キプロス旅行記(アヤナパ / ダイビング1日目)

アヤナパ滞在2日目。この日はキプロスで初めてのダイビングを行う日になる。普通はダイビング目的で訪れるような国ではないので、ここの海に潜ったことのある日本人は珍しいはず。

当初はダイビングはこの日だけの予定だったが、気が変わって翌日も潜ることになった。


朝7時半に起床。ダイビングショップから迎えに来てくれることになっていたので、朝食後にホテルの前で待っているとピックアップトラックがやってきた。運転手に挨拶し、車で出発。

余談だが、海外ではよく見かけるが日本では人気がない車種の代表例としてピックアップトラックが挙げられることある。確かに日本と違って海外ではよく見る車で、送迎の際に乗る機会も多い。もっとも、これは日本では軽トラがその代わりになっていることが理由だと思う。逆に海外では軽トラはほとんど見ない。

ダイビングショップはアヤナパの街中にあり、5分ほどで到着した。今回利用したのは sunfish divers というショップ。

店内に入ってダイビングについての説明を受けることになるが、何しろ初めての日本人スタッフがいない海外ショップなので最初は不安に思っていた。しかしながら、さすがに海外からの観光客が多い町らしく、そのあたりはスタッフも慣れたもの。わかりやすい英語で話してくれるし、ダイビング用語などは世界共通なので意思の疎通は問題なくできた。何事も不安に思う前に行動を起こしてみれば意外と何とかなるという一例で、旅行前にメールでやり取りした時に受け取った「Underwater we all speak the same language.」というメッセージの通り。

ただし、ひとつだけ想定外のことが起きた。アヤナパのダイビングポイントとしては Zenobia という沈船が有名で、そこへ行きたいと思っていたのだが、そのためには別便で早朝に出発する必要があったという。「数日前に送ったメールに返信がなかったがら、ゼノビアへのダイビングは手配していない」と言われたが、このところ滞在するホテル(特にレフコシアの RIMI ホテル)の WiFi が不調だったのでメールを見ていない。そういうことなら旅行出発前にメールを送ってほしかった。

ゼノビアでのダイビングは毎日の催行ではなく、翌日はないという。なので、アヤナパで一番有名なダイビングスポットへ行けないということになってしまった。前日の夜にショップの前を通った際、立ち寄っておけばよかったということを後悔。

しかしまあ、残念に思っても仕方がないので、ゼノビアとは別便のアヤナパ近郊でのダイビングに参加することにした。これでアヤナパを再訪する理由ができたとも言えるし、前向きに考えたい。

ダイビングの参加者は私の他にロシア人夫婦の2人で、ガイドと合わせて4人で出発。最初は KONNOS BAY というポイントで、崖の上から下りていくことになる。

海外でダイビングをやると、ときどき「この人はいったい何キロのウェイトが必要なんだろう」と思えるような大きな人に遭遇することがある。前を歩いているロシア人(夫のほう)も、その一人。

崖の下まで来ると、海は透明度が高そう。

ここではシッティングバックロールでもジャイアントストライドでもなく「スタンディングバックロール」という方法でエントリー。こういうのは今までやったことがないが、ビーチではなく岩場だし、地形によっては一般的なのかもしれない。

潜水すると透明度の高い青い海が広がっていた。

このポイントでの主な風景は以下の通りで、潜ってすぐに思ったのは「なんだか魚は少ないな」ということ。もしかしたら季節的な要因で生物が少なかったのかもしれないが、こういう水中世界は珍しい。

もっとも、私は水中生物以外に地形を見るのも好きなので、独特の雰囲気があるダイビングを楽しめた。

ダイビングログは以下の通り。

  • 天候:晴
  • 気温:27℃
  • 水温:27℃
  • 潜水時間:49分
  • 最大深度:15.3m
  • 平均深度:10.4m
  • 透明度:25m

1本目のダイビングを終え、車で次のポイントへ移動。2本目は CAVE GREKO というポイントで、名前の通り洞窟を通るのがメインになる。

1本目と同様に崖を降りたところがエントリーポイント。左の写真に写っているスキンヘッドの男性がガイド。

ここでもスタンディングバックロールでエントリー。潜行して思ったのは、1本目と同じく「魚がいない」。

まあ、ここは明らかに地形ポイントだし、洞窟めぐりを楽しむことにした。すぐに水中洞窟が現れて、ガイドに続いて中に入る。

私は地上でも趣味としてケイビングを始めたいと考えているほど洞窟探検は好きなので、狭い水中洞窟の連続は面白かった。圧迫感を感じるので洞窟は駄目という人も多いようだが、私はすごく楽しい。

ダイビング中、急に横に人がいてぎょっとしたが、この人はシュノーケリング中だった。水底近くにダイバーが見えたので、深く潜行してきて驚かせようとしたらしい。横にいるときの写真は撮れなかったが、ときどき潜行しようとしているところの写真を撮ってみた。シュノーケリングでこんなに深いところまで潜れるのが驚き。

それにしても、いきなり腕をつかまれたときはサンゲリアの水中ゾンビかと思った。

ところどころ、岩場から空気の泡が立ち上っている風景が見られた。これは洞窟を通ったときにダイバーが吐いた空気が岩の隙間を通って上がってきたもの。洞窟ポイントではときどき見ることのできる眺め。

水中生物はまったくいないわけではなく、洞窟の中にはときどき魚の群れがいた。ただ、今までに潜ったことのある海と比べると、かなり少ない。魚派のダイバーには物足りないかも。

最後はここからエグジット。

しかし、こういうところから水面に浮上するのは初めての体験だった。穴の縁に腰掛けてフィンを外し、立ち上がって穴を離れたが、こういうエグジットポイントは少ないと思う。

2本目のダイビングログは以下の通り。

  • 天候:晴
  • 気温:27℃
  • 水温:27℃
  • 潜水時間:45分
  • 最大深度:12.0m
  • 平均深度:8.2m
  • 透明度:25m

これで、この日のダイビングが終了。タンクを背負ったまま階段を上がり、崖の上へ移動。高低差があるので、ちょっと疲れた。

車に乗り、ダイビングショップへ戻った。もともとダイビングはこの日だけの予定で、翌日はビーチでゆっくりすることを考えてたのだが、もう少し潜りたくなったこととビーチにはトップレスがいそうにないことから、翌日のダイビングも申し込むことにした。ピックアップトラックでホテルまで送ってもらい、午後2時半にホテル着。


30分ほど休憩し、外出することにした。目的地はニシビーチ(NISSI BEACH)で、偶然にも日本語と意味が一致してアヤナパ中心部の西の方向にある。前日に泳いだ街の中心にあるビーチと並んで、アヤナパできれいなビーチということなので行ってみることにしたのだが、決してトップレスがいるかもしれないという淡い期待が目的ではない。

街の中心部からバスに乗り、ビーチの方へ向かっていると車窓にこういう店が見えた。

最初はセブンイレブンかと思ったが、よく見たら seven days だった。こんなパロディみたいな店を堂々と作るのが驚きで、帰国後に周囲に写真を見せたらみんな大ウケ。ここまで面白いと本家にばれても怒られないかもしれない。

さらに、ビーチの近くにこういうスポットがあった。

恐竜ランド(Dinosaur Land)という見るからにB級スポットという感じの公園だが、オープンしているのは17時から23時までとなっていて、この時間はまだ入れない。まずはビーチへ行ってみることにした。

バスを下り(バス料金は1.5ユーロ)、バス停から少し歩くとビーチが見えてきた。

昼食がまだだったので、海水浴客向けの店でハムチーズトーストとフレッシュオレンジジュースの昼食にした(4.5ユーロ)。その後ビーチを散策してみたが、もう午後4時くらいなので海水浴客も次々と引き上げていて、ビーチチェアも空きが目立っていた。まあ、この時間なら仕方がない。

もう少し歩いてみたが、天候も曇り空になってきたし、歩き疲れたのでこれでアヤナパへ戻ることにした(トップレスはいなかった。やはり淡い期待だった)。恐竜ランドにも興味はあるものの、オープンの17時までまでもう少し時間がある。この町に来る機会はまたあるだろうし、そのときに入ってみることにしたい。

バスでアヤナパの中心部に戻り、港の方に歩くと日没が近づいているのが見えた。

日没がよく見える海岸まで移動し、しばらく景色を眺めてみた。旅行中に日没を眺めるのは好きなので、完全に日が沈むまでベンチに座って休憩。もしかしたらグリーンフラッシュが見えるかと思ったが、さすがにそんな稀な現象は起きなかった。

ちなみに私は学生時代の乗船実習で南太平洋へ航海した際、これ以上ないほど鮮明なグリーンフラッシュを見たことがある。どこかでもう一度見たいと考えているが、今のところこれが唯一の体験。

日没後、街中を歩いているとこういう行列に出会った。

ついていくと、こういうイベントが行われていた。民族衣装を着たグループが踊っていたが、人が多くて近くで見ることはできなかった。それに歩き疲れているので立ったままダンスを見続けるのもきつい。

イベント会場を離れ、夕食にした。今回の旅行では食事に金を使いすぎているように感じていたので、この日は節約してケンタッキーで夕食にしたが、それでも値段は8.25ユーロ。

夕食後、いったんホテルに戻って休憩した。


夜9時に再び外出し、前日に続いて「第2のイビサ島」と呼ばれるほどバーやクラブが並んでいるエリアを歩いてみた。ここで遅くまでアルコールを飲むような元気はないが、パラノイアという店だけは興味があるかも。

かなり騒々しいエリアだが、深夜1時半からは静かになるらしい。その時間に出歩くつもりはないが、しかしみんなヘッドフォンを付けて踊っている「サイレントディスコ」は一度見てみたい気がする。日本でちょっと話題になった「無音盆踊り」みたいなものだろうか。

夜10時、散策を終えてホテルに戻った。この日は0時に就寝。