マカオ&香港&上海旅行記(マカオ / グランドリスボア)

媽閣廟から再びバスに乗り、10分ほどでグランド・リスボアホテルの前に到着した。マカオを象徴する建物としてときどきテレビで紹介されるので知っている人も多いと思う。全体が金色に光っている玉ねぎみたいな建物で(イメージは蓮の花らしいが、玉ねぎに見える)、まあ悪趣味。

この玉ねぎの中はカジノになっている。ではホテルはどこにあるかというと、玉ねぎの上のタワーの部分。こちらも金満ぶりを露骨に誇示しているようで、何だか悪趣味。

ところで、ここで気になるのが下の写真の矢印付近の部屋。見てわかる通り下には何もないわけで、窓から下を見下ろしたらマカオタワーのバンジージャンプ台にいるような気がすると思う。「下に何もない」というのはものすごく不安な気持になると思うが、ここにはどんな人が宿泊するんだろう。

私はグランド・リスボアに宿泊することは一生ないと思うが、この部屋だけは見てみたい。

横から見たグランド・リスボアは、こんな感じ。

では1階のエントランスから玉ねぎの中に入る。予想通りというか、とんでもなく高価そうな展示物と呆れるほど豪華な内装に早くも満腹状態。なお、まだカジノに入ったわけではないのでこのエリアでは写真撮影は自由。

この後、ゲートを通ってカジノに入ってみた。カジノ内はもちろん写真撮影厳禁なので、内部の写真はない。

ラスベガスを抜いて世界一になったというマカオのカジノだが、予想通りというか、金持ちの中国人たちの熱気はすごい。1階がスロットや機械式ルーレットなどの小額で楽しめるもの、2階からはブラックジャックなどのカードゲームやディーラーが操作するルーレットになり、特に上のほうの階では中国人団体客が大歓声を上げている。どの階もとにかく広大で天井も高く、内装も呆れるほど豪華。今回は当然入れなかったが、最上階には最低賭け金も高額になる VIP ルームもある。

他にも2階のステージでは女性たちがアクロバティックなショーをやっているし、あちこちを移動しているワゴンではコーヒーなどの飲み物を無料でもらえたり、まさに至れり尽くせり。

しかし、これだけのサービスを受けられるというのは、つまりカジノでどれだけ多くの人が資金をなくしているかということ。以前、ギャンブルで必ず勝つ方法は「胴元になること」しかないと聞いたことがあるが、まさにその通りという風景。

何かゲームをやってみようかとも考えたが、カードゲームは最低賭け金が500香港ドル(6,500円ほど)になっていて、これでは私のような素人はわずか数回で終わってしまうような気がする。そこで夕食後にスロットなどをやってみることにして、ここでは中国人団体客を観察しながらカジノ内を散策するだけにしておいた。しかし金持ち中国人たちの賭けっぷりは本当にすごい。

余談だが、最近は日本にもカジノを作ろうという話があるものの、マカオのカジノを見ていると大金を張っている中国人たちで持っているような印象を強く受ける。日本では競馬や競輪などのギャンブルも売り上げは減ってきているし、日本にカジノを作っても「日本人の感覚からするとおかしな中国人たち」が大挙してやってこない限り、収益を上げるのは難しいような気がする。まあ、これは素人考えかもしれないが、しかしカジノを作りさえすれば儲かるという単純な話ではないと思う。


いったん外に出て、夕暮れ時のグランド・リスボアを眺めてみた。徐々にライトアップされてきていて、なかなかきれい。

グランド・リスボアから道路を挟んだ向かい側にリスボア・カジノがある。もともとはこちらがメインだったそうだが、隣のグランド・リスボアと比べると、どうしても地味に見える。

グランド・リスボアとは渡り廊下でつながっているので、多くの観光客が両方のカジノを行き来している。建物の中をしばらく散策したが、リスボア・カジノのほうはどちらかというと多くの店が入ったショッピングモールのような感じなので、カジノをやらない人にも楽しめると思う。(もっとも、リスボア回遊魚と呼ばれる女性たちが歩いているので、知らないと驚くかもしれない。リスボア回遊魚が何かわからない人はネットで調べてほしい)

続いて夕食にした。グランド・リスボアから歩いて10分ほどのところに、これまたネオンがギラギラしているレストラン街がある。

ここでは「永勝美食」という店に入ってみた。観光客というより地元の人たちで混雑している店で、他の客と相席になるくらい繁盛している。注文したのは豚肉の角煮のような料理(味噌味)とチキンライス。値段は125パタカで、人気店だけあって味はなかなかのもの。

夕食後、リスボア・カジノへ戻って中に入ることにした。それにしてもネオンの光はまぶしいほど。

グランド・リスボアと比べるとちょっと地味なカジノを通り過ぎ、渡り廊下でグランド・リスボアへ移動した。渡り廊下へのエスカレーターもこんな感じで妖しげに光っている。

廊下を渡るとすぐにカジノの入口になり、ここから先は撮影禁止。2回目のグランド・リスボアでは、せっかくなのでカジノを体験してみることにしたが、前に書いた通りカードゲームは最低賭け金が500香港ドルなので小額でできるスロットと機械式ルーレットをやってみた。で、結果はどうだったかというと、予想通りに30分ほどでゼロ。機械式ルーレットなどは何か法則がないかと思って賭けずに数回見送ってみたが(例えば、球が入った番号が球が発射された瞬間にどの位置を回っていたかの統計を取ろうとしたり)、まあそんな単純な話ではなかった。

軍資金(たいした額ではないが)がゼロになった後、再びカジノ内を散策してみた。途中、上のほうの階のディーラーが操作するルーレットでテーブルの半分以上がチップで埋まるというくらいやたらとたくさんの数字に賭けている客(中国人ではなく欧米人)がいたので、しばらく眺めてみた。この人は1点賭け、4点賭け、6点賭け、縦1列賭けなどを組み合わせて、どの数字が来てもどれかは当たると思えるような賭け方をしている。ただ、賭け金の額にはそれぞれ差をつけていて(したがって賭け金の合計は相当な額)、ディーラーに取られる額も多いものの、一方でリターンもかなり多い。増減を繰り返しながらもじわじわと元手を増やしていく様子を見たときは「なるほど、ルーレットで儲けるにはこの手を使うのか!」と感心した。

賭け方と賭け金の配分には確率論などの手法を使っているのかもしれない。ただ、こういう人はやはり例外で、見ていると資金がなくなって席を立つ人が多いようだった。

結局、今回カジノに入ってみてわかったのは「自分はカジノには向かない」ということ。競馬のように自分で予想する楽しさがあるギャンブルは面白いと思うが、カジノは結局は「運」によるギャンブル。今回やらなかったブラックジャックやバカラなどのディーラー対戦型ゲームでは違った面白さがあるのかもしれないが、これも結局はディーラーとの駆け引きであり、運が基本ということは変わらない。(私が LOTO などは一切やらず、またパチンコ嫌いなのも運によるギャンブルのため)

今後マカオやラスベガスを訪れることがあっても、暇つぶしにスロットや機械式ルーレットを少しやるくらいで本格的に熱中することはないと思う。私には予想する楽しさがある競馬のほうが合っている。

夜8時過ぎにグランド・リスボアを出て、外から建物を眺めてみた。この通りライトアップはとんでもなく派手だし、漢字とアルファベットで「グランド・リスボア」の文字が次々と流れていくので見ていると飽きない。カジノをやらない人でも、このライトアップは一見の価値はある。

この後しばらくグランド・リスボア付近を散策。この付近一帯のギラギラぶりは本当にすごい。ネオンを眺めてから他の方向を見ると、目が慣れていないので余計に暗く感じるほど。

夜9時、ホテルに戻った。翌日は午後にマカオを離れ、香港に移動することになる。