国内旅行編(北海道 / 積丹半島ダイビング)

3年前の2015年に北海道の支笏湖と積丹半島でダイビングを行った際「次は真冬の北海道の海に潜ってみたい」などと考えたが、ピーチの福岡~新千歳の航空券が予想以上に安かったので(片道8,190円)、いよいよ極寒の海でのダイビングを実行することにした。


福岡空港を昼12時に出発する予定だったのが使用機到着遅れということで40分の遅延。まあ急ぐことはないので気にしない。

新千歳空港からは快速列車で宿泊地の小樽へ移動した。札幌で乗り換えずに小樽まで行けるので、旅行者としては便利なもの。九州に住んでいると、こんな雪景色を見るのは滅多にない体験。

小樽では駅前のドーミーイン小樽に泊まったのだが、宿泊客の8割が外国人と思えるほど、とにかく日本語を聞く機会が少ない。館内を歩いていると「ここは日本か?」と疑問に思えてくるほどで、外国人が多いと話には聞いていたものの、まさかここまでとは。

翌日の朝、出発する前の風景。

7時半に小樽を出発。積丹のダイビングショップの送迎ではなく、札幌市内の別のダイビングショップも積丹で潜るそうで、それに便乗して移動させてもらった。

積丹半島ダイビング

1時間ちょっとかかって、積丹町幌武意の漁港に到着した。3年ぶりなので懐かしいが、前回は7月だったので雪景色の幌武意漁港を見るのは初めて。

こちらが前回に続いて利用したダイビングショップのアクアキャット。

店の前を見てびっくり。ダイビングショップが除雪車を持ってる。

しかし、周囲を見てもこれから海へ行くとは思えない風景。当然ではあるのだが夏とは風景がまったく違う。

ショップの人たちとも3年ぶりに再会し、準備を始めることにした。何しろ今まで体験したことのない水温なので、Tシャツ+スウェット+セーター+インナースーツ+ドライスーツという重装備。インナースーツは持っていないのでレンタルし、ウェイトはこれまた未体験の11キロ。

では、重装備の上にカイロまで使うという状態で海へ。

このボートで出発。

では出港。この風景を見て、これから海へ潜ると考える人は皆無のはず。

1本目は「長谷川の島」というポイント。器材を背負い、完全防備で海へエントリー。ドライスーツを着ているが、手首から先と頭は海水に浸かる。相当に覚悟してエントリーしたが、しかし意外にも予想していたよりは寒くはなかった。

北海道の海といえばウニ。普段潜っている佐世保の海ではガンガゼばかりなので、ちょっと嬉しい。

さすがに冬の北海道の海は透明度が高い(20mほど)。右の写真に写っているのは小樽から一緒に移動した札幌のダイビングショップの人たち。

ここで見た魚。

これは何だったかなあ。ウミウシではなかったはず。

この時期は大きなミズダコが現れる。なかなかの迫力。

ガイドさんがミズダコと格闘中。

こちらはホテイウオの卵。

海の中ではそこまで寒さは感じなかったが、ボートに上がるとさすがに寒く、予想以上に疲れた。器材を外す前にしばらく座り込んでしまったのはダイビングを始めた当初以来。

  • 天候:曇り
  • 気温:0℃
  • 水温:6.7℃
  • 潜水時間:54分
  • 最大深度:18.7m
  • 平均深度:12.8m
  • 透明度:20m

この数字を見て、自分でも変態じゃないかと思う。


ガイドさんに言われていた通り、フードもグローブも外さずにショップに戻り(ボートの上で外すと手と頭が凍るから)、休憩して昼食。暖炉がありがたい。

ショップの猫。

休憩の後、性懲りもなく2本目に出発。次は「前浜」というポイントで、こちらも透明度は高い。

これは「カドリナウミウシ」。多分初めて見た。

逃げるミズダコ。形が面白い。

これはホテイウオ。

何となく間抜けな表情が面白い。

ボートに上がり、これで今回のダイビングが終了。

  • 天候:曇り
  • 気温:0℃
  • 水温:7.0℃
  • 潜水時間:52分
  • 最大深度:16.9m
  • 平均深度:11.8m
  • 透明度:20m

改めて写真とダイビングログを見てみると、自分でも変態だと思う。

船に上がってから座り込んでしまったが、ショップに戻ってから浴槽に浸かると落ち着いてきた。50℃以上の高温の湯が張ってあって、そのまま入ったら熱湯芸人になってしまうが、ここにドライスーツのまま入ると温かさがじんわりと伝わってくる。これは冬の北海道でないとできない体験だった。


初めての真冬の北海道でのダイビングだったが、海の中ではそこまでの寒さは感じなかった。むしろボートに上がってからが大変で、ショップに戻るまでの移動はまるで苦行。しかし、何事も経験です。

ガイドさんの話によると、真冬の北海道でのダイビングとして代表的な知床の流氷ダイブは、水温がさらに低いので15~20分程度だという。潜水時間の関係で、流氷ダイブよりも冬の積丹の海に50分ほど潜る方がずっと疲れるらしい。なので、次は来年の2月ごろに流氷ダイブをやりたい。

では、これで今回のダイビングは終了。器材を片付けて出発することにした。

しかし周囲の景色を見ると、よくこんなところで潜ったと思う。 次回ここへ来るのはいつになるだろう 。

今回利用したアクアキャットのサイトはこちら。

帰りも札幌の「ロビンソン」というダイビングショップの車に便乗させてもらったのだが、ここで知床の流氷ダイビングの話を聞かせてもらうことができた。それによると流氷が接岸する時期は流氷ダイビングも催行しており、通常であればダイビングショップを通さないと受け入れていないそうだが、会ったことがある人であれば個人でも申し込み可能ということだった。

おかげで「来年はぜひ行きたい」と伝えると受け付けてもらえることになった。こういう縁が生まれるのだから、あちこち動き回ってみるものですねえ。

小樽運河クルーズ

小樽に戻り、夜は運河周辺を歩いてみた。氷柱の長さがさすが北海道。

せっかく小樽に来ているので、運河クルーズに乗ってみることにした。

では出発。極寒の中、船内は物好きな観光客でいっぱい。

波が高いということで小樽港までのクルーズはできず、運河内だけの運航。

クルーズの感想は「寒い!」。やっぱり真冬に来るものではないかも。


3日間の弾丸旅行なので、翌日はもう出発日。この日は朝からいい天気。

前日のうちに新千歳空港行き快速の指定席を購入していたので、海を眺めながら優雅な旅行気分を味わう。

しかし新千歳空港に到着したら一転して雪景色。

来たときと同様に、ピーチの福岡便は出発が30分ほど遅れた。さすがピーチ。

これで3日間の北海道旅行が終了。真冬の北海道で海に潜るというレアな体験ができた。次は来年の冬に知床で流氷ダイビングをやってみたいし、幌武意にもまた来たい。

(2018.2.2~4)


2015年7月に積丹でダイビングしたときの風景はこちら。当然、海の中は真冬とはまったく違っていた。

さらに翌年の2019年7月、再び積丹の海で潜ってきた。こちらについては当サイト別館の記事を参照。