タイ旅行記(バンセーン)

今回のタイ旅行の目的地だったワットセーンスック、道徳天霊宮、サラ・ルーシーの3ヶ所の訪問を終え、後は翌日の午後までバンセーンに滞在した。

タイ庶民のビーチリゾートで、特に観光地もないため外国人旅行者はほとんど訪れることのない町だが、意外と居心地はよかった。このページではバンセーンビーチと街中の様子を載せることにする。


バイクタクシーでビーチ沿いの大通りに戻り、ビーチへ移動。すでに夕方なのでビーチパラソルは店じまいを始めている。

ビーチも閑散としているが、まだ泳いでいる人もいる。しかしこの茶色い水の中によく入れるものだと思うが、まあ大きなお世話かもしれない。

そして、バンセーンビーチといえば、やはりこれ。この浮き輪があちこちの露店に大量に積み上げられているのを見ると本当に笑ってしまいそうになる。これほど脱力感にあふれた光景も、そうはないだろう。

世界奇景遺産にも推薦したいような景色を見るためだけでもバンセーンへ行く価値はあると思う。


この後、いったんゲストハウスに戻って休憩し、夕方6時半に外出してバンセーンの街中へ歩いてみた。バンコク方面へのバス乗り場とバンセーンビーチを結ぶ大通りがバンセーンの中心部だと思う(多分)。

コピーして持ってきていた「アジアの雑誌」記載の地図を見ると、バンセーンビーチからバス乗り場までは約2.5キロで、ちょうど真ん中あたりに大きなデパートがある。とりあえず、その付近まで歩いてみることにした。

土曜日ということもあって、とにかく人通りが多い。横断歩道がない交差点も多いので、歩行者など気にしていない車に注意しながら大通りを進む。やがて Laemtong(レームトン?)というデパートが見えてきた。

東南アジア諸国はどこも発展著しいが、その象徴がこういう大型デパートやショッピングモールという気がする。人によっては、どこへ行っても同じような眺めになってしまうので味気ないと思うかもしれないが、私はこういうところを散策するのは楽しい。

しかしデパートの前にたくさんの露店が出ているところは日本とは違うと思う。

では店内へ。エスカレーターで最上階まで行ってひと回りし、そのまま1階まで下りてきた。最上階にフードコートがあったが、夕食は前日に続いてバンセーンビーチ沿いの食堂で食べることにしていたので、ここは散歩するだけにしておいた。

1階に吉野家があった。タイの地方都市で食べる日本の牛丼にも興味はあったし、話のネタに入ってみようかとも考えたが、ここはやめておいた。(別に牛丼が嫌いというわけではない。私は優待目的で吉野家ホールディングスの株主になっている。半年ごとに3,000円分の優待券がもらえるし、利回りもいいのでお勧めの銘柄)

ちなみに私は、日本(たしか福岡市内だったと思う)の吉野家で向かい側に座った人が「ご飯2杯と卵2個」という注文をして卵かけご飯を2杯作って食べているのを唖然として眺めていたことがある。世の中にはいろいろな注文方法があるものだということと、こういう注文を堂々とできる人がいるということに驚かされた。

店内を一通り散策し、外に出た。まっすぐに歩けないほどの人ごみを抜け出し、近くの歩道橋に上がって大通りの写真を撮ってみた。

ゆっくりと元の方向へ歩き、バンセーンビーチへ。ビーチ沿いに戻り、前日に続いてゲストハウス1階の食堂で夕食にした。注文したのはチャーハンとエビのフライ。

フライといっても実際はエビのフリッターのようなものだったが、味はかなりうまい。本当に東南アジアというのは食のレベルが高いと思う。この2品にハイネケンの缶ビールを加えて値段は280バーツ。

夕食後もしばらく周辺を散策し、夜8時半にゲストハウスに戻った。


翌日は朝9時に起床。10時にゲストハウスをチェックアウトし、ビーチへ移動した。この日はバンコクへ戻ることになるが、ビーチに並んでいるパラソルの下で休憩するのが快適そうだったので、とりあえず昼ごろまでビーチで過ごすことにしていた。

ビーチパラソルの下をうろうろしていると、すぐに案内の人がやってきた。ビーチチェアについては1日借りて30バーツということなので、ここに座ることにした。下の写真がビーチパラソルの下の眺め。

ビーチパラソルはすき間なく並べられているので、その下は完全に日陰になり、風が通り抜けるので非常に涼しい。屋外はかなり暑いというのに、ここだけは別世界のような感じだった。

近くには各種の露店が並んでいるので、料理を注文して持ってきてもらうことができる。ここでは昼食としてエビの炭火焼、魚のすり身揚げ、チャーハンを注文してみた。ビーチチェアに寝ていると、本当に極楽。

露店にはカブトガニも置いてあったが、注文はやめておいた。見た目がちょっとグロテスクで、エイリアンのフェイス・ハガーに見える。聞いた話だと、味もそれほど美味くはないらしい。

ビーチパラソルの下があまりにも極楽なので外に出たくはないのだが、バナナボートに興じる人たちを見るためにときどきビーチへ出てみた。若い女性も多いが、タイの人は水着にはならずに服を着たまま水に入っているので、眺めを期待してはいけない。

しかし水は見事に泥色。多分、水中に潜っても何も見えないと思う。

水はきれいではないし、水着姿の女性もいないが、ビーチパラソルの下が快適すぎて動きたくない。最初は昼ごろまでの予定だったが、結局ずるずると午後まで過ごしてしまった。旅行中、こんなに無為な時間を過ごしたのは本当に久しぶり。

ここから40キロほど南にある有名観光地パタヤには外国人旅行者は大勢いるが、ここでは外国人はまったくと言っていいほど見ない。本当にタイ庶民のビーチという感じなので、珍しい体験になると思う。パタヤ方面へ行く機会があれば、できればバンセーンにも滞在してみてほしい。


午後3時、名残惜しかったがそろそろバンコクへ戻らないといけない。ビーチチェアを管理しているおばさんに挨拶し、ビーチパラソルのエリアを離れてバイクタクシーがたむろしているあたりへ移動した。ここでバイクタクシーに乗ることにしたが、私の発音が悪いのか「バスセンター」という言葉が通じない。仕方がないので、その近くにある「ギャラクシー」の名前を出したらすぐに通じた。

前日、中に入った大型デパート Laemtong の前を通過し、ギャラクシーの前でバイクタクシーを下りた。下の写真がギャラクシー。

ここがどういうビルかは、インターネットで調べたらすぐにわかると思う。要はソープランドなどの各種風俗店が入った集合ビルで、近くのシーラチャーという町に滞在している日本人駐在員などには有名な場所らしい。中がどうなっているのか興味はあるが、さすがに昼間から風俗店に入ってみるような元気はない。次回バンセーンやシーラチャーに来る機会があれば、そのときに探検してみたいと思う。

ここからバス乗り場のほうへ歩いていくと、ちょうどミニバスが動き出したところだった。運転手が私を見て「乗るか?」と合図をしてきたので、バンコク行きということを確認してから乗り込んだ。車内はほぼ満員。

バンコクへ向かう途中は、車内でテレビ番組が見られる。

流れていたのはバラエティ番組で、タイの芸人がいろいろなコントをやっていた。言葉はわからないが、動きを見ているとまあ楽しめる。個人的に印象に残っているのは「タイの渡辺直美」と勝手に命名した太目の若い女性で、雰囲気がよく似ていた。これだけで誰のことかわかる人がいたら名前を教えてほしい。


バンセーンからちょうど1時間でバンコクに到着した(料金は120バーツ)。といっても終点はバスセンターのような場所ではなく高架下の道路沿いで、かなり郊外といった感じのところ。すぐ近くにスカイトレインの線路が見えるので、そちらへ歩いて移動した。

近くにあったのはスクムウィット線のバンナー駅。ここからスカイトレインに乗り、サイアム駅へ移動した(料金は52バーツ)。スカイトレインを下り、このところバンコクへ来たときは必ず立ち寄るマーブンクローンセンターに入ってみた。フードコートでの夕食後に各階を歩いてみたが、この建物は本当に面白い。バンコクではお勧めのショッピングモール。

帰国後に周囲に配るための土産物は、タイ東急で買い込んだ。ここも、バンコクへ来たときは土産物探しに必ず立ち寄っている。

帰国便の出発は深夜なので、まだ時間がある。今回は一日歩き回った後の夜行便での移動ということで、疲れを取るためにタイ式マッサージへ行ってみようかと考えていた。日本人旅行者に人気らしい「有馬温泉」などを考えていたのだが、マーブンクローンセンターの外に出ると天候が一変していて激しい雨。ずっと建物の中を歩いていたので、これにはまったく気づいていなかった。

この天候では外を歩く気はしない。そこで、スワンナプーム空港にも足つぼマッサージがあるということは調べていたので、早めに空港へ移動することにした。スカイトレインのナショナルスタジアム駅とは陸橋でつながっているので、濡れずに済んだのは幸運だった。

パヤータイ駅でエアポートレールリンクに乗り換え、夜9時過ぎに空港に到着した。まだチェックインは始まっていないので、まずはターミナル3階にある Chang Massage へ。メニューはフットマッサージとハンドマッサージがあり、それぞれを頼むこともできるが、30分ずつのセットで500バーツというメニューがあり、これを選ぶことにした。

店内は適度に薄暗く、旅行者でほぼ満員。最初の30分がフットマッサージで、足の裏を棒でぐいぐいと押すというもの。足つぼマッサージは2008年のマレーシア・コタキナバル以来で、あの時はかなり痛かったが、今回はそれほどでもなかった。今回は担当者が年配の女性だったからかもしれない。そういえば、あのコタキナバルのマッサージ店にいた中澤裕子似のスタッフはまだいるだろうか。

ハンドマッサージは肩から腕にかけてのマッサージで、バンコクではずっとバックパックを持ったまま移動していたので、これで背中がかなり楽になった。

マッサージ後、担当の女性にチップを払って終了。チップは100バーツで、500バーツの料金に対してかなり高い。別にぼられているわけではなく、タイではマッサージのチップはかなり高く、これが相場になっている。このことは事前に知っていたので払ったが、知らないと怒り出す人もいるかもしれない。

チップは高いが、しかしマッサージはなかなかよかった。今後もバンコクへ行く際は出発前に利用することがあると思う。空港で時間があるときはお勧め。

中国東方航空のカウンターでチェックインを行い、タイを出国。深夜2時前にバンコクを出発し、翌朝の7時に上海の浦東空港に到着した。乗継ぎ時間は3時間ほどなので、入国せずにすぐにトランジットエリアへ移動。福岡便に乗り継ぎ、午後1時ごろ福岡空港に帰着した。


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