タイ旅行記(バンコク~ナコーンラチャシマー / ワットパーラックローイ)

1年ぶりのタイ旅行。もう何度も旅行している国なので特に緊張するわけでもないが、やはり出発時の高揚感はいいもの。

朝10時に福岡空港を出発。台北を経由し夕方5時過ぎにバンコクのスワンナプーム国際空港に到着した。何度も来ている空港なので、特に迷うこともなく入国審査を終えてタイに入国した。


この日のうちにナコーンラチャシマーへ移動することになっているが、あまり遅い時間には着きたくないので、急いでバンコク北バスターミナルへ向かうことにした。空港からエアポートレールリンクでマッカサン駅へ行き(料金は35バーツ)、ここで地下鉄に乗り換えてカンペンペート駅へ移動(34バーツ)。地上に出ると、大通り沿いにバイクタクシーが何台も客待ちしている。ここからはバイクタクシーで北バスターミナルへ移動した。バイクタクシーの料金は40バーツ。

こちらがバンコク北バスターミナル。ここへ来るのは2011年にワットムアンを見るためにアントーンへ行った時以来。ただ、夜に来たのは初めて。

ナコーンラチャシマーまでは3時間以上かかるので急ぎたいところだが、夕食がまだなのでバスターミナル内のフードコートへ行ってみた。乗客たちでかなり混雑していて、今回注文した料理はこちら。値段は75バーツ。

しかしこんな安食堂でも十分にうまい料理が食べられるのだから、東南アジアの食のレベルは高い。

続いてバスのチケットを買うことにした。ナコーンラチャシマーはタイでは「コラート」という通称(タイ語で高原という意味)でも呼ばれていて、バスターミナルのスタッフに「コラート」と声を掛けるとすぐにカウンターを教えてくれた。次のナコーンラチャシマー行きは午後8時5分発で、料金は220バーツ。

乗り場へ移動すると、すでにバスが停車していた。

時間通りに出発。わりと長い移動になるが、車内ではモニターで映画が流れているので、それほど退屈しない。もちろんタイ語なので言葉はわからないが、映像だけ見ていてもそれなりに楽しめた。また、途中の CM のときは、なぜか日本の仮面ライダーのキャラクターグッズが宣伝されていたのが驚き。いきなり「迫る~~ショッカー~~」というおなじみの曲(日本語なのでタイの人にはわからないはず)が聞こえてきたときは腰が抜けるほど驚いたが、CM の時間になると毎回流れるので次第に慣れてきた。

しかし、その CM では仮面ライダーのことが「Masked Rider」と書かれていて(確かに直訳すればそうなんだが)、これを見ているうちに「あれって変身した姿であって、決して仮面を付けた姿じゃないから、考えてみれば仮面ライダーってちょっとおかしな名前だよね」なんてことがどうにも気になってきた。まあ、どうでもいいことなんだが、同様の疑問を感じている人は日本にどれくらいいるんだろう。

夜11時半、終点のナコーンラチャシマーに到着した。遅い時間だが、バスターミナルの端のほうにバイクタクシーの運転手がたむろしている場所があった。ここでホテルのバウチャーを見せ、チョムスランホテルへ直行(バイクタクシーの料金は60バーツ)。

予約しておいたチョムスランホテルは予想以上に規模の大きなホテルだった。チェックインを行って部屋に移動すると、かなり快適そうな感じ。これで1泊約2千円なのだから、無理に安宿に泊まるよりもずっとお得だと思う。

どのくらい規模が大きいホテルかというと、翌日の昼に撮った下の写真を見るとわかるはず。

この日は1時半に就寝。


翌日は8時半に起床。いよいよ今回の旅行最大の目的地、ワットパーラックローイ(Wat Pa Lak Roi)へ向かうことになる。フロントに部屋の鍵を預けるとき、スタッフに「ピマーイ遺跡を見るなら、行き方を教えるけど」と言われたが、こちらの目的地はピマーイ遺跡ではなくワットパーラックローイ。普通、ナコーンラチャシマーへ来る観光客はピマーイ遺跡が目当てのはずなので、スタッフがそう考えてもおかしくはない。もちろん11世紀のクメール遺跡にも興味はあるが、今回は日数が足りないので訪問は無理。私はナコーンラチャシマーでは普通の観光客ではなかったようだ。

ホテルを出て、近くにバイクタクシーがいなかったのでトゥクトゥクでバスセンターへ向かう。料金はちょっと高めの80バーツだった。目的地のワットパーラックローイは近郊の「ノーンタイ」という町にあるので、まずはノーンタイ行きのバスを探したところ、簡単に見つかった。チケットは27バーツ。よく似た名前の「ノンカイ」行きのバスもあるので、このバスセンターでバスを探すときは注意が必要。

ラオスとの国境にあるノンカイは、2005年のラオス旅行の際に訪れたことがある。いつかまたワットケークの巨大コンクリート像を見たいものだ。

少し時間があったので、バスターミナル内のフードコートでアイスミロ(ネスレのココア飲料「ミロ」を牛乳で溶かしたもの。タイでは意外と見かける)を飲んで休憩し、10時半に出発した。なお、事前にノーンタイまでの所要時間を調べておらず、これが原因でワットパーラックローイまで予想外に時間がかかることになった。

バスに乗る際に、年配の女性車掌に「ノーンタイまで」と伝え、チケットも見せておいた。なので、ノーンタイに着いたら知らせてくれるだろうと思っていたのだが、一向に連絡がない。出発から1時間以上が過ぎ、不安になってきたので車掌に確認したら案の定ノーンタイはとっくに通り過ぎたということだった。苦笑する車掌に反対路線のバス乗り場を聞き、こちらも苦笑しながらバスを降りた。

チケット売り場でノーンタイまでのチケット(こちらも27バーツ)を買い、名前もわからない町のバス乗り場でナコーンラチャシマー行きのバスを待つ。

20分ほどでバスが来て、車掌(今回は若い女性だった)に再び「ノーンタイまで」と伝えてから乗り込んだ。今度は大丈夫だろうと思っていたのだが、30分ほど走ったところで「NON THAI」と書かれた学校らしい建物が見えた。「あれがノーンタイじゃないのか?」と思い、次のバス停で車掌に確認したら、やはりひとつ前のバス停がノーンタイだった。車掌にちゃんと伝えておいたつもりだったが、まさか2回もスルーされるとは思わなかった。まあ「当然教えてくれるはず」などと考えていたほうも甘いかもしれないし、別に怒っているわけではない。

バスを降り、また反対側のバスを待ってもいいが、面倒なのでここからバイクタクシーで直接ワットパーラックローイへ向かうことにした。さすがにこのあたりでは有名な寺院らしく、名前を言ったらすぐに通じた。バス停から5分ほどで到着し、料金は60バーツ。

というわけでナコーンラチャシマーから右往左往を繰り返したが、ようやく目的地を見ることができる。時刻は午後1時で、ナコーンラチャシマーから2時間半もかかってしまった。

では、いよいよワットパーラックローイの中へ。入口では兵隊さんとゴリラ(キングコングか?)も歓迎してくれる。

タイ文字が書かれた門をくぐると、その先には広大な地獄風景が広がっていた。もう収拾がつかないほど大量に像が並んでいて、効率よく見て回れるルートなど存在しない。不謹慎ながら「佃煮にするほど大量」なんていう言葉を思い出した(すみません)。

主なものは後で紹介するとして、やはり一番目立っているのはこの巨大亡者。調べたところ、これは「ピー」という名前で、タイではわりとよく見られる精霊らしい。この姿を見るのはワットムアン、ワットセーンスックに続いて3体目。しかしいずれもアンガールズの田中似なのはどういうわけだろう。

そして、このピーの足元にあるのがこちら。これは実はワットパーラックローイで一番のお気に入りになった風景。

男根真っ二つ!!!

いやあ、これはお見事! よくこんな痛そうな場面を考えたものだ。帰国後、今回の旅行の写真を周囲に見せたところ、男性が最も衝撃を受けていたのがこの風景だった(まあ当然だが)。しかしこういう責め苦を思いついた人の発想力には心から感服する。この場面が個人的には地獄風景のハイライトで、ともかくも地獄風景に興味があるならスパッと真っ二つにされた男根は絶対に見るべき。

では、さらに先へ進むことにする。しかしピーのほうも肛門に槍が突き刺さっていたりしてなんだかよくわからない。この突き刺しているのは獄卒なんだろうか。

この赤い門の先が、いよいよ超高密度で地獄風景が作られているエリアになる。

しかしながら、かなり長くなったので、この先の風景は次のページで。