モルドバ&ルーマニア旅行記(シナイア / ペレシュ城、僧院)

シナイア滞在2日目。朝8時半に起床し、朝食を終えて10時にチェックアウト。荷物をホテルのフロントに預け、シナイアで一番見たいと思っていたペレシュ城へ向けて出発した。ルーマニアでもっとも美しい城と言われているだけあって、どんな景色が見られるのか楽しみ。

しかしシナイアは本当に雰囲気のいい町で、少し歩くと木々の中にこういう屋敷が次々と現れる。

売りに出されている屋敷もあった。十分な金を持っていれば、こういう家を購入して住んでみたい。もっとも、広すぎて手入れと税金が大変かもしれないが。

歩いていくとシナイア僧院があったが、ここは後で見ることにして、まずはペレシュ城へ。

城が近づいてくると、土産物店が並んでいる通りが現れた。木漏れ日がきれい。

木々の間の小道を抜けると、遠くにペレシュ城が見えてきた。

ペレシュ城のアップ。「ルーマニアでもっとも美しい」と言われているが、これはもう「ヨーロッパでもっとも美しい」と言ってしまっていいように思える。それくらい見事な眺めで、最初に見たときは激しく感動した。城の建物と周囲の緑と快晴の青空の構図が素晴らしすぎる。

「ヨーロッパでもっとも美しい城」といえば一般的にはドイツのノイシュバンシュタイン城だと思うが、私はまだ見たことがない(ドイツ自体、行ったことがない)。なので比較はできないため、両方を見たことがあるという人がいれば感想を聞かせてほしい。

城の入口まで小道が続いている。歩いていくと正面から眺められた。

この角度だと、少し逆光になる。なので午前中は正面右側から、夕方は左側から写真を撮るのがよさそう。

近くから見上げた眺め。「中世の城」というイメージそのままの景色に感動。今回の旅行ではブラショフという観光地を諦めてシナイアに滞在したわけだが、この城を見ることができて本当によかった。

城の前には、いくつかの石像があった。こちらは横たわる女性像。

こちらは、この地方の英雄だろうか。

この城は町はずれの丘に建っているので、周囲の景色もきれい。

城の内部はガイドツアー形式で見学することになる。主要な部屋を回るベーシックツアーの他にオプショナルツアーというものがあり、これだとさらに広い範囲を見ることができるらしい。このため、ここでは迷わず「ベーシックツアー+オプショナルツアー」を選択した。料金は60レイ。

さらにカメラの持ち込みにはカメラチケットが必要だったので、もちろん購入(この料金は35レイ)。ツアーが始まるまで、中庭で待機。

11時にガイドツアー開始。城の中は完璧なまでに「中世の城」というイメージそのままで、歩いていると楽しくて仕方がなかった。以下、あまりコメントを加えずに写真を並べておく。

「バイオハザード(ゲーム版1作目)の洋館だ!」なんて興奮してみたり。

バイオハザードにはまってプレイしたことのある人なら絶対に共感できるはず。

さすが、このレベルの城になるとハープが置いてあるんですね。

ベーシックツアーのみの参加者とは途中で分かれ、そこからはオプショナルツアー参加者だけで見学することになる。しかし城の中の調度品や絵画などは本当に見事なので、 オプショナルツアーを申し込んでおいてよかったと思えた。ペレシュ城を見学する際は、絶対にオプショナルツアーもセットで参加してほしい。

細長いテーブルが置いてあるのは、一族が揃って食事する部屋だろうか。映画などでそういう食事のシーンを見たことがあるが、なんでこんな細長いテーブルを使うんだろう。上座と下座が露骨にわかるようにするため?

室内にアーチがあるというのもすごい。椅子がたくさん並んでいる部屋は謁見室だろうか。

年季の入っていそうなパイプオルガンもある。

あまりの豪華さに、もう満腹状態。

あちこちに置いてある石像もいい感じ。

もちろん廊下には甲冑も置かれている。

ところで、ツアー参加者の中になぜかこういう人がいたので、こっそり写真を撮ってみた。「新・ホリエモンTシャツ」なんて、いったいどこで買ったんだろう。ちょうど腕組みで隠れてしまったが「新」と「!」の下にはホリエモンの笑顔のイラストがある。

しかし他の参加者は、これが日本語だということに気付いていないはず。まさかルーマニアでホリエモンという文字を見ることになるとは思わなかった。

それにしても、大満足のガイドツアーだった。室内の装飾は細部まで凝っているし、豪華な調度品はどれも年季が入っていて見事なものだし、何より中世の城というイメージそのままの雰囲気が本当に素晴らしい。ここはルーマニアで最大級のおすすめスポットだと思う。

ツアーを終え、外に出て塔を見上げてみた。

しばらく、城の前の庭を散策。中庭に飲料の自動販売機があったのでコーヒー(2レイ)を買って休憩したが、外国で自動販売機を見るのは珍しい。

ここで城の来歴について簡単に記述しておくと、ルーマニア王国の初代国王カロル1世が夏の離宮として建造した城になる。国民から不満の声が上がるほど巨額の費用が投じられたそうだが、今ではルーマニアの有名観光地となっているので、長い目で見れば費用が無駄だったかどうかはわからない。今後も観光客が大勢訪れるだろうから、建造費を少しでも回収してほしい。

名残惜しいが、これでペレシュ城を出て近くにあるペリショル城へ。ここもペレシュ城と同じく カロル1世が建造した城だが、狩猟用の城だそうなのでペレシュ城と比べると簡素な感じ。

簡素といっても「ペレシュ城と比べれば」という話であって、こちらの城も室内装飾はなかなかのもの。ただし、この城は写真撮影禁止だったので写真は撮っていない。内部の風景を見たい人は直接訪れてほしい。

ペリショル城を出て、歩いているとカフェが集まっているエリアがあった。

ここでピザとチーズケーキとコーヒーフロートの昼食。値段は全部で34レイで、ケースに並んでいる食べ物がどれも美味しそうだったので豪華な昼食になってしまった。たまにはこういうのもいいかも。

昼食後、シナイアの市街へ戻ることにした。

最後にもう一度、ペレシュ城を眺めてみた。はたして、この城を再訪する機会はあるだろうか。

ゆっくり歩いて市街へ戻り、続いてシナイア僧院に入ることにした。チケットは5レイ。

もともと「シナイア」とはこの僧院の名前で、それがもとになって町の名前もシナイアになったという。つまり、町よりも古い僧院になる。

僧院には2つの教会があり、まずはこちらの大教会を見学。入り口の上には見事なフレスコ画がある。しかしながら教会内は撮影禁止だったので写真は撮っていない。

大教会の近くにある門をくぐると、古い教会がある。この教会は僧院創建当時のままだという。

こちらのフレスコ画は年季の入った感じ。教会内は写真撮影禁止なので、入口の前にあるフレスコ画を見上げて撮ってみた。

これでシナイアの2つの観光スポットを見たことになる。この日のうちにブカレストへ移動するので、これで僧院を出て駅方面へ戻ることにした。