モルドバ&ルーマニア旅行記(ブカレスト / ヘラストラウ公園)

ブカレスト滞在中にもっとも見たかった「国民の館」ガイドツアーを終え、この日の午後は市街にあるヘラストラウ公園周辺を散策してみた。

ここはヘラストラウ湖を中心とした庶民の行楽地という感じで、地元の人たちと一緒に遊覧船に乗ったり、かなり楽しめる場所だった。


ヘラストラウ公園へは地下鉄で移動することになるので、まずは統一広場駅へ。2.5レイでチケットを買い、ホームで待っているとすぐに列車がやってきた。地下鉄で写真を撮るのは緊張するものだが、多くの乗客が下りてガラガラになったので、安心して車内の写真を撮ることができた。

統一広場駅から10分ほどで Aviatorilor 駅に到着。ここがヘラストラウ公園の最寄り駅になる。地上に出ると、歩道に緑が溢れていていい雰囲気。

駅から歩いていくと、凱旋門があった。私はフランスには行ったことがないので(ニューカレドニアはあるが)、パリの凱旋門はまだ見ていない。なので比較はできないが、しかしブカレストの凱旋門もかなり立派なものだと思う。

いくつかの角度から凱旋門を見てみた。最初の建造は1878年だそうだが、現在の凱旋門3代目で1936年に建てられたもの。高さは27メートル。

凱旋門を一回りした後、行方不明の犬の捜索願いと一緒に写真を撮ってみた。無事に見つかるといいですね。

凱旋門のすぐ近くに公園の入口があった。中に入ると、湖までは森の中の道が続いている。

歩いていくと、なぜかマイケル・ジャクソンの記念碑があった。「HIS MUSIC WILL LIVE FOREVER」「MTV – M is for Michael」などと書かれているが、例の国民の館での「ハロー、ブダペスト!」という愉快な間違いのおかげで、ルーマニア国民はマイケル・ジャクソンが大好きになったんだろうか。

マイケル・ジャクソンのモニュメントを過ぎると、やがて湖畔に出た。湖畔の樹木がきれい。

ヘラストラウ湖は予想していたよりもずっと大きな湖だった。湖水もきれい。

ブカレスト市民の憩いの場になっているようで、散策している人も多い。しばらく、湖岸に沿って歩いてみた。

公園内の主な風景を下に載せておく。

散策しているとハードロックカフェがあった。しかしハードロックカフェといえば街中にあるというイメージだったので、こういう風光明媚な湖畔にあるというのがなんとなく場違いに思える。なので最初は「本物か?」とも思ったが、後で調べたら正真正銘のハードロックカフェだった。カンファレンスでも表彰されたことのある名店だったらしく、疑ってしまって申し訳ない。

特に飲食するつもりはなかったが、土産物コーナーには自由に入れるのでTシャツなどを眺めてみた。結局Tシャツは買わなかったが、ドラキュラのTシャツなどはネタとしても面白かったかもしれない。

ここで買ったのはビールグラス(52レイ)。これを持っている人は案外少ないかも。

ハードロックカフェを出ると、近くに見事な噴水があった。

散策しているとレストランみたいな建物があったので入ってみた。ただ、テーブルの配置がまるで研修施設みたいな感じだったので、一般向けのレストランだったのかはわからない。あるいは、団体客のために一時的にテーブルをまとめていたんだろうか。

さらに湖畔を歩いていると、遊覧船の乗り場を発見。これはぜひ乗ってみたいと思ったので、5レイでチケットを買い、出発を待つことにした。

遊覧船の出発は18時20分。そういう時間には見えないかもしれないが、ブカレストはまだ明るい。

遊覧船の上は風が涼しくて気分がいい。きれいな湖を見ながら、ちょっとしたクルーズを楽しんだ。

遠くに観覧車が見えた。あの遊園地にも言ってみたいものだが、残念ながら時間がない。

クルーズ時間は25分ほど。かなり楽しかったので、ヘラストラウ公園ではぜひ遊覧船に乗ってみてほしい。これはおすすめ。

遊覧船を下り、そろそろブカレスト市街へ戻ることにして公園入口の方へ歩くと「日本庭園」というエリアがあった。

ちょっと面白そうだったので入ってみた。外国の人が一般的にイメージするような日本的な風景が並んでいて、日本人も楽しめる。

実はルーマニアは親日国らしいので、こういう公園を見るとちょっと嬉しい。

夕陽を浴びた凱旋門を見てから、地下鉄の駅の方へ戻る。

駅の近くに、こういう像があった。近くに地元の人たちが多く集まっているようだったので、そちらへ歩いてみた。なお、ここもヘラストラウ公園のエリア内。

いくつかテントが建っていたが、これはおそらくコスプレして写真撮影する店だと思う。

その先に人だかりができていた。覗いてみると、これは劇団の公演だった。

観客に向かって挨拶する、劇団の主宰らしいおじさん。

このときに見た演劇の風景。いろんな格好をした劇団員たちが次々と現れてきて、見ていると面白かった。

劇団員のアップ。いろんな仮装をしている。よくわからないが、おそらくそれぞれにモチーフがあるんだろう。

このときの動画をアップしておく。主催のおじさんが話しているルーマニア語がわかる人がいたら、内容を教えてほしい。

近くにこういうトラックが停まっていた。この劇団の名前は “MASCA” で、名前の通り仮面がテーマらしい。

トラックに書かれていた文字で検索したら公式サイトがあったので載せておく。

予想外の演劇も見られたし、ヘラストラウ公園へ来てみてよかった。ブカレストで半日ほど時間があるときは、この公園はおすすめの観光スポット。


Aviatorilor 駅から地下鉄で統一広場駅へ戻り、旧市街の野外レストランで夕食。この日も最初はギネスビール。

注文したのはラムステーキ。ルーマニア滞在最後の夜だが、前日のビーフステーキで贅沢をしたので、この日はちょっと節約してみた。食後のカフェラテと合わせて、値段は71レイ。

レストランから、こういう建物が見える。興味がなくはないものの、ここに入るのはちょっと勇気が必要と思う。今回は入らなかった。

食後も少し散策し、夜10時にホテルに戻った。


部屋でテレビを見ていると、なんだか見たことのあるような番組が始まった。

まさか、風雲たけし城?

最初は信じられなかったが、これはまさしく1980年代に放送されていた「痛快なりゆき番組、風雲!たけし城」だった。竜神池なんて懐かしすぎる。

それにしても、なんでこんな古い番組をやっているのかと思ったが、帰国後に少し調べてみたら30年前の番組がなぜか2018年ごろから世界で人気になっているらしい。世の中は本当に予想もしないことが起きるものだと思う。

ビートたけしが若い! さらに谷隼人も! あと写真は撮れなかったがアニマル・レスリーもいた。

この番組を見ていたのは私が高校生のころ。懐かしいのと、この番組をルーマニアで見ているという状況が信じられなくて、ずっと見入ってしまった。このとき放送されていた回に出演していた一般人たちは、今はどういう生活をしているんだろう。おそらく、自分の姿が海外で流れていることを知らないはず。

予想外の番組に遭遇したことに驚きながら、この日は1時に就寝。


いよいよルーマニア出発の日になった。朝8時に起床し、朝食を終えてから10時にチェックアウト。これで見納めと思って旧市街を少し歩いてみた。

ところで、旅行前は治安があまりよくないというイメージを持っていたブカレストだが、今回の滞在では危険そうな雰囲気を感じることはまったくなかった。もちろん、夜は観光客が多い旧市街しか歩いていないし、運がよかっただけかもしれない。しかし旅行前の情報では極端に危険とされていたノルド駅も何が危ないのかわからなかったし、今は治安は大きく改善されていると考えていいと思う。

そろそろ空港へ向かわないといけない時間になったので、統一広場にある783番のバス乗り場へ。

チケットは乗り場近くの小屋で買うのだが、なぜか2回券しか売られていない(8.6レイ)。「空港へは往復するのが当然だろ」という考えなのかもしれないが、おかげで私のようにモルドバから移動してきた人間は1回分を損することになる。まあ、仕方のないことではあるんだが。

10時半に出発。バスは前日も眺めた凱旋門の前を通る。

統一広場から45分でブカレストのアンリ・コアンダ国際空港に到着した。

アエロフロートのカウンターでチェックインを行い、ルーマニアを出国した。いくつか土産物を買った後、13時に搭乗開始。

13時30分に離陸。再び、この国を訪れることはあるだろうか。

モスクワ到着は16時30分。トランジットアリアでバニラシェイク(330ルーブル)を飲んで時間をつぶし、19時40分に上海行きの搭乗が始まった。20時過ぎにモスクワを出発。


午前9時45分、上海に到着。いったん中国に入国し、ターミナル2からターミナル1へ移動した。ターミナルが違うと、乗り継ぎには意外と時間がかかる。ただ、このときにちょっと失敗をしたことが後でわかった。

ターミナル1で中国を出国し、14時20分に上海を出発。17時20分に福岡空港に到着した。普通であればこれで旅行が終わり、後は高速バスで佐世保へ戻るだけなのだが、ブカレストで預けた荷物が福岡空港で出てこない。

ターンテーブルが止まるまで待っていたが、荷物が現れないので空港のスタッフに尋ねてみた。すると、調べてもらったところ預けた荷物は上海で止まっているという。どうやら、乗り継ぎの際にターミナル2で荷物を受け取り、ターミナル1で再度預けないといけなかったらしい。

ただ、こういうケースがあり得ることは事前に予想していて、ブカレストで何度も「荷物は本当に福岡空港まで行くのか」「モスクワや上海でいったん受け取る必要はないのか」「上海から先はアエロフロートではなく中国東方航空だが、本当に大丈夫か」と確認していた。そのときにスタッフが自信満々に「福岡空港まで行く」と話していたので、それを信用してしまっていた。結局、何事も疑ってかかることが必要で、上海で一応確認してみればよかった。

荷物は別途送付してもらえることになったので、ロストバゲージの手続きをしてから福岡空港を出発したが、しかし家の鍵を預け荷物に入れておかなくてよかった。ただしレンタルしたポケット WiFi を入れていたので返却できない。これについては、空港スタッフと一緒にカウンターで事情を説明して、後日の返却ということを了承してもらった。遅延料金も発生しないということなので、これについてはグローバル WiFi の対応には感謝している。

帰国の1週間後、荷物が無事に宅配便で送られてきたところで、今回のモルドバ&ルーマニア旅行が終了。


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