コソボ&アルバニア旅行記(ジロカストラ~サランダ)

アルバニア滞在中、一度はアドリア海を見てみたかったので、海沿いにあるサランダという町に滞在することにしていた。ギリシャに近い観光地だけあって、落ち着いた雰囲気のジロカストラと違って賑やかな町だった。


朝7時半に起床。9時50分にホテルをチェックアウトし、歩いてバスターミナルへ。その近くに小さな遊園地があったので写真を撮ってみた。ディズニーのキャラクターの邪悪そうな顔がたまらない。

バスターミナルでサランダ行きのミニバスを見つけ、乗り込んで出発を待つ。ミニバスは「満員になったら出発する」というシステムなので、どのくらい待つのか少し不安だったが、30分ほどで出発した。サランダまでの運賃は300レク。

前日訪れたブルーアイを通るルートなので、途中までは昨日と同じ景色が眺められる。しばらくは山の斜面に集落が広がっている景色を見ながら幹線道路を走る。

幹線道路を離れると、九十九折れを繰り返しながら山道に入っていく。この眺めもきれいで、車窓風景を眺めていると気分がいい。

山の中に入ると、周囲は風光明媚な景色が続くようになった。昨日のブルーアイから想像できる通り、このあたりはカルスト地形になっていると思う。カルスト地形の語源になったカルスト地方はスロベニアとクロアチアあたりなので、ここからはそう遠くない。

ブルーアイを通過し、しばらく走ると山の中を抜けて川に沿って走るようになった。この川の水の一部は、あのブルーアイから流れ出してきたものだと思う。

ジロカストラから1時間20分ほどでサランダの町に到着した。ミニバスを下りたのは中心部の少し外れの方で、乗ってきたミニバスの写真を撮ってみた。白いシャツの男性が運転手。

近くにホテルが何軒かあったが、せっかくなので海沿いのホテルに泊まりたい。5分ほど歩いて海沿いに出るとホテルが何軒か並んでいたので、あまり高くなさそうな ARI ホテルに入ってみた。

宿泊料金は1泊20ユーロということだったので、ここに泊まることにした。部屋もきれいだし、ベランダもある。

ベランダからの眺め。アルバニアでこんなリゾート気分を味わえるとは思っていなかった。赤いプラスチック椅子に座り、海を眺めながら休憩。

しばらく休んだ後、外出してサランダの町を歩いてみた。この町が面しているのは正確にはアドリア海ではなくアドリア海南部のイオニア海になる。今回の旅行で初めて海を見た。

海の水はまあまあきれい。ここから海沿いに散策してみたが、遊歩道やレストランは観光客でそれなりに賑わっている。ジロカストラの落ち着いた雰囲気とは大違いで、正直言ってサランダがここまでリゾート的な雰囲気の町とは考えていなかった。日本人にとってアルバニアは相当にマイナーな国だが、ヨーロッパでは意外と人気の旅行先なのかもしれない。

海に突き出した UFO みたいな建物がツーリストインフォメーション兼土産物店。ここでは帰国後に周囲に配る土産として石鹸をいくつか買ってみた。

このあたりがサランダの中心街のようだが、さらに先へ歩いてみた。次第に道が上り坂になってきて、やがて海を見下ろせるようになった。

このあたりはちょっと高級な住宅街なのか、建物も凝っている。

そろそろ引き返そうかと思いながら歩いていると、大型クルーズ船が入ってくるのが見えた。テレビ番組などで見たことのある船型の大型客船で、どうやら沖に停泊するらしい。

ここで引き返し、下り坂を下りたところでクルーズ船も停泊したようだった。砂浜越しにクルーズ船を見ると、まるでビーチリゾートのような風景になる。

船名は Costa Mediterranea(コスタ・メディタラニア)で、帰国後に調べたところ2003年就航で全長292メートルの船ということだった。インターネットで船内の写真を見てみたが、かなり豪華なクルーズ船らしい。

ただ、テレビ番組などで豪華客船によるクルーズの様子を見たことがあるが、個人的にはあまり憧れを感じない(暇そうだし)。おそらく、こういうクルーズ船で船旅をやることは一生ないと思う。私には鉄道やバスで移動を繰り返す旅のほうが合っている。

そろそろ昼時になったので、ホテルの近くにあったあまり高くなさそうなレストランで昼食にした。注文したのはポークケバブとコーラで、最後にコーヒーを頼んで値段は全部で720レク。これで700円ほどなのだから、アルバニアでは食事に金がかからないのが助かる。

港で工事が行われていて、トラックで運ばれてきた砂山を眺めながらの食事になった。味はかなりうまい。

昼食後、近くの店でジェラート(100レク)を買い、いったんホテルに戻った。

40分ほど休憩した後、再び外出。先ほど沖に停泊したクルーズ船から、乗客たちが小型ボートに乗り換えて移動してくるのが見える。いつまでここに停泊するんだろう。

今度は先ほどとは逆の方向へ歩いてみたところ、LUNA PARK という小さな遊園地があった。

入ってみると、何だか廃墟みたいな感じ。そして、ここにあったネズミのキャラクターも何だか邪悪そうな顔をしていた。もしかしたら、これがアルバニアにおけるディズニーのスタンダードなのかも。

できればこれらの遊具が動いているところを見たかったが、廃墟みたいな外見から予想できる通り、もう営業していなかった。残念。

先へ歩いていくと、高速船の乗り場があった。ここからはギリシャのコルフ島へ行く船が出ているそうで、ギリシャ旅行のついでにサランダに立ち寄る旅行者も多いらしい。確かに、町の雰囲気も東欧というより南欧に近いような感じがする。

午前中に歩いた高級住宅地とは異なり、この辺りには庶民的な建物が並んでいた。このアパートなどは生活臭にあふれていて、こういう眺めは好き。

さらに歩くと、こういう看板があった。

イラストからわかる通り、ここはストリップシアター。アルバニアにもこういう店があるのかと感心した。興味はあるが、しかし中に入るのは勇気が要りそう。

ここから階段を下り、海沿いに元の方向へ戻ることにした。しかし、ここから見てもクルーズ船が目立っている。

ホテルの近くまで戻ってくると、こういう石組があった。詳しいことはわからないが、もしかしたら相当に古いものなのかもしれない。ヨーロッパを旅行していると、こういう(古代ローマ時代のものかもしれない)石組が何気なく存在していることに驚かされることがよくある。

ホテルで少し休憩し、6時半に外出。町の中心部付近を散策してみた。絵になりそうな階段がある路地の眺め。

近くにはフィットネスクラブもあった。「NO PAIN, NO GAIN」という、会員に覚悟を迫っている言葉がいい感じ。確かに、楽してこんな体にはならない。

すっかり暗くなった夜8時、海岸沿いにあるレストランで夕食にした。注文したのはビール、フィッシュスープ、シーフードグリルとホットティで、値段は2300レク。アルバニア南部最後の夜なので、ちょっと贅沢してみた。

海沿いの町だけあって、シーフードはどれも美味しかった。足元で食べ物がほしいと訴えている猫を見ながら完食。

夕食後、遊歩道を散策。人通りは少ないが、特に危なそうな雰囲気はない。

せっかくなので、先ほどのストリップシアターの前まで行ってみた。興味がなくはないが、結局中には入らなかった。言葉の問題もあるし、何より音がうるさそう。

Youtube で「CLUB SHQIPONJA」で検索するといろいろと動画が見つかるので、興味がある人はそちらを参照してほしい。ちなみに「1」がティラナ、「2」がドゥラス、「3」がサランダにあるストリップクラブらしい。イメージ通り相当に音がうるさいし、欧米人女性の体は迫力がありすぎ。

昼と同様、ここから階段で海沿いに出て、ホテルのほうへ。

夜9時半、散策を終えてホテルに戻った。クルーズ船がやってくるようなリゾート地だけあって暗くなってから出歩いても問題なく(もちろん、最低限の注意は必要だが)、町の散策を楽しめた。この日は0時に就寝。