国内旅行編(広島 / 大聖院)

高知県の四万十で4日連続40℃超えを記録した日(書いてみて気づいたが、4が3つ揃ってフィーバーしている)、私は出張で広島に滞在していた。

出張最終日は午後から自由時間だったので、この猛暑の中、有名観光地の宮島へ行ってみた。といっても目的地は厳島神社ではなく、その近くにある大聖院という寺院になる。


宮島口からフェリーで宮島へ渡る。後述する理由で「みやじま丸」に乗りたかったのだが、タイミングが合わず、乗ったのは「ななうら丸」。フェリー乗り場に観光客向けの大きな氷柱(ただし 三ツ矢歌子 は入っていない)が立てられるほど、屋外はサウナにいるような暑さだが、客室内は冷房が効いて快適。

10分で宮島に着き、ターミナルを出ると猛暑の中を観光客が歩いている。

この暑い中、よく観光する気になるものだと思うが、まあ先へ進むことにする。実はここへ来るまでまったく知らなかったのだが、ここは鹿が歩いていた。観光地に鹿がいるのは奈良公園くらいと思っていただけに、これは意外だった。

歩いているといっても、この暑さなので日陰でぐったりしているのが多い。

海を眺めていると、乗りたいと思っていた「みやじま丸」が近づいてくるのが見えた。

なぜ「みやじま丸」に乗りたいと思ったかというと、実はこの船には設計段階で少し関わっているため。多くは説明しないが、船の建造前に必要な計算書のうちのいくつかは、私が作成している。こういう縁に加えて、この船は進水後にもいろいろとトラブルがあったこともあり(私の所掌範囲ではないため、私の責任ではない)、いつか乗ってみたいと思っていた。

なお、トラブルといってもあくまで建造に関することであり、運航にはまったく関係ないので心配しないように。今は何の問題もありません。

みやじま丸が通り過ぎていくのを見送ると、対岸の山の中腹にひときわ目立つ建物があった。

実はこの建物にも興味はあったのだが、今回は行く時間がない。ここは鹿児島の「宝台(ムー大陸博物館)」と「涅槃城」を運営している宗教団体がやっている 海の見える杜美術館 という施設になる。信者でもないのに宝台と涅槃城を訪れた者としては、もうひとつのスポットも制覇したいところだが、今回は仕方がない。

なお、ムー大陸博物館と涅槃城の訪問記については当サイトの国内旅行編を参照してほしい。

では、鳥居をくぐり、厳島神社へ向かう。

少し歩くと、あの有名な厳島神社が見えてくる。ここへ来たのは初めてなので、海中の大鳥居を見ると少し感動。

しかしながら、神社に入るのに拝観料が必要ということは、ここへ来て初めて知った。高い金額ではないが(300円)、しかし盆の期間なので観光客が多く、長い行列が出来ている。これを見て中に入る気力をなくし、まずは大聖院へ行くことにした。

ちょっと間抜けな馬に見送られながら、先へ進む。

眠ったように静かな住宅街の先に、目指す目的地がある。しかし暑い。

やがて目的地の大聖院に到着した。予想よりも立派な山門(ちゃんと仁王像もある)に感動。

宮島に着いたときから外国人観光客が多いことに驚いていたが、この山門の前に座ってガイドブックを見ていた人も外国人で、宮島がこんなに人気の観光地とは知らなかった。

山門をくぐると、石段がある。真ん中の手すりに小型のマニ車が取り付けられているので、右回りに回しながら石段を上がる。

石段の途中に目的の物件を発見。これらの物件のおかげで、ここがB級スポットマニアの間で有名な珍寺になっているわけだが、しかしいいんでしょうかね。カッパは著作権がないから問題ないと思うものの、アンパンマンの作者はこの辺はうるさくないのでしょうか。

ときどきやってくる観光客も、これには大笑いしている。後述するように、この寺にはダライ・ラマ法王も来たことがあるのだが、これらの石像についてはどう説明したのだろう。

石段を上りきり、風鈴の下で休憩。

近くの岩の上に、石の小僧がいた。

この寺院には、岩陰や木の根元など、あちこちに小僧がいる。表情が面白かったので、気になったものを写真に撮ってみた。本を読みながら寝ているのが個人的にはお気に入りだが、しかし目を見開いてバーベルを持ち上げている小僧というのは意味がよくわからない。

しかしこの寺院、あちこちに隠れている小僧を見ながら歩くだけでも、かなり楽しめると思う。

そして、これらの小僧に混じって、なんとも衝撃的な姿が。

いいんですかね、これ。父と母が揃っているのはいいのだが、あのプロダクションは著作権にはうるさくないのだろうか。

さらには、こんな姿まで。もう言葉も出ない。

こちらは「あなたの愚痴をお聞きします」という愚痴聞き地蔵。今のところ、私は幸いにも愚痴はあまり持ってないので、ここはスルーしておいた。年に3回ほど海外へ行けるし、月に1回ほどダイビングで海に潜れるのだから、多くは望まない。

さらに寺院の奥へ進む。

この階段の下に遍照窟(へんじょうくつ)という空間があった。四国八十八ヶ所の砂を敷いたお砂踏み場なのだが、キャバレーみたいで豪華絢爛。せっかくなのでひと回りし、手軽に八十八ヶ所めぐりをやってきた。

階段の上のお堂の周りには、たくさんの絵馬が掛けてあった。寺院や神社へ来ると、絵馬を見るのが楽しみのひとつになっている。というわけで、ここで見かけた絵馬を以下に並べておく。

うふうふ。

あの矢口?

よくここまで望みを並べられますね。

最後の2つが庶民的。

頑張ってください。応援します。

と思ったら返済した人がいた。よかったですね。

さらにはこんな人まで。おめでとうございます。

微妙に日本語がおかしいところがいい感じ。「生み出すように」って。

ナンパ目的で来たんですか?

しかし、最近は絵馬がたくさん掛かっているところに長時間居座って、下の方の絵馬までひっくり返しながら写真を撮るのが毎度の作業になっている。寺院の関係者から怪しまれているような気がしなくもない。

大きな観音堂は、上の階まで上がることができた。そこからの眺め。

観音堂に貼ってあったポスター。最近(2013年当時の話)、広島へ行ったことのある人なら知っていると思うが、広島出身のタレント有吉弘行が「おしい!広島県」という自虐的なPRをやっている。それに関連して、広島出身のタレント(アンガールズなど)のポスターがあちこちに貼ってあった。しかし公式サイトまであったのはびっくり。(ただし現在は消えているようです)

最初に見たときは八名信夫かと思ったが、この人は俳優の「河原さぶ」。

もっとも、私はテレビドラマはほとんど見ない人間なので、河原さぶと聞いて思い出すのは みだらな喪服の美女 くらい。(余談だが、このドラマに出ている当時20代の杉本彩は、それはそれはきれい。このドラマを見る機会があれば、杉本彩だけを見ていればいい。演技は度外視で)

観音堂の中には、ダライ・ラマ14世の写真と、砂で作られた大きなマンダラがある。Wikipedia によると、2006年に「宮島・弥山の開創1200年を記念してダライ・ラマ14世による弥勒菩薩の開眼法要が営まれた」という。その時にダライ・ラマ14世がこの寺院へ来ているわけだが、寺院内のなんとなくB級スポット的な雰囲気については、法王はどう思ったのだろう。

さらに、観音堂には住職と朝青龍の記念写真もあった。モンゴルとはどういうつながりがあるのだろう。

観音堂を出て、さらに散策。こちらは、なんだか艶かしいカッパと、眉毛が異常に長い羅漢さん。眉毛が長く伸びるというのは、香港の萬佛寺でも見たことがある。

こちらは五百羅漢の通路。どれも凝っていて面白い。

これで境内を一通り見たので、無料サービスの冷たいお茶を飲みながら、ベンチに座って休憩。宮島という世界的な観光地にあり、訪れる観光客もわりと多いというのに、微妙にB級スポットのテイストが漂うところが面白い寺院だった。宮島へ来て、厳島神社しか見ないのはもったいない。ぜひ、近くにある大聖院も訪れてみてほしい。


大聖院を後にして、フェリー乗り場方面へ戻る。厳島神社は、相変わらず長い行列が出来ていたので、入るのは諦めた。宮島へ来て厳島神社を見ずに大聖院だけを見る観光客というのも、珍しいかもしれない。

露店でスムージーを買ってしばらく休憩していると、目の前を外国人観光客が次々と歩いていく。宮島がこんなに人気の観光スポットとは初めて知った。

土産物店で「牡蠣のうま煮」を買ってから、フェリー乗り場へ。帰りは、タイミングを合わせて「みやじま丸」に乗ってみた。多少とも自分が関わった船に乗るのは、なんとも感慨深いもの。これからも長く運航を続けてほしい。

みやじま丸を下船し、市電で広島駅方面へ戻った。猛暑の中の宮島観光は、これで終了。

(2013.8.13)