キルギス旅行記(ビシュケク / サーカス)

今回のキルギス旅行最後のイベント、ビシュケクのサーカスに入ることになった。今回の旅行ではトクマクでもサーカスを見たが、こちらはさすがに首都のサーカスだけあってレベルが違っていた。さらに嬉しいことに写真撮影可だったので、このページにはサーカスの風景を載せることにする。


サーカスは旧ソ連地域では盛んだそうで、ウズベキスタンのヒヴァ、キルギスのトクマクに続いて3回目の鑑賞になる。今までの2回が地方都市のローカルなサーカスだったのに対し、今回は規模の大きな首都のサーカスなので、さすがに建物もテントではなくちゃんとしたスタジアムになっている。

さらに建物の前には馬がいたりバンドの演奏があったりする。露店でポテトチップとジュースを買い、中に入る。

チケットを見せて中に入ると土産物店などが並んでいた。ここは後で見ることにして、まずは観客席へ。

座席は全席指定で、チケットには座席番号も書かれているのだが、場所がよくわからない。一応、座席の背には番号が書かれているものの、文字自体が小さい上に薄暗いので近づいてもほとんど見えない。

ところどころに立っている女性スタッフにチケットを見せても、すべてロシア語で答えてくるのでまったく理解できない。スタッフの指差す方向を探し回った結果、ようやく目当ての番号を見つけることができた。

しかし自分の席を見つけるのがこんなに大変とは思わず、座ったときはほっとした。

午後4時に開演。最初は今までのサーカスでも見たような演目が続くが、さすがに動物のグレードが上がっていて、熊やチーターが芸をしていたり、ラクダが疾走していたりする。団員のアクロバットもこれだけ空間が広いと迫力があるし、かなり面白い。

開演して1時間以上経った頃、団長らしい人が何か挨拶すると周囲の人たちが立ち上がって客席の外へ出て行った。もう終わったのかと思ったが、実はサーカスは2部構成で、その間の休み時間だった。

休み時間の間に観客席の前に柵が作られていく。

「もしかして猛獣用の柵か?」と思っていたら第2部ではトラが出てきた。今までに見た2回のサーカスでは動物関係は本当にしょぼかったので(猿とプードルくらい)、ようやく本格的なサーカスを見たという気持になった。

トラだけでなく、第2部はかなり本格的なサーカスだった。やはり首都のサーカスはレベルが違う。特に感動したトラの火の輪くぐりとタンザニアン・ボーイズのファイヤーリンボーダンスの動画を、開演前の風景と合わせて載せておく。

トラの尻尾に当たって火の輪がうっかり倒れてしまうというハプニングが面白い。

さらに2頭の象が登場。これは迫力がある。さすがにこの時は大きな歓声が上がっていた。

すべての演目が終わると、最後は動物たちとの記念撮影。象も奥の方にいる。

途中の20分間の休憩を含んで2時間40分のサーカスだったが、かなり楽しめた。ビシュケクに滞在する際は一度はサーカスを見てほしい。地方都市のテントで開催されている移動式サーカスと比べてもレベルの高さに驚くはず。(もっとも、地方のサーカスもそれはそれで楽しめるのだが)

観客席を出て土産物店が並んでいる通路へ行くと、こちらには団員たちと記念写真を撮るコーナーがあった。一番人気はやはりタンザニアン・ボーイズで、しかしどういう縁があってタンザニアからキルギスへ来たのだろう。

サーカスの土産物も見てみたが、安いものにはかさばるものが多く、持ち帰れそうなものには高価なものが多いという感じだったので結局何も買わずに外に出た。


サーカスを出て、市街中心部にあるアラ・トー広場周辺まで歩いてみた。しかし旧ソ連の町というのは、どこも道路がだだっ広く作られているので渡るときに苦労する。下の写真は国立歴史博物館をバックにした騎馬像。

夕食は前日と同様にツム百貨店付近のケバブにした。その後、ホテルへ戻る途中にこういうモニュメントがあったので立ち寄ってみた。

ここは「勝利広場」という場所だそうで、中心では火が燃え続けている。おそらくは第2次世界大戦の慰霊碑だと思うが、若者たちは特に気にしていないようで、火に紙などを投げ込んで遊んでいる。その様子を微笑ましく思いながら、しばらく眺めてみた。

夜8時半、ホテルに戻った。キルギス最後の夜は11時半に就寝。


キルギスを出発する日は、朝6時半に起床。ホテルから遠くの山々を眺めてみた。

ホテルをチェックアウトし、フロントでタクシーを呼んでもらって7時半に出発。今回はあまり人気のない旧ソ連型ホテルにあえて宿泊してみたが、別に悪い感じはしなかった。ちょっと薄暗いところも見方によってはいい雰囲気だし、話の種としてもお勧め。

30分ほどで空港に到着し、中国南方航空のカウンターでチェックインを行った。その際、デルタ航空のマイレージカードを見せてマイレージの加算を行ったところ、一緒にラウンジのインビテーションカードを渡された。一応、私はデルタ航空のシルバーメダリオン会員なので、そういうことでラウンジに入れるらしい。(デルタ航空に乗ったのは2009年のパナマ出張だけだが、スカイチームの中国東方航空や大韓航空のフライトで7万マイル以上が貯まっている)

出国後、ラウンジへ。出発が早かったためホテルで朝食を取れなかったので、ここで朝食にした。

ラウンジに入ってくる人は他に誰もおらず、貸切り状態だった。ちょっとした特権階級気分。

やがて搭乗が始まったので、ラウンジを出てゲートへ。飛行機の窓からはキルギスの Avia Traffic 機やロシアのヴォルガ・ドニエプル航空機が見えた。いつか、こういう飛行機にも乗ってみたいものだ。

9時20分に離陸。今回は人里離れた山奥までトレッキングをやったり、イシククル湖畔では予想外のB級スポットに遭遇したり、フランス人と飲み会をやったり、警官の検問に遭遇したり、2ヶ所でサーカスを見たり、かなり内容の豊富な旅行だった。いつかこの国を再訪したいものだが、はたしてその機会はあるだろうか。

飛行中も雪に覆われた山々を眺めることができる。

山奥にある湖も眺めることができたが、形から見てイシククル湖ではないと思う。アルティン・アラシャンからさらに山奥までトレッキングをやれば、こういう湖も見ることができるのだろう。

乗り継ぎ地のウルムチまで、きれいな景色を楽しむことができた。こちらもかなり興味深い滞在になったウルムチ編については、次のページで。