香港旅行記(寶福山)

丘の上にある萬佛寺から麓まで戻ってきた。次の目的地は慈雲閣という寺院だが、そこへ行く前に近くの寶福山に立ち寄ってみた。ここも萬佛寺と同様に8年ぶりの再訪になる。


この白い門をくぐり、寶福山へ。

数段階にわたって続いている階段を上がったところに寶福山の本堂がある。この眺めも懐かしい。

この寺院の特徴は、階段だけでなくエスカレーターが設置されていること。こんな寺院は他には滅多にない。参拝者のために至れり尽くせり。

さらに、エスカレーターの横にはなんとケーブルカーの線路がある。ただし、こちらは「怪我をした人や高齢者専用」と表示されているので、該当しない人は利用できない。それにしても、参拝者への度を越した配慮ぶりがすごい。

エスカレーターで上に上がると本堂の前に出る。かなり立派な建物だが、寺院はこの奥にも続いている。

前回来たときは、おそらく葬儀の後に燃やすことになる豪邸やら麻雀卓やらベンツやらの紙模型が本堂内に置かれていて、その精巧な作りに感動したのを憶えている。しかし今回は時期が違ったらしく、そういう模型は見なかった。

本堂に参拝した後、奥へ歩くと池があった。寺院内は参拝者が多く歩いていたが、前回はほとんど人がいなかったので、かなり印象が違って見えた。

さらに奥へ歩くと、通路がダンジョンのように入り組んでいた。しばらく歩いていると自分がどの辺りにいるのかわからなくなる感じ。

建物がたくさん並んでるが、どれもこんな感じ。おそらく日本の納骨堂に相当する建物だと思う。

いくつかの建物は中に入ることができた。それぞれの区画が故人のもので、写真が貼ってないところは空きスペースだろうか。中華圏らしく、質感がなんとなく麻雀牌を連想させる。

よく見ると若くして亡くなった人も多い。この2人は約1ヶ月違いで亡くなっているので、事故か何かだろうか。享年30くらいなので、ちょっと悲しい気持になる。

しかし不思議だったのは、前回来たときに納骨堂エリアを見た記憶がまったくないこと。もしかして前回来たのは別の寺院だったのかとも思ったが、旅行後に本堂の写真を確認したら確かにこの寺院だった。なぜ前回は本堂の奥まで歩かなかったのか、確認してみたら時間に余裕がなかったらしい。もったいないことをしたものだが、今回新たなエリアを発見できたので、再訪してよかった。

こちらはお札の焼却場所。係りのおじいさんが、投げ込まれたお札の束を手際よく燃やしていた。

この寺院からは、先ほど歩いていた萬佛寺が遠望できた。

萬佛寺と比べると小ネタだが、この寶福山も面白い寺院だった。萬佛寺を訪れる際はセットで参拝してみてほしい。