台湾旅行記(高雄 / 佛光山)

台湾滞在3日目。この日の目的地は1年半ぶりの再訪になる佛光山と佛陀紀念館。前回来たときに浄土洞窟というスポットを見逃したことが気になっていたので、ここを見ることを目的として高雄を再訪してみた。今回の旅行最大の目的地になる。


朝7時すぎに起床。8時にホテルを出て、高雄駅から MRT で大東駅へ向かう。前回は高雄駅前のバスターミナルから佛光山方面へ行くバスに乗ったのだが、前日の夜にバスターミナルに立ち寄って時刻を調べたところ便数が驚くほど減っていた。事情がわからず「佛光山って人気のないスポットになったの?」などと不安に思ったのだが、ホテルに戻ってインターネットで調べたところ台湾高速鉄道の新左榮駅と MRT 大東駅近くの鳳山バスターミナルからは便数が多いということがわかった。ほっと一安心。

大東駅で MRT を下り、地上に出るとすぐ近くにバスターミナルがある。それほど規模は大きくないので、佛光山経由鳳山行きのバス乗り場はすぐに見つかった。

午前9時20分のバスで出発。50分ほどで佛光山の前に到着した。料金は61元。もう少し乗っていれば観光客に人気の佛陀紀念館の前まで行くことは前回学習しているが、まずは佛光山を見たかったのでこちらで下車した。

バスを下りると佛光山の建物が見える。何だか懐かしい。

仲のよさそうな羅漢さんを眺めながら坂道を登り、寺院の中へ。今回は浄土洞窟を見ることが主目的なので、標識にしたがってまっすぐにそちらへ進む。

「佛光山」と書かれた大きな山門を通り抜けたところに、今回の目的地「浄土洞窟」がある。これだけはっきり書かれているのに前回なぜ見逃したのか不思議だが、それが高雄を再訪するきっかけになったので、結果としてよかったと思うことにする。

では、いよいよ浄土洞窟の中へ。こちらの予想を大きく上回りそうな超濃密風景が見られそうで、早くもアドレナリンが止まらない。

最初に通路の両側に見えるのは、仏様に合掌する人類と動物の風景(もっとも、鹿は合掌していないが)。しかし、どう見ても他宗教の信者らしい格好の人も混じっているが、それは気にしない。

こういう風景は久留米市の成田山久留米分院でも以前に見たことがあるが、共通の出典があるのだろうか。

そういう疑問は置いといて、ここで一番面白かったのがこれ。台湾でもクレヨンしんちゃんは人気。

鬼に見られながら階段を上がり、その先の空間へ。いよいよ、この先が浄土洞窟の中枢部になるはず。

中に入った時点で溜息が出た。いやー、期待通りの風景が素晴らしい。過剰な電飾が施されたキラキラの仏像と羅漢さんたちに、もう興奮が止まらない。

羅漢さんといえばこの人。興奮のあまり手振れを起こしてしまったが、眉毛が異常に長い人も健在。いったいどうやったらこんな姿になるんだろう。

この時点で涙が出るほど感動しているが、ともかくも先へ進む。次は「九品洞」の中へ。

これは凄い!

何だか鍾乳洞の中に入ったような、実に妖しげな世界が広がっていた。先ほどの感動が前菜に過ぎなかったような凄まじさで、こんな風景は見たことがない。

鍾乳石(多分)や壁のレリーフも見事だし、これは本当に凄い。

すでに満腹状態だが、しかしこれでもまだ浄土洞窟の半分しか見ていない。九品洞を抜けると現れるのがこちらのひな壇で、各段に神様たちが座っていた。

天女や花が電動で動き、しばらくそれに見とれていたのだが、その動画はこのページの下のほうでまとめて紹介することにする。

この先も、それはそれは見事なオブジェのオンパレード。階段や橋が作ってあって順路もアップダウンがあるし、テーマパークみたいでものすごく楽しい。

ちなみに階段を上がったところから池の蓮の花を見下ろすとこんな感じ。広大な空間が作られていることがわかると思う。

その先も動くオブジェと金ピカの仏像&羅漢さんが続く。腹を割って話そうとする羅漢さんの背後には円形の鏡が並んでいて、よく見たら自分が写っていた。

小僧さん(もしかしたら尼さん?)の造形も実にリアル。

しかし浄土洞窟はまだ終わらない。さらにトンネルの先に進む。

ここが浄土洞窟最後のエリア。いわばクライマックスというところで、仏像が並び東屋風の建物から坊さんがこちらを眺めていた。

出口の前にあるのが、こちらのルーレット。電動でぐるぐると回り続けていて、書かれている文字は「日」「増」「輝」「法」「輪」「常」「轉」「佛」。仏教には詳しくないので順番はわからない。

ここで、浄土洞窟内の動画を以下に載せておく。これ以外にも動くアトラクションはいくつもあるので、全部見たい人はぜひとも直接訪れてほしい。

浄土洞窟を出る前に後ろを振り返ってみた。

しかし凄いスポットだった。前回なんで見逃したのかという感じだが、こうやって再訪してみて、その見事さが実感できた。

地獄風景だけに特化すればタイの地獄寺や台南近郊の麻豆代天府なども本当に見事なのだが、極楽風景を含めた仏教総合ワールドとしては世界一だと思う。ぜひ多くの人に見てほしいし、私もいつか再訪したい。


すでに浄土洞窟で満腹状態になっているが、佛光山は広い。この先にも見所はたくさんあるので、不二門をくぐって先へ進むことにする。

こちらの「地蔵殿」という建物は、名前の通り壁一面に金色の仏像が置かれていた。壁も金色なので目が痛くなりそうな感じ。

階段を上がって屋上に出ると、正面に金色の大仏が見えた。さらに周囲には小型サイズの大仏がずらり。この寺院自体が高台にあるので景色がよく、遠くを眺めながらしばらく休憩。

この先に「大佛城」という建物があって、壁一面のレリーフなどは見事だったのだが、写真撮影禁止だったので写真はない。

次にこちらの「寶蔵館」に入ってみた。こちらは美術館という感じ。

こちらは背後の鏡をうまく使った展示方法やら精巧なミニチュアやら、もう見事としか言いようがない。いったいどれだけ金がかかっているんだろう。

先ほど遠くの景色を眺めながらクールダウンしたのだが、ここでまた満腹状態。

寶蔵館を出て先へ進むと、羅漢さんたちの石像が並んでいる広場があった。それぞれ表情が違っていて面白く、おんぶしてもらっている羅漢もいる。こういう石像は放っておくとすぐに薄汚れるものなので、メンテナンスがしっかり行われているところは嬉しい。

ようやく、佛光山のメインとなるエリアに到着した。この先に本堂があるのだが、浄土洞窟と寶蔵館で満腹になったので、ここまで来るのにずいぶんと時間がかかったような気がする。

建物を抜けると、正面に見えるのが本堂の「大雄寶殿」。それにしても規模が大きい。(屋根が何だか曲がっているように見えるのは2枚の写真を合成したため)

大雄寶殿の中は写真撮影禁止。前回と同様、正面の巨大な「釈迦仏」「阿弥陀仏」「薬師如来」と壁面を埋め尽くす無数の釈迦牟尼佛聖像に、もう溜息しか出ない。この空間を見たい人は直接訪れてもらうしかない。

大雄寶殿を出て、さらに佛光山の奥へ進む。この寺院が運営している「佛光山電視中心」というテレビ局(英語名は “BEAUTIFUL LIFE TELEVISION”)を過ぎると、前回 集合体恐怖症 を引き起こしそうと感じた建物があった。

この先にある大規模な食堂は信者以外は入れないので通過し、最奥部の駿程萬里という広場へ。ここに並んでいるのが十二支をテーマにした石像。

この石像は広島県厳島の 大聖院 で見た小僧たちの石像とそっくりで、おそらく共通の出典があると思うのだが、まだ調べがつかない。

これで佛光山の一番奥まで歩いてきた。この先にあるのが佛光山に併設された佛陀紀念館というエリアで、これからそこへ行ってみるわけだが、下の写真の通り佛陀紀念館の横に巨大な建物が建造中だった。

佛陀紀念館はさらに拡張されるのかもしれない。これはまた数年後に佛光山に来る必要がありそうだ。

佛陀紀念館については、次のページで。