはしばらく停車するので、みんな降りてきて展望所に上がったりしている。実は網走からノロッコ号に乗ることも考えたのだが、それだと北浜駅周辺を歩く時間が短すぎるので、今回は諦めた。せっかく北浜駅へ来たのだから、海の近くまで歩いてみないと物足りない。

ここからノロッコ号に乗って知床斜里へ移動してもいいが、もう少し北浜駅を見たかったのでノロッコ号は見送った。

北浜駅の中はこの通り、全国から来た観光客の名刺で埋め尽くされている。私も自分の名刺を貼ってきたので、今でも行ってみたら見つかるかもしれない。興味のある人はどうぞ。

観光客が残していったものは名刺がほとんどなのだが、中には写真を貼っている人もいる。その中で目立っていたのがこの人。どこから来た人かは知らないが、まあ目立ちたがりなんだろう。実際はどんな人なのか、直接会ってみたい気もするが。

ちょっと名残惜しかったが、次の列車で知床斜里へ向かうことにした。なかなかいい雰囲気の駅だったので、いつかまた来てみたい。

知床斜里駅

北浜駅から30分ほどで知床斜里駅に到着した。知床観光の拠点になる駅だが、駅舎は新しいものの駅付近は意外と閑散としていた。駅前にコンビニが1軒あるだけ。

知床斜里駅で一番感動した景色がこれ。自転車が雪に埋もれている。いいですねえ、この景色。

駅から10分ほど歩くと土産物店があったので「さんまぼろぼろ」というサンマとごぼうとニンジンを煮込んでフレーク状にした食品を買ってみた。ご飯にのせて食べるとかなりうまい。

次第に薄暗くなってきたので、これで知床斜里駅に戻った。駅前にはオジロワシ像がある。

知床斜里駅から見た斜里岳。山頂が雲に隠れているが、それでも雄大な眺め。

この後、網走行きの各駅停車で網走に戻った。網走駅は市街中心部から少し外れているらしく、駅前は閑散としている。駅近くに1軒だけあったファミリーレストランで夕食にし、この日は駅近くのホテルに宿泊。

(2012.2.4)