モルドバ&ルーマニア旅行記(上海編 / 錦江楽園)

旅行出発日の目的地はモルドバの首都キシナウだが、上海での乗継ぎ時間が10時間ほどある。

せっかくなので上海に面白そうなスポットはないかと探したところ「錦江楽園」という遊園地が見つかった。「いろんな意味でアウトの遊園地」という情報が気になり、行ってみることにしていた。


昼ごろ、福岡空港に到着してユーロへの両替とポケット WiFi のレンタルを行った。1台かと思っていたら渡されたのは以下の2台で、店員の説明によるとモルドバやルーマニアという一般的ではない国のためポケット WiFi もそれぞれ別に必要ということだった。充電器も2つになるので荷物が増えてしまうが仕方がない。(下の写真はモルドバからルーマニアへの国際夜行列車の車内で撮ったもの)

出発が30分ほど遅れ、午後2時半に福岡空港を出発。上海までの飛行時間は2時間ほど。

午後4時に中国に入国し、ターミナルにある手荷物一時預かり所にバックパックを預けてから錦江楽園へ向かう。まずは MAGLEV(上海リニア)で空港から竜陽路駅へ。料金は50元で、8分で竜陽路駅に到着した。

しかし上海リニアに乗るたびに思うのだが、座席などの設備がずいぶんと簡素なのが不思議。中国人はメンツにこだわる人たちだと思っていたが、なんでこんなちゃちな作りにしたんだろう。

竜陽路駅で地下鉄2号線に乗り換え。

途中の人民広場駅で2号線から1号線に乗り換え、55分で錦江楽園駅に到着した(料金は5元)。ここは遊園地がそのまま駅名になっていて、駅から地下道を通って5分ほど歩くと錦江楽園の前に出た。

まずはチケットを買おうと思い、窓口に行ったところ全部閉まっている。さらに、入場ゲートにもスタッフは誰もおらず、みんな自由に出入りしている。状況がよくわからないが、夕方からは入場無料になるのかもしれない。

というわけでチケットは買わずに中に入った。このときはラッキーくらいにしか思わなかったが、後でちょっと困ったことになった。

案内図を見ると、遊園地はかなり広い。

まずは入場ゲートの近くにあったホラーハウスへ。乗り物に乗って進んでいくお化け屋敷で、ここはぜひとも見てみたいと思っていた。

しかしながら、チケットが買えない。当初は「アトラクションがいくつかセットになったチケットがある」という情報があったのでそれを利用するつもりだったが、前述のようにチケットを持っていないので個別にアトラクションのチケットを買う必要がある。ところが園内は(観覧車を除いて)完全にキャッシュレス化されているようで、現金では乗ることができない。

ホラーハウスの受付にいたおじさんが「こういうものが必要だ」という感じでスマートフォンの画面を見せてくれたが、全部中国語。どうやら、スマホを使って各アトラクションのチケットを購入し、その画面を見せないと乗れないらしい。こちらも急には対応できないし、残念だがホラーハウスは諦めることにした。次は入場ゲート前の窓口が開いている時間に来たい。

園内を先へ歩いていると「いろんな意味でアウト」のひとつが現れた。いいんですかね、これ。

ただ、ところどころにこういうB級物件はあるものの、遊園地のアトラクション自体はわりと充実している。これなら家族連れでも1日中楽しめそう。なお「火山影※院」というのはゲームコーナー。(※は居に「りっとう」)

園内のゴミ箱のデザインが面白い。「リサイクル」「ごみ」という日本語も記載されているので、意外と日本人も来る遊園地なのかもしれない。

「いろんな意味でアウト」の2つ目。いいんですかね、これ。

驚いたのは、園内に「士林夜市」というフードコートがあったこと。

士林夜市といえばもちろん台北にある有名な夜市で、まさか上海でその名前を見ることになるとは思っていなかった。どういう経緯で士林夜市が作られたのかはわからないが、あるいは中国による台湾取り込み政策の一環なのかもしれない。台湾大好き人間としては、ちょっと複雑な気分。

せっかくなので何か食べようと思ったが、ここも完全にキャッシュレス化されていて、みんなスマホで支払いを行っている。急には対応できないし、仕方がないので諦めた。中国ではキャッシュレス化が急速に進んでいることを実感。

士林夜市に「いろんな意味でアウト」の3つ目があった。

暗くなってくると、観覧車がきれいにライトアップされてきた。

この観覧車(Shanghai Wheel)だけは、近くにあったチケット売り場で現金を使うことができた。50元でチケットを買い、ゴンドラに乗り込む。今回、錦江楽園で唯一利用することができたトラクション。

観覧車の大きさは108メートルだそうで、上空からの眺めをゆったりと楽しむことができた。高速道路の光の線がきれい。

ただ、頂上付近に来るとゴンドラが微妙に揺れてきて若干怖い思いをした。まあ、滅多なことで事故は起きないと思うが、高所恐怖症の人にはつらいかもしれない。

降下してくると、錦江楽園の全体が見渡せた。しかし土曜日の夜だというのに士林夜市以外にはあまり人がいないのが不思議。

25分間の空中散歩を終え、地上に戻ってきた。夜景はきれいなので、この観覧車はお勧め。これが乗っていたゴンドラ。

その後もしばらく園内を散策し、夜8時ごろ空港へ戻ることにした。錦江楽園に滞在していた時間は2時間ほどで、結局は観覧車しか乗れなかったが、まあ楽しめた。ただホラーハウスなどの他のアトラクションを利用できなかったのが心残りなので、またトランジットで上海に滞在する機会があれば来てみたい。そのときはキャッシュレスに対応したスマートフォンを持参することにする。

錦江楽園駅から地下鉄に乗り、帰りは上海リニアは利用せず空港まで移動した。料金は8元で、行きは合計55元だったのでかなり安い。急がないときは無理に上海リニアを利用することはなく、地下鉄だけで十分。ただし空港まで1時間45分かかった。

空港の第1ターミナルと第2ターミナルの連絡通路にあるレストラン街で夕食にして(牛肉麺、チキンライス、コーラで85元)、手荷物を受け取った。料金は15元で、トランジットで市街へ出る際はターミナルの手荷物一時預かり所は便利。

第2ターミナルへ移動してアエロフロートのカウンターでチェックインを行い、中国を出国した。日付が変わった0時半過ぎに搭乗が始まり、深夜1時15分にモスクワへ向けて出発。