台湾滞在2日目。というより、3連休の弾丸旅行なので観光できるのは実質この日だけ。まずは台中市内にある彩虹眷村へ行き、それから彰化へ移動して八卦山と南天宮を見ることにしていた。どれも楽しみ。
朝8時45分にホテルを出て、すぐ近くにある台中駅へ。台中駅はなかなか味のある駅舎。
台中駅から普通列車に乗って新烏日駅へ移動。15分ほどで到着し、運賃は15元。ここは台湾高速鉄道との乗換駅で、在来線は新烏日駅だが台湾高速鉄道では高鉄台中駅になる。日本だと新幹線と在来線の駅は同じ名前だが、台湾では必ずしもそうではない。
バス乗り場方面へ歩いていると、こういう紙製のオブジェが並んでいた。何かイベントでもやっていたのかもしれない。
しかし野菜はよくできている。
さらに、ここには子供向けの列車も走っていた。台湾高速鉄道もなかなか頑張っている。
では、これから彩虹眷村へ向かうことにする。事前にインターネットで調べたところ、彩虹眷村へはバスで行けないこともないが、路線がわかりにくい上にバス停からも少し歩かないといけないらしい。あまり迷っている時間もないので、今回はタクシーを利用することにしていた。
高鉄台中駅を出るとタクシー乗り場があり、暇そうにしていた運転手に「彩虹眷村」と書いた紙を見せてタクシーに乗り込んだ。彩虹眷村までの所要時間は15分ほどで、料金は150元だった。
タクシーを下りると、目の前に彩虹眷村が見える。
ただ、同時に近くにあるバス停も目に入った。近寄ってみると、まさに「彩虹眷村」という名前のバス停で、ここから高鉄台中駅への路線があることになっている。どうやら、観光地として有名になってきたので市当局も路線バスを通すようにしたらしい。事前にインターネットで調べたときは情報がなかったので、おそらく最近になって開通したのだろう。
というわけで帰りはバスで高鉄台中駅へ戻ることにして、彩虹眷村に入ることにした。
彩虹眷村については、最近は日本のテレビ番組などでも取り上げられるようになってきたので知っている人もいると思う。簡単に言うと「台湾に渡ってきた国民党の人たちが住む街区があったが、老朽化したため当局が取り壊そうとしたところ、それに反対する1人の老人が壁や地面に大量の絵を描き始めたエリア」のこと。
絵を描くことで取り壊しを阻止しようという考えもすごいが、それらがいったいどうやって思いついたのかというくらいカラフルでファンシーな絵柄で、これをお爺さんが描いたとは信じられない。
ただし、古い街区が残されているのは絵が描かれた一画のみで、後は更地になっている。結局、当局としては観光地としての価値のある一画のみを残し、後はすべて再開発を進めたということ。再開発は進むし人気の観光地は作ってくれるし、当局は大喜びかもしれない。
権力者に対する抵抗として始めた行為が結局は権力者も喜ぶ観光地になってしまったという、何だか釈然としないスポットだが、こちらは単なる観光客なのでカラフルな絵を楽しみながら歩くことにした。
それにしても、驚くほど派手な絵のオンパレード。
台湾の人たちにも人気の観光地らしく、大勢の人たちが歩いていた。下の写真は、何かの撮影を行っていたらしい男女。便乗して写真を撮ってみた。
ここから細い路地に入ることができる。
路地の中は絵の密集度がものすごく、歩いていると目がチカチカしてくるほど。色の洪水に圧倒されるのだが、これらのキャラクターは何か出典があるのだろうか。作者のお爺さんのオリジナルだとしたら発想力がすごい。
もちろん(絵ではないが)おなじみのキャラクターみたいな姿も。
そして、こちらが作者の黄永阜さん。1924年生まれということなので、この旅行当時で92歳になるのだが、元気に存命中。現在も絵を描き続けているということなので、そのエネルギーはすごい。
路地の中には土産物コーナーもある。ここでは扇子、クリアファイル、マグネットなどを買ってみた。マグネットにはカラフルな図柄の上に「出入平安」「平安百福」と書かれていて、今は自宅マンションのドアに貼って福を呼び寄せようと試みている。
土産物コーナーにはときどき黄永阜さん本人も立っているということだったが、このときは午前中ということで不在だった。会いたい人は午後に訪れるのがお勧め。
土産物を買った後、さらに周辺を一回りしてみた。
こちらの牛車は、ここに描かれたキャラクターの中で最大サイズだと思う。
壁だけでなく地面にもたくさんの絵が描かれているが、さすがにこちらは水溜りで汚れてきているものもあった。
しかし、壁と地面をこれだけ大量の絵で埋め尽くしたエネルギーはすごい。
ちょっと気に入っている風景がこちら。うまい具合に犬が絵に溶け込んでいて面白い。
周辺の様子はこんな感じ。小さな遊園地が作られていたり露店が出ていたり、すっかり観光地化されているのがわかる。このあたりにも、元々は同じような建物が並んでいたはず。
1時間ほど彩虹眷村を歩き回り、これで高鉄台中駅へ戻ることにした。見事なまでの観光地化に、最初にここが作られた経緯を考えると釈然としない気持ちがないわけではない。しかしこちらは単なる観光客だし、カラフルな風景は十分に楽しめた。おそらく、こんな不思議な景色が見られる場所は世界にもないと思う。台中を旅行する際は、ぜひとも訪れてほしいお勧めスポットといえる。
帰りは高鉄台中駅までバスで移動。わりと頻繁に便があるのか、それほど待たずに乗ることができた。高鉄台中駅までは15分ほどで、運賃は20元。彩虹眷村へ安く行きたい人はタクシーよりバスがお勧め。
高鉄台中駅に到着し、これから次の目的地の彰化へ向かうわけだが、その前に昼食にした。下の写真は高鉄台中駅の様子で、大戸屋やらヤマザキやら丸亀製麺やら、つい「ここは日本か?」と言いたくなる。
丸亀製麺できつねうどん(189元)を食べ、在来線の新烏日駅ホームへ向かう前に切符ロボットを見てみた。
最近は硬券なんて見なくなった。小学生くらいまでは使っていた記憶があるが。
では、11時45分発の各駅停車で新烏日駅を出発。目的地の彰化までは10分ほどの移動になり、運賃は15元だった。