コソボ&アルバニア旅行記(イスタンブール~プリシュティナ)

いよいよ未知の国コソボとアルバニア旅行に出発。この両国はインターネット上にも旅行記は少なく、貴重な体験になりそうな気がする。情報が少ないだけあって出発前の緊張感も高く、かなり楽しみ。

ただし初日は経由地のイスタンブールまでで、空港近くで1泊することになる。


午前11時半、福岡空港を出発し、1時間ちょっとのフライトでソウルの仁川国際空港に到着した。さすがに福岡からだとソウルは近い。

今回のチケットは福岡~ソウルがアシアナ航空、ソウル~イスタンブールが大韓航空なので、福岡空港ではイスタンブールまでのチェックインはできない。Eチケットを見せてトランジットエリアに入り、大韓航空のカウンターでチェックインを行った。

その他には特に空港ですることもなく、午後2時にソウルを出発。ここで驚いたのはイスタンブール行きの機内がガラガラだったこと。テロの影響でトルコへ行く人が減っているのかもしれないが、これほど乗客の少ない飛行機に乗るのはおそらく2008年のキャセイパシフィック航空(福岡~香港)以来。乗客が少ないとゆっくり横になれるのはいいが、しかし便が維持できるのか不安にもなる。

12時間ほどのフライトで夜8時過ぎにイスタンブールのアタチュルク空港に到着した。2002年以来14年ぶりにトルコに入国したが、翌日の早朝に出発するので今回は空港近くに泊まるだけ。ただ、帰りは半日ほど滞在時間があるので少し観光することにしている。

まずはターミナル内の銀行でトルコリラを入手。50ドルを両替したところ受け取った金額は131.35リラだった。1リラは約38円になる。2002年当時はインフレのため最高額紙幣は2,000万リラ札だったが、2005年にデノミが行われたので今は紙幣の数字も普通になっている。14年も経てば時代が変わることを実感。

空港からは地下鉄で移動。14年前は地下鉄は空港に乗り入れていなかったので、かなり便利になっていた。地下鉄の料金は4リラ。

空港から2つ目のイェニボスナ駅で下り、外に出るとものすごく広い大通りがある。ここを渡る必要があるが、横断できそうな場所が見つからない。しばらく迷ったが、よく探したら地下道があった。

駅から歩いて10分ほどで予約していた Airport Best Hotel に到着した。部屋は簡素だが、寝るだけなので問題ない。

特にすることもないので、シャワーを浴びて夜11時半に就寝。


翌日は午前5時に起床。この時間はまだ地下鉄が動いていないことは調べていたので、フロントでタクシーを呼んでもらい、空港へ直行した。15分ほどで到着し、タクシー料金は20リラ。

行きは預ける荷物がないので自動チェックイン機でチェックインを行い、カフェで朝食にした。トルコのパンといえばもちろん シミット は欠かせない。2002年の旅行の際、ゴマの風味が効いた香ばしさがかなり気に入ったので、今回もシミットが置いてあるカフェを選んだ。シミットの他にクロワッサンとカフェラテを注文し、値段は27リラ。

モニターの PRISTINA という文字を見ると、これからコソボへ行くことを実感する。それから、ターキッシュエアラインに乗るのは今回が初めて。

8時にイスタンブールを出発。途中にはそんなに高い山はなさそうなイメージを持っていたが、完全に雪に覆われた山々が見えたのは意外だった。ブルガリアかマケドニアあたりの上空だろうか。

プリシュティナまでのフライトは1時間半。着陸前には、集落以外が一面の畑になっている風景が眺められた。上空から見る限りでは、かなり豊かな国のように思える。

午前8時半、プリシュティナ国際空港に到着した。2004年のスロベニア旅行以来、12年ぶりに旧ユーゴスラビア地域に入ることになる。なお、コソボは隣国セルビアを始めとして独立を認めていない国も多いが、日本は承認しているのでここでは国として扱うことにする。

スムーズに入国を終え、パスポートに Republic of Kosovo のスタンプが押された。このスタンプがあってもセルビアでは入国拒否にはならないらしいが、少し嫌味を言われることはあるらしい。セルビアにも興味があるのでいつか行ってみたいが、それはパスポートを更新した後にする。

ターミナルの前には噴水もあるし、ごみもなくきれい。

これからコソボ市街へ移動する必要があるが、交通手段はタクシーだけ。空港からのタクシーといえばボッタクリに遭う確率が一番高いというのが常識だが、ここはタクシー乗り場の前に主要地点までの料金が大きく書かれていて、旅行者でもわりと安心できる。コソボ市街への料金は15ユーロになっていた。

なお、コソボは国内通貨としてユーロを使っているがユーロ加盟国ではなく、つまり勝手に使っている状態。

ターミナル前からタクシーに乗り、予約してあるホテルへ向かう。コソボ平原と言われるだけあって、周囲には広々とした景色が広がっていた。セルビアからしたら、こんな肥沃そうな地域をアルバニア人に取られたわけだから、それは怒るだろう。(もちろん、コソボの戦い など歴史的な経緯もあるが)

市街に入るとかなり渋滞が続くようになったが、これは事故による渋滞だった。事故現場を過ぎるとスムーズに流れるようになり、その途中にクリントン元大統領の写真が掲げられているビルが見えた。コソボでは独立に尽力したクリントンは英雄視されているそうで、この写真の下にはクリントンの銅像もある。ここは、この日の午後に行ってみることにしていた。

10時前に Hotel Prima の前に到着した。空港のタクシー乗り場に書かれていた通り15ユーロを払い、タクシーを下りてホテルへ。タクシーが明朗会計なのは好感が持てる。

まだ午前中だが、チェックインを行うことができた。フロントにいたのは50代くらいの女性で、やはり日本人は珍しいらしくかなり喜んでくれていた。コソボの人からすると、独立をすぐに承認した国の人が来てくれるのは嬉しいのかもしれない。

部屋に移動すると、かなり広くて快適そうな感じだった。これで1泊35ユーロなのだから、無理に安宿に泊まるよりずっといい。

しばらく部屋で休憩し、プリシュティナを散策することにした。続きは次のページで。