ポルトガル旅行記(サグレス / サン・ヴィセンテ岬)

サグレスの北西にユーラシア大陸最南西端のサン・ヴィセンテ岬がある。先端に灯台が建っていて、要塞があるサグレス岬よりも最果て感の強い場所だった。


サグレス要塞からサン・ヴィセンテ岬が遠望できる。岬までの距離は約6キロで、歩いて訪れた旅行者もいるようだが、私は自転車がないととても行く気にならない。

サグレス要塞を出発して、一直線に北に続いている道路を走る。かなり絵になる景色だが、向かい風が強いので自転車で走っていると疲れる。(もっとも、帰りはずっと追い風なので非常に楽だったが)

途中、眼下にきれいな砂浜が見えた。外洋に面しているので遊泳には向かないと思うが、夏にはここでマリンスポーツをする人がいるのだろう。

少し走ると建物の廃墟が見えてきた。入れそうだったので、少し迷ったが入ってみることにする。

建物は壁しか残っていないが、石組みはわりと規模が大きかったので昔の城砦の跡かもしれない。崖の下に広がっている海の眺めもきれい。

やがて道路の先に灯台が見えてきた。この道路は灯台が終点で、そこで行き止まりになっている。それにもかかわらず道路は立派なもので、この灯台が観光資源になっていることがよくわかる。

では、近くに自転車を停め中に入る。ここでは入場料等は必要ない。

中には小さな土産物店とカフェがあり、アイスクリームを食べながら少し休憩。それほど広くはないが、景色がいいので周囲を眺めていると気分がいい。もっとも、ここは岬の先端が灯台の敷地内になっていて、入ることはできない。本当の先端に行くことができないのは残念。

灯台の巨大なレンズをアップで撮ってみた。

カフェの横に小さな博物館があり、1.5ユーロを払って入ってみた。展示品は多くはないが、個人的に地図を見るのが好きなので大航海時代に使われていた各種の世界地図などは興味深い。後は、ポルトガル海軍の艦船を紹介するビデオ映像が面白かった。船が好きなら入って損はない博物館だと思う。

この後、周辺をしばらく歩いてみた。夕方なので、どの位置から灯台を撮っても逆光になってしまうのが残念。灯台の写真を撮りたい人は午前中に訪れるといいかもしれない。

この場所に来てみてわかったが、この岬はサイクリングロードの起点ということになっているらしく、自転車のモニュメントがある。モニュメントの横に立てかけているのがサグレスでレンタルして乗ってきた自転車。

灯台近くの道路沿いには、こういう屋台がある。そして、余った食料を狙ってハトが集まってきている。この旅行のときは、ハトの群れを見て「ちょっと面白い景色」くらいにしか思わなかったが、この1年後にハトに対する見方が変わることになった。

この旅行の翌年の2013年、築12年の中古マンションを購入して引越したのだが、転居後にベランダのハト対策がものすごく大変ということがわかった。一言で言えば、ハトは非常にしつこい。私が住むまでしばらく空き部屋だったこともあり、ベランダを自分の巣と思っているペアがいて、どれほど追い払ってもやってくる。巣を撤去して糞を洗い流すという作業を朝と夕方の2回繰り返したものの、ハトはなかなか諦めない。バトルは1ヶ月以上続いたが、ベランダの一部を金網でふさぎ、金網の端を手すりの上に立ててハトが止まれないようにしたところ、ようやく勝利を収めることができた。

ハトとのバトルを通して、ハトは近くで見ると意外と不気味で、羽ばたきの音が非常に気になるということがわかった。今はハトはベランダに来なくなったので、ハトで悩んでいる人は「手すりに止まれないようにする」ということを試してほしい。これだけで、かなり効果がある。

すみません。後で考えてみたら、これはハトではなくカモメでした。しかしハトは相変わらず大嫌いなので、この文章はそのままにしておきます。ちなみに、カモメには嫌悪感はありません。

個人的な話はこれくらいにして、下の写真がサグレス岬の遠望。

サン・ヴィセンテ岬には1時間ほど滞在し、サグレスへ戻った。


サグレスの町に戻り、しばらく自転車で散策してみた。町外れにあるのがバレエイラ港で、ここがラゴスからのバスの終点になっている。まあ、典型的な漁港。

町中のちょっとした路地の様子。

この後、ポザーダ・ド・インファンテという高級ホテルの周辺などを散策し、夕方5時に自転車を返却した。

いったんプライベートルームに戻って少し休憩した後、夕食のため外出して食事できそうな場所を探してみた。街灯が少ないので町中が暗く、今はオフシーズンなのか観光客もほとんど歩いていない。開いている店も少なかったが、レプブリカ広場に面して CONCHINHA というレストランがあった。

中に入ると、他に客はいなかった。ここではポルトガル滞在中に一度は食べてみたいと思っていたシーフードリゾットを注文してみた。さすがにポルトガルの名物料理だけあって、これはかなりうまい。ポルトガル旅行中に一度は食べてみてほしい。

シーフードリゾットと、食後に注文したコーヒーとプディングの写真を撮ってみた。

夕食後、少し散策しようと思ったが、町中が暗いので諦めた。もっとも、小さな町なので暗い中を歩いていても危なそうな感じはまったくしない。

夜9時にプライベートルームに戻り、シャワーを浴びて夜11時に就寝。