キプロス旅行記(アヤナパ / ダイビング2日目)

ダイビング2日目。この日は最初の予定ではビーチでのんびりすることを考えていたのだが、ビーチにトップレスもいないし 急遽ダイビングをやることになった。前日とは違うポイントを見られたし、結果として予定を変更してよかったと思っている。


朝7時半に起床。9時過ぎにスタッフが車で迎えに来て、一緒にダイビングショップへ移動した。この日も前日と同じメンバー(ロシア人夫婦とガイド)で、器材を車に乗せてすぐに出発した。

最初は Chapel というポイントで、前日と同様に崖に面した場所にある。

ここから階段を下りていくわけだが、キプロスではこういうダイビングポイントが一般的なんだろうか。

崖を下りたところにある岩場がエントリーポイント。前日と同様にシッティングバックロールでもジャイアントストライドでもなくスタンディングバックロールでエントリー。今までやったことがなかったエントリー方法だが、3回目になると慣れてきた。

潜行すると、海の透明度はかなり高い。ただし前日と同様に生物は少ない。

魚派のダイバーには、ちょっと物足りないかも。私の場合は水中生物以外に地形を見るのも好きだし、何より透明度が高いので楽しかった。

もちろん水中生物がまったくいないわけではない。岩場の下には魚もいる。右の生き物はたしかヒトデだったと思う。

ダイビングログは以下の通り。

  • 天候:晴
  • 気温:27℃
  • 水温:27℃
  • 潜水時間:44分
  • 最大深度:17.1m
  • 平均深度:12.2m
  • 透明度:25m

1本目のダイビングを終えて岩場に上がると、入り江に船が入ってきた。シュノーケリング客を満載したクルーズ船で、次々に海に飛び込んで泳いだり、一部は岩場を上がってきていた。

シュノーケリング客と一緒に、こちらはタンクを背負ったまま崖の上へ。ここには小さな教会があって、シュノーケリング客はその周辺を歩き回っていた。こちらもタンクを下ろし、しばらく休憩。

ダイビングを始める前は海では主にシュノーケリングをやっていたわけだが、今になって感じるのは「ダイビングは30メートル以上まで潜ることができるので、垂直方向に世界が広がる」ということ。シュノーケリングでは見ることができなかった世界をいくつも体験できたし、ダイビングを始めてよかったと思う。お節介かもしれないが、シュノーケリング客に「ダイビングだと世界が広がりますよ」と話したい気持だった。


車で少し移動し、2本目は Paramount というポイントでダイビング。ここは、それまでのポイントとは違って崖の上ではなく平地だった。なのでタンクを背負ったまま階段を上下する必要はなく、先ほどよりは楽。

ここのポイントも透明度は高そう。

さすがにここはスタンディングバックロールではなく歩いてエントリー。潜行すると、水の中は青く光っていた。

このポイントは両側が岩場になった道のようなものが海底に長く続いていて、それに沿って進むようになっていた。なぜこんなはっきりした道ができたのか、そのあたりはよくわからなかった。

ここでは一本道に沿ってゆったりと進み、途中でターンして同じ道を戻ってくるというダイビングだった。相変わらず水中生物は少ないが、地形は面白い。

もちろん岩場の下あたりには魚の群れもいる。あと、タコや(多分)ハコフグもいた。

これは人によっては生理的に受け付けないかも。水中に棲むヤスデみたいな多足生物。

一緒にダイビングを行ったロシア人夫婦も撮ってみた。夫のほうを見ると、水中では水圧がかかるので体は細くなるということを改めて実感。海に入る前にしっかり締めたウェイトベルトが水中ではゆるゆるになるので、もちろん自分でも実感しているが、体格の大きな人が水中でどうなるかを見ると一目瞭然。

名残惜しかったが、そろそろ浮上しないといけない。これでキプロスでのダイビングが終了。

2本目のダイビングログは以下の通り。

  • 天候:晴
  • 気温:27℃
  • 水温:27℃
  • 潜水時間:51分
  • 最大深度:11.0m
  • 平均深度:8.5m
  • 透明度:25m

岩場に上がると遠くにクルーズ船が見えた。この船もシュノーケリング客で満員。

器材を外し、ショップに戻ることにした。なぜか水中生物は少なかったが、海の透明度は高いし、地形は面白い。日本人にとってはキプロスでのダイビングというのはメジャーではないが、楽しかった。また来たい。


ダイビングショップに戻り、レンタル器材の片づけを行っていると店の前をこういうバスが走っていった。

装飾と音楽からウェディングバスだろうと思い、店のスタッフに聞いてみたら正解だった。こういうバスはパフォスでも見かけたし、キプロスではよくある風景なのかもしれない。

その後、店内でログを書いているとロシア人夫婦が「その紙を1枚くれないか」と言ってきた。日本語で記載されたログブックが珍しかったらしく、1枚渡すと「クール!」と言って喜んでくれた。ロシア人は意外と親日で日本に興味がある人が多いという話を聞いたことがあるが、今回はこの夫婦の行動からもそれを実感した。

ログにガイドのサインをもらい、最後にダイビング料金を精算した。料金は2日間のダイビングとレンタルで総額170ユーロ。いいダイビングショップだったし、ここはアヤナパではお勧め。こちらも近いうちに再訪して、そのときはゼノビアの沈船ダイビングをやってみたい。

ロシア人夫婦に別れの挨拶をして、ガイドには「いつかまた来ます」と伝えてから車でいったんホテルへ。送迎の運転手に挨拶して、部屋に戻ってしばらく休憩した。


時刻は午後2時半。ダイビングは予想以上に体力を使うので眠くなってきたが、しかし明るいうちにもう少し出歩かないともったいない。そこで、前々日に泳いだアヤナパ市街のビーチへ行ってみることにした。まずはビーチ沿いの店でパスタとフレッシュオレンジジュースの昼食にして(値段は12ユーロ)、ビーチへ。

しかしながら、透明度の高い海を最後にもう一度見ようと思ったのだがビーチに着いたら予想外の強風。ダイビングのときは風は感じなかったので、方角の問題か、または午後から風が急変したらしい。おかげで砂が巻き上げられてしまい、海に入ったら透明度は前々日とは一変していた。

いや、決して狙って撮ったわけではありません。

この状況ではビーチに長居しても仕方がないので、そこそこで切り上げてホテルに戻った。今回最後のビーチはちょっと残念だったが、次回の旅行の際はまたここで泳いでみたい。


午後7時半に外出し、夕食のついでに散策することにした。街中を少し歩いた後、前日も歩いた遊園地のほうへ行くとこういう店があった。

今回はこういうナイトスポットに入るような元気はなかったので外から眺めただけ。もっと若かったら思いきって中に入ったかもしれない。昼間はビーチで何もせずにだらだらと過ごし、夜はこういうところでアルコールを飲みながら遅くまで騒ぐのが欧米流のバカンスの楽しみ方なのだろう。昼間に観光やアクティビティを楽しまないともったいない気持になる日本人とは対照的。

アヤナパの市街に戻り、こういう店があったので入ってみた。

日本料理店「わがまま」。この旅行当時は知らなかったが、帰国後に聞いたところイギリス資本でヨーロッパ各地に展開している日本料理店だという。名前が面白かったので入ってみたのだが、ここの客は「わがまま」の意味がわかっているんだろうか。

キプロスでも日本料理は人気らしく、店内はそれなりに賑わっている。

ここではビーフテリヤキ丼とチキンラーメンを注文してみた。写真には写っていないが、ビールと食後のジャスミンティを合わせて値段は26.9ユーロ。ちょっと高いが、最後の夕食なので贅沢してみた。考えてみれば、今回の旅行で初めて米を食べた。

味はまあ可もなく不可もなくといった感じ。こちらも多大な期待をしていたわけではないので、久しぶりの日本食に満足した。店員が何となくこちらを気にしているような感じがしたが、日本人が滅多にいない町の日本料理店に日本人が来たら店の人はやはり気になるんだろうか。

夕食後、街中を歩いていたらレストランでシンガーが歌っていた。モニターはカラオケを使っているのか、本職のシンガーが歌っていても画面に歌詞が流れるところが面白い。

さらに歩いていると、こういうイベントをやっていた。ちゃんと見てみたい気もしたが、さすがに歩き疲れてきた。

ホテルへ戻ることにして、イベント会場を後にしようとしたら病院の車が停まっていた。車体に書かれている名前が懐かしく、つい写真を撮ってみた。

NAPA OLYMPIC というのは、私が前回(2001年)にキプロスを旅行した際、この町で生涯初(そして今のところ生涯唯一)の入院体験をした病院。なぜ入院することになったのかは当サイトのエジプト~キプロス~ギリシャ旅行記を読んでもらえばわかるが、簡単に流れを書くと以下の通り。

  1. 朝ビーチへ行くと、トップレスが多いことに驚愕
  2. 昼間にはビーチにいる女性の半分以上がトップレス。普通に歩けないくらいに(以下略)
  3. 帰るのがもったいなくなり、夕方5時ごろまでビーチに
  4. いったんホテルに戻り、夕食のために外出してレストランに座ったところで急激に気分が悪くなってきた
  5. 気がつくと床に倒れていて、店の人が救急車を呼んで病院に運ばれる
  6. 診断は日射病で、結局1日入院

これは人に話すとかなりウケるので、私の旅行話の定番になっているが、このときに入院した病院が NAPA OLYMPIC だった。15年ぶりに病院名を見て、当時(前の会社を辞めるときの有給休暇消化期間に実行した25日間の旅行)を思い出すと感慨深い。あのときの診断カルテはまだ病院に残っているだろうか。

病院名を見て感慨に浸ったところで、ホテルに戻ることにした。翌日はキプロス旅行最終日になる。この日は深夜1時に就寝。