インド旅行記(2015年9月)

旅行の動機

2015年秋の海外一人旅は、この5年前の中米ベリーズ旅行がきっかけになり、インドのラダック地方へ行くことにした。ベリーズとインドは特に関係なさそうに思えるが、これはこういうこと。

2010年にベリーズを旅行した際、現地で Belize Concierge という旅行店を経営しているソリス麻子さんにブルーホールフライトなどいくつか手配をお願いした。そういう縁もあって、旅行後もベリーズに関するテレビ番組などの情報をメールで知らせてもらっていたが、翌年の2011年に「世界の果ての日本人」4時間スペシャルという番組に本人が出演するという連絡が来た。これは是非とも録画しないといけないと思ったが、なんと前日にハードディスクレコーダーが壊れるという事態になり、4時間ずっとテレビの前に座って番組を見ることになった。1年ぶりに見るベリーズの風景を懐かしく思ったのを憶えている。

ただ、私としてはソリス麻子さんのベリーズ編が目的だったのだが、番組では他にも世界各地の日本人が紹介されていて、最も印象に残ったのがインド・ラダック地方のレーという町に住んでいる上甲紗智さんのケース。ラダック地方の風景もさることながら、レポーターの平山あやがデリーからバスを乗り継いて数日かけてレーまで移動する姿に衝撃を受けた。レーには空港があるのでデリーからは飛行機で簡単に行けるはずなのに、何でわざわざ陸路で行くのかと疑問に思ったが、これは秘境感を強調するための演出だったのかもしれない。

番組を見る限りではかなり過酷な移動だったが、途中の景色は相当な絶景。それに、中国に併合されたチベットとは違ってラダック地方はインドに属していたためにチベット文化がよく残されているという。調べているうちにいつかぜひ行ってみたいと思うようになり、今回いよいよ実行することにした。普通、最初のインド旅行といえばデリーからアーグラーとバラナシへのゴールデン・トライアングルが定番だと思うが、私の場合はラダック旅行が初めてのインドになった。


余談だが、このときの旅人が平山あやだったのはおそらく「ヒマラヤ」とかけてあると思う(「平山あやヒマラヤに平謝り」なんて早口言葉になりそう)。番組の企画会議で、

  • 「今度の世界の果ての日本人はヒマラヤの奥地です」
  • 「じゃあレポーターは名前が似ている平山あやというのはどう?」
  • 「それはいい!」(上層部に大ウケ)
  • オファーが来た平山「ほんと迷惑」

なんていう流れだったら面白い(妄想)。

旅行前の準備

デリーへの航空券については、値段が安かったので中国東方航空の上海経由にした。価格はすべての諸経費を含んで61,350円。9月の連休期間中の航空券としては、かなり安いほうだと思う。

デリー到着は午前1時半。ということは、あの悪名高い「デリー空港深夜到着問題」が待ち構えている。検索すれば「プリペイドタクシーに乗ったらホテルには行かずに怪しげな旅行店に連れて行かれ、ここでボッタクリ価格の高額ツアーを組まされた」という情報が次々と出てくるし、図書館で借りた地球の歩き方でもしつこい位に注意喚起されているが、それでも引っかかる人が続出するのはそれだけ詐欺師の話術が巧妙なんだろう。

深夜到着で疲れている時に悪徳旅行店の相手をするのも嫌なので、ここはおとなしく初日のホテルと空港からの送迎を手配しておくことにした。このところよく利用している agoda で中級ホテルを探し、市街中心部の Hotel City Star を予約しておいた。宿泊料金は4,895円。

送迎については、日本人旅行者にはおなじみの「シゲタトラベル」で手配しておいた。料金は1,500円。

通常、ラダック地方を旅行する日本人旅行者はデリーからレーまで飛行機で移動すると思う。しかしながら、私がラダック地方に興味を持つきっかけになったのが平山あやのバスでの移動なので、やはり片道は陸路で移動してみたい。デリーからは途中のマナリという町で乗り継ぐことになるので、シゲタトラベルにデリーからマナリまでのバスチケットも合わせて手配を依頼しておいた。料金は3,000円。マナリからレーまでのチケットは手配できないということなので、これはマナリに着いてから探すことにした。

さすがに往復とも陸路で移動するには旅行日数が足りないので、帰りはレーからデリーまで飛行機を利用することにした。日本の旅行店に頼んでもいいが、エア・インディア のサイトを見ていると意外と簡単そうだったので自分で手配することにした。料金はすべての諸経費を含んで8,531ルピー。しかし往路は2日かけて陸路で移動するというのに、復路は飛行機で約1時間というのが何ともあっけない。

レーでの宿泊先については、到着がおそらく夜になるということもあり、こちらも agoda で予約しておくことにした。ホテルとゲストハウスがあるが、何しろレーは標高 3,500m という高地にある。陸路で到着するのである程度は高地に順応しているとは思うものの、今回は安全を考えて設備の整っているホテルを選択することにした。市街中心部の高台にある Hotel Royal Ladakh を選び、4泊分を予約しておいた。宿泊料金は4泊で20,484円。

最後はインドビザの手配。以前は「ビザの取得からがインド旅行の始まり」などと言われていたほど、とにかく官僚主義的で時間がかかっていたらしいが、調べてみたら2014年からビザがオンラインで取得可能になっていた。これについては「ティラキタ駱駝通信」というサイトで取得方法が詳しく記述されていたので、その通りに操作したら問題なくビザが取得できた。

非常に役に立ったので、このサイトには感謝している。ダウンロードした pdf ファイルを印刷し、写真を貼って持参する必要はあるものの、今までよりはビザの取得は格段に楽になったと言えると思う。

ガイドブックは定番の「地球の歩き方インド編」を図書館で借りてみたが、インド全域が紹介されているのでとにかく厚い。これを持ち歩きたくはないので、デリーとマナリの部分だけコピーして持参することにした。

ラダック地方については、これよりも ラダック ザンスカール トラベルガイド の方がよほど詳しく、写真も多いので見ているだけで楽しめる。現地のゴンパ巡りなど、この本がかなり役に立った。

私が使ったのは2012年発行の初版だが、いまはスピティ地方が追加された改訂版が出ているので、そちらを購入してほしい。

以上で旅行前の準備は済んだが、どうしても気になるのが高山病。かつてペルーのクスコで高山病にかかり、かなり苦しんだことがあるが、クスコは標高 3,400m なのに対して今回はマナリからレーまで標高 5,000m の峠を越えていくことになる。クスコとはレベルが違うので、何でもいいから予防グッズが欲しいという気持になり、調べてみたら リキッド・オキシゲン なんていうものが見つかった。

ペットボトルの水に少量を加えると高酸素水(笑)になって胃から酸素を吸収するというもので、ネット上の評判を見ても「登山中、高山病にならずに済み、すごく助かった」というものから「医学的にも、こんなものが役に立つはずがない」というものまで賛否両論。まあプラシーボ効果かもしれないが、特に高価なものでもないし、気休めとして購入してみた。少しでも役に立てば嬉しい。

旅行記

日付都市名
2015.9.19(土)福岡 ~ 上海 ~
2015.9.20(日)~ デリー ~
2015.9.21(月)~ マナリ
2015.9.22(火)マナリ ~ レー
2015.9.23(水)レー
2015.9.24(木)レー
2015.9.25(金)レー ~ パンゴン・ツォ ~ レー
2015.9.26(土)レー ~ デリー
2015.9.27(日)デリー ~ 上海 ~ 福岡