国内旅行編(佐賀 / 嬉野秘宝館再訪)

かつて日本各地の温泉地にあった秘宝館も、2014年の時点で鬼怒川、熱海、嬉野の3ヶ所を残すのみとなった。これらの中でも最大規模といえる嬉野秘宝館がとうとう3月末で閉館することになり、閉館前の3月23日に見納めと思って訪問してみた。

私にとって4回目の訪問で(そのうちの2001年と2008年の2回は当サイトのネタにしている)、あの素晴らしい展示物が見られなくなると思うと悲しい。


佐世保から車で1時間ほどで(嬉野まで高速道路を使えばもっと早いが、金がかかるので波佐見有田インターから峠越えで移動)、嬉野に到着した。嬉野の街中を通り過ぎ、少し武雄方面へ行ったところで目印の観音像が見えてくる。

最盛期には団体旅行者の大型バスも来ていたという広い駐車場に車を停め、秘宝館へ。

以前は館内写真撮影禁止だったが、チケットを購入する際に聞いてみたところ閉館前なので自由に撮影して構わないということだった。なので、気兼ねなく撮った写真を当ページに載せることにする。

入口横にある石造りの巨大男根に挨拶してから、館内へ。

何度見ても「総工事費5億円、展示品の総額2億円」というのがすごい。それに「愛性エキゾジムファンタジックなエロティシズム」なんて今後二度と聞くことのない言葉だろう。

まずは、こちらの「和合神社」に参拝。鳥居の横には巨大な陰石と陽石が。

横たわる蝋人形。説明書きに「ここに展示している人形達は、身体の各部が精巧に表現されているため残念ながら全身をお見せすることができません」と書かれていて、たしか以前見たときは股間は隠してあったと思う。今回は閉館前のサービスなのか、股間がモロ見えになっていた。

日本各地の道祖神のコーナー。

愛情の石像、接吻道祖神(長野県東筑摩郡明科町池桜)。「向かって左が男神で福禄寿に似た長い顔から大きい舌を思いきり伸ばし先端を女神に吸わせ左手を女神の背後から肩にかけ右手で女神の手を握り右足を女神の太股へ乗せている」という説明書きが生々しい。

こちらは金勢神(秋田県横手市大乗院)。説明書きには「この金勢神は正常位でまさに交合しようとする男と女の性器の部分だけを彫り出したもので他に類をもとめられない珍しい神体である」と書かれていて、たしかにこんなすごいものは他では見たことがない。

道祖神コーナーの次が最初のアトラクション「ながさきオチンチ祭り」。花火の音が大音響で響き、円形の舞台が回転する中、天井付近で頭が女性器になった竜が手足のついた男性器を追いかけまわすというもの。花火の形が面白くて、あまりの馬鹿馬鹿しさに言葉も出ない。

オチンチ祭りについては、このページの下の方に動画を載せているので馬鹿馬鹿しさを体感してほしい。

続いて四十八手の浮世絵や性風俗民芸品のコーナー。

展示品のひとつ「まん拓」。いったいどうやって採取したんでしょうね。

こちらは珍宝神社。

再びアトラクションが続く。性技の使者スーハーマン(ベッドの上に浮き上がる)、アラビアのエロレンス(月に合体したウサギのシルエットが浮かび、ラクダの上で男女が揺れ始める)、モンロー(ハンドルを回して風を送りスカートを巻き上げる)、燃えよマラゴン(ズボンがずり落ちると股間だけ異常に小さい)、ナンバンショーなど。よくこんなものを考えたと脱力する風景のオンパレード。

ナンバンショーは以前は明かりがついて人形が回転していたのだが、このときは動かなくなっていた。

こちらは「有明夫人」。ゆっくり回転すると、ちょうど前を向いたときに下からムツゴロウが現れて股間を隠すという仕掛け。この動画も下に載せておく。

しかし尻フェチにはたまらないお尻だね。

「佐賀・鍋島化猫騒動」。「怪談もセクシーに観察するとかくのごとく色っぽくなります」だそう。さらに「舐める行為は性行為? 人前でアイスクリームを舐めるときは注意しましょう」なんてことが書かれている。シルエットの男根が大きくなるという脱力感。

「嬉野茶摘み娘」では、真後ろから覗いてボタン(乳首の形をしている)を押すと、こっちに向かって股間から水が飛んでくるという仕掛け。おしっこフェチにはたまらないかも。

ホログラムの「飛び出す万珍」。迫りくる万珍に思わず手を出してしまうが、もちろん触れない。

「男女とも戸を開いて見て下さい」と書かれている。

扉を開けると、それぞれこういうものが。

女性版のアップ。なんとなくタレントの YOU に似てる。もちろん、この人形のモデルになったわけではないだろうけど。

ホギホギ神社の御神体(分神)2体が背中合わせに安置されている。こちらは「女陰丸出しのおさすり観音様」。

反対側は浮気封じの喜心金精神様。足の生えた男根という姿が見事。

風流廻り舞台。以前は舞台が回転して絵が変わっていたはずだが、このときは動いていなかった。

射的の「ラブハンター」。弾は無料だったのでいくつか撃ってみたものの、的には当たらなかった。残念。

「有明の恋人」。乳首型のボタンを押すとカニが緩慢にタオルを引っ張って股間が見えそうになるというもの。

では「ながさきオチンチ祭り」「佐賀・鍋島化猫騒動」「飛び出す万珍」の動画を下に載せておく。ただし公開設定が「18歳以上限定」になっているので、再生されないという人は18歳以上のユーザーでログインしてから見てほしい。

「有明夫人」については以下の動画を見てほしい。実をいうと最初は上の動画に有明夫人も加えていたのだが、YouTube から「お客様のコンテンツはヌードや性的なコンテンツに関するポリシーに違反していると判断いたしました」として削除されてしまった。「人間じゃなくて人形のヌードなんだけどなあ」と思ったものの、再審査請求を行うのも面倒なので、かなり以前にアップされていた動画を探して紹介しておく。

脱力感に溢れる展示物をここまで見てきたが、ここからはいよいよハーレム。総額2億円のうち7千万円が使われているエリアで、下の写真からもすごさがわかるはず。まさに全国の秘宝館マニアの聖地。

驚きの説明書きを下に載せておく(クリックで拡大)。

以前に来たときは大量の水がふんだんに使われていて、スルタンの笑い声が響く中で昼になったり夜になったり(つまり周囲が明るくなったり暗くなったり)していたのだが、今回は動いていなかった。さすがに経費がかかりすぎるので止めていたのかもしれない。

なお、この日は「弁天図紋吉」さんという人がハーレムに座って三味線を弾いていた。私はこのときに会うまで知らなかったのだが、後で検索したところ「福岡の中洲に夜な夜な出没するストリートミュージシャン」らしい。和服にアフロヘアーという強烈な見た目の女性で、三味線を弾きながらエロ替え歌などの春歌を披露しているという。

どういう見た目の人かは こちら も参照してほしい。このときに聞いた替え歌がこちら。

階段を下り、ハーレムの風景を近くで見てから弁天図紋吉さんのところへ。近くで見るとアフロヘアーと和服という組み合わせが強烈。いろんなエロ替え歌を聴かせてくれて楽しかった。普段は中洲のであい橋というところにいることが多いそうだが、そのあたりにはあまり行ったことがない。後になって「中洲は南新地なら詳しいんですけどねえ」とジョークを言えばよかったと後悔。

お礼として投げ銭を置き「であい橋にも行ってみます」と伝えてから別れた。いつか再会してみたい。

ハーレムを後にして、最後はビデオ上映コーナー。かなり古そうなAVが流れていた。場末のうらぶれた映画館的な雰囲気がいい。

しばらく眺めた後、ポルノショップへ。一般的なアダルトグッズがほとんどで秘宝館オリジナルグッズは見当たらなかったが、これが面白かったので買ってみた。

「ジェルシア」というローション。何のパロディかは言うまでもないが、ラベルを読んでみると面白かった。少子化対策大臣賞受賞らしい。

最後に、出口付近にたくさん掛かっていた絵馬を紹介。

これ、6年前にも見たんだが。

出会えるといいですね。

見つかるといいですね。

見つかるといいですね。

だんだん呆れてきた。

もう、アホかと。

おいおい。

何枚書いてるんだ。

それを上回るアホ。

最初のはいいんだが。

願い事はいいんですけどね。

なんと10年前の絵馬。今はどんなプレイをしているんだろう。

こっちは11年前。良い父親は現れたんだろうか。

浮気ティ。

早漏の悩みは世界共通。

と思ったら見事に正反対の人がいた。

上書きしていいのか?

これで秘宝館を出ることにして、周辺を歩き回ってみた。閉館が近いこともあってマニアが集まっているらしく、駐車場にはそれなりに車が多い。

実は、この約1か月後の2014年4月20日に「嬉野秘宝館のお葬式」というイベントがあり、チケットも購入している。こうやって最後のイベントを行ってもらえるあたり、ここは幸せな秘宝館だと思う。

それまで、短い間のお別れ。「来月、また来ますね」と思いながら嬉野秘宝館を後にした。

(2014.3.23)


上で触れている「嬉野秘宝館のお葬式」についてはこちら。

2008年9月の訪問記はこちら。

2001年10月の訪問記はこちら。