国内旅行編(沖縄 / 波照間島・前編)

朝10時に長崎空港を出発し、11時半に那覇空港に到着した。夕方の便で石垣へ向かうので、それまで自由時間がある。

首里城を見るには時間が足りないような気がするし、漫湖公園も前回の旅行で見たので、ゆいレールで「おもろまち」へ行ってショッピングセンター付近を散策するだけにしておいた。さすがに沖縄は暖かく、周囲はTシャツの人も多い。フードコートでジューシー(沖縄風炊き込みご飯)と沖縄そばを食べた後、空港に戻った。

午後4時すぎに那覇空港を出発し、2年ぶりに石垣島に到着した。


予約してあるホテルは空港への送迎を行っているので、電話して迎えに来てもらった。今回宿泊したのは石垣港の近くにあるチューリップ石垣島というホテルで、建物も新しく快適に滞在できた。それに、離島ターミナルへ歩いて行けるのがいい。

夕食は、石垣市街の小さな食堂で豆腐チャンプルー定食とオリオンビールを注文してみた(普段は酒は飲まないが、旅行中はときどきビールを飲んだりする)。料理を作っている主人が全く愛想がなく、客に対してぶっきらぼうに対応しているところ(こう書くと、どの店かわかる人もいるかもしれない)がむしろ新鮮で、料理は十分にうまかった。


翌日の朝、離島ターミナルへ行き波照間島へのチケットを購入した。値段は往復で5,700円。今回は日帰りだが、波照間島ではキャンプや野宿は禁止されているので、もし宿泊するならあらかじめ宿泊先を予約しておかないといけない。かつてはキャンプOKだったそうだが、2000年に不幸な事件があり、禁止されたという。このため「行けば何とかなるだろう」という気持ちで宿泊先を決めずに島へ渡ってはいけない。

下の写真の船が波照間行きで、この船に乗るものと思っていた。ところが、ツアーグループらしい人たちが乗り込んだところで「他の方は大原港経由になります」ということで別の船に振り替えられてしまった。事情はよくわからないが、この直行便はツアー専用で運航されるらしい。というわけで隣に泊まっていた西表島の大原港行きの船に乗り、出発した。

40分ほどで大原港に寄港し、8割ほどの乗客が下りて行った。2年前の旅行でここを訪れたときは仲間川クルーズに乗ったりしたので、なんだか懐かしい。大原港から波照間島までは、石垣島から西表島までとは違って外洋に出るため船の揺れは格段に大きくなる。飛び跳ねるような揺れが続き、ようやく波照間島に到着した。私は大丈夫だったが、船に弱い人にとってはつらい船旅かもしれない。

防波堤に描かれている「ようこそ、最南端の波照間島へ」という絵を見ながら入港し、島に上陸した。船を下りたときは「とうとう最南端に来てしまった」という感動的な気分になる。本当に、よくこんな最果ての島に来たものだ。

旅客船ターミナル前には各民宿の送迎車が並んでいて、予約している人がそれぞれ乗り込んでいる。自転車のレンタルをやっている民宿も多いので、今回は「西浜荘」の送迎車に乗り、すぐ近くにある民宿に移動した。ここで自転車を借り(料金は1日1,000円)、 島の周遊に出発。(この西浜荘という民宿だが、旅行後に調べたところ宿泊者は白米が食べ放題らしい。個性的な民宿だ)

まずは、港の近くにあるニシ浜へ。やがて遠くに砂浜が見えてくる。

それにしても、近くまで来たときはあまりのきれいさに感動した。自転車を停め、東屋のような休憩所から眺めてみた。

いやあ、素晴らしい。日本にこれほどきれいに光っているビーチがあったとは。まだ小笠原などに行ったことがないので比較はできないが、それでも日本一きれいなビーチと言ってしまっていいのではないだろうか。

このときはウェットスーツを着てシュノーケリングをやっている人が1人いたが、オフシーズンなので他に泳いでいる人はいなかった。

ここは島の北側だが、島の南側は波が荒くて遊泳禁止なので、泳ぐことのできるビーチとしてはここが日本最南端になる。(ニシとは島の方言で北という意味)

波打ち際まで近づいてみた。この景色に言葉はいらないだろう。

30分ほど海を眺めながら休憩したが、本当に素晴らしい場所だった。今はシーズンオフで人が少ないので、特にきれいに見える。夏になれば海水浴客が増えるのだろうが、本土から簡単には行けない最果ての島なので、浜を埋め尽くすほどにはならないと思う(多分)。次は夏にここで泳いでみたい。


ニシ浜を後にして、最南端碑がある島の南部へ向かう。島の中心部は小高くなっているが、そこを過ぎると遠くに海が見えてくる。典型的な「南の島」という感じの風景。

やがて海沿いに到着したが、ここはまだ最南端碑付近ではない。先ほどのニシ浜と違って、かなり波が荒いのが分かる。海面まで下りていく道はなさそうなので、しばらく周囲を走った後、最南端碑へ向かうことにした。

それにしても、この付近から最南端碑へ続く道路は2車線で立派な歩道と街路樹付きという周囲とは不釣合いなくらいに金のかかったものだった。いったい誰が歩道を使うのかと突っ込みたくなる感じで、こういう景色を見ると離島における公共事業の比重の高さを考えさられる。公共事業が収入源という事情も分からなくはないが、これでいいのかという気もする。まあ、島民ではないので文句を言う筋合いもないのだが。


では、いよいよ最南端碑へ。2車線の立派な道路から外れ、道路脇に自転車を置いて少し歩いたところに最南端碑がある。わりと有名な観光スポットだと思うのだが、このとき最南端碑付近にいたのは10人ほどで、閑散としていた。有名スポットといっても本土からは相当に遠いので、ここまで来る人はそう多くはないだろう。それに、周囲がまったく観光地化されておらず、売店すらないのはすごいと思う。

(注)日本の領土としての最南端はもちろん東京都に属する沖ノ鳥島。しかしながら沖ノ鳥島は一般人が行けるような場所ではないので、通常訪れることのできる最南端は波照間島になる。

その「本当の日本最南端」の沖ノ鳥島だが、私はかつてそこへ行ったことがある。といっても上陸したわけではなく船で周囲を2周しただけだが、このときの写真については当サイト内の「1992年 遠洋航海」のページを参照。

こちらが1995年建造の日本最南端平和の碑。ここには「最南端碑」が3つあり、その中でもっとも立派なもの。

少し歩くと、あと2つの最南端碑が見えてくる。「日本最南端之碑」と刻まれた簡素な碑が、最初に作られたものになる。Wikipedia によると「沖縄返還前の1970年、北海道から日本縦断の旅を敢行した学生が、旅の終着点として到達した当地にアルバイトで稼いだ費用を投じて建設したコンクリート製の記念碑」だという。

隣りにある日の丸が描かれたものは、1985年に神道系の団体が建てた碑。隣り合っているが、2つの最南端碑に関連はない。

最南端碑付近から周囲を眺めてみた。本当に何もないのが分かると思う。広々とした景色を見渡すと気分がいい。

最南端碑の他、ここには「波照間之碑」というものがある。

これは沖縄返還を記念して作られたものだそうで、日本の47都道府県から集められた石を敷き詰めた歩道になっている。北海道から順番に並んでいるので、端から端まで歩いてみた。

ここが日本最南端の東屋。少し休憩してみた。

周囲には特に立ち入りを制限されているような場所はないので、自由に歩き回ることができる。下の写真の岬が、おそらく本当の日本最南端だと思うので行ってみることにした。

上の写真から推測できると思うが、島の南側はかなりの荒波が打ち寄せている。こんなところで泳いでいたら体がバラバラになりそう。

隆起サンゴ岩なので足場はあまりよくないが、ともかくも岬の先端にたどり着いた。この先はフィリピンまで陸地はない。ここで「自分が今まさに日本最南端にいる人間になっている」と感じるのは、なかなか気分のいいもの。

先端で自分の足先が写るように写真を撮ってみた。

先端からの島の眺め。島の南側はこんな感じの崖が続いているのが分かる。

この後、30分ほど周囲を散策してみた。ときどき自転車やバイクで観光客がやってくるが、それほど多くはない。私はまだ行ったことはないが、北海道の宗谷岬はかなり観光地化されているという話なので、そこと比べると対照的だと思う。のんびりとした気分を堪能でき「来てみて本当によかった」と思える場所だった。このページの写真を見て「自分も行ってみよう」と考える人が現れたら嬉しい。

日本最南端碑付近からは、近くに天文台が見える。続いて、そちらへ行ってみた。

正式には「波照間島星空観測タワー」といい、日本最南端の天文台として夏の間は南十字星を観測できることが売りになっている。ちょうど昼休み時間ということで閉まっていたので、中には入らなかった。おそらく、この中のトイレが「日本最南端のトイレ」ということになると思う。

かなり長くなったので、波照間島の他の風景については次のページに載せることにする。

(2012.3.17~18)

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