台湾旅行記(高雄 / 瑞豊夜市)

高雄滞在2日目の夜は、前日とは趣向を変えて瑞豊夜市へ行ってみた。高雄の夜市といえば前日訪れた六合夜市が有名だが、地元の人たちにはむしろ瑞豊夜市のほうが人気らしい。六合夜市がほぼ完全に観光客向けの夜市だったのに対し、瑞豊夜市は見事に庶民向けという感じで歩いていると本当に楽しかった。


いったんホテルに戻り、少し休憩。こちらが新源大旅館の外観で、前日泊まった高源大旅社よりずっときれい。

部屋はこんな感じ。前日の部屋とは相当な違いで、やはり前日のうちにこのホテルを予約しておいてよかった。

ホテルを出て、高雄駅から地下鉄に乗り巨蛋駅で下車。地上に出て、少し歩くと明るく光っている夜市が見えてきた。前日の六合夜市と比べても面積は狭いようだが、そのぶん密度が高いというか、ものすごい人波ということが予想できる。

そして予想通りの混雑ぶり。細い路地に人があふれているので、まっすぐに歩けないほど。

前日の六合夜市と一番違う点は外国人観光客らしい姿をまったく見ないということ。ガイドブックにもあまり詳しく載っていない夜市なので、旅行で高雄に滞在する人もここへはほとんど来ないと思う。ただ、旅行後に調べたところ高雄在住者には六合夜市よりも瑞豊夜市を勧める人が多いらしい。

まずは屋台で夕食にした。注文したのは厚片牛排(150元)で、パスタのような麺の上に牛肉のステーキと目玉焼きが乗ったもの。味は最高にうまい。

上の写真から想像できるかもしれないが、食べ物の屋台が並んでいる付近は熱気がすごい。どの屋台もかなりの火力を使っているので、椅子に座って料理を食べていると大汗が流れるほど。ただ、こういう体験は本当に楽しい。

食後は夜市を散策。食べ物の屋台や衣料品を売っている店もあるが、ここのメインはやはりゲームのコーナー。

このゲームコーナーが個人的にはこの夜市最大の魅力だと思う。特にすごい遊具があるというわけではなく、なんとも素朴なものばかりが並んでいて、なんだか昭和のころの日本の夏祭り会場のような懐かしい雰囲気にあふれている。

下の写真は子供用のメリーゴーラウンド。

こちらは、ビンの口に輪を引っ掛けて、引っ張りあげることによってうまくビンを立たせるという、ただそれだけのゲーム。いったい何が楽しいのかと思うかもしれないが、これが盛り上がっている。ここの店主が見本としてやってみると簡単にビンが立つが、他の人がやるとなかなか立たない。こういう単純なゲームに大人が一生懸命挑戦しているのを見ると、本当に微笑ましい気分になる。

懐かしのスマートボールも並んでいた。日本では、今となっては温泉地のレトロなゲームセンターくらいしか見る機会のないものだが、こちらではまだまだ現役。どこだったかは忘れたが、自分も子供のころにときどきやっていたような記憶がある。この馬鹿でかいボールが転がるときの音がいい。(なお、私はパチンコは嫌い)

定番の金魚すくい。こちらも子供たちに人気。

こちらは輪投げのコーナー。輪を投げて、輪が入ったものがもらえるという単純なシステムだが、上のほうにはずいぶん大きなもの(家電など)がぴったりと並んでいる。「あんなところに輪が入るわけがないだろ」と思うが、まあ高価なものを取らせないのは露店でよくあること。手前のほうにはいろいろと著作権に問題のありそうなキャラクターが並んでいたりして、みんな繰返し挑戦していた。

他にもストラックアウト(ボールを投げて9枚のパネルを抜くやつ。調べてみたらこういう名前だった)やら風船割りやら、たいして元手のかからないゲームが並んでいる。どれもかなりの盛況。

こんな風に、特に高価な機材を導入することもなく、店主のアイディア次第というゲームがたくさん並んでいて大人も子供も心から楽しんでいる。本当に昭和のころの日本の縁日の雰囲気というか、涙が出るほど感動した。歩き回っているだけでこれほど感動できる場所も世界にそうはないと思う。

散策の途中、屋台で海鮮粥を食べてみた。さっぱりしていてうまい(100元)。

正直言って、前日の六合夜市よりも瑞豊夜市のほうがずっと面白い。高雄へ来て六合夜市しか見ないのはもったいないので、ぜひ瑞豊夜市にも来てほしい。ただし、ここは週5日の営業で、月曜と水曜は開いていないので注意。

台湾夜市の楽しさが凝縮されたような、ものすごく感動できる場所だった。ここは最大級のお勧めスポット。

名残惜しかったが、夜9時に夜市を出て地下鉄で高雄駅へ移動し、ホテルへ戻った。この日は佛光山から瑞豊夜市と一日中歩きっぱなしで疲れたが、しかしどちらも面白いスポットだった。翌日は高雄を離れ、台南へ移動することになる。